【プロフィール】
貝 雅史(かい まさし):新潟市出身。専門学校を卒業後、副業的に音楽制作を始める。副業が多様化し、2013年にWeb制作やイベントディレクションなどを主軸に独立。エンジニア専門のシェアオフィスを運営。新潟県内のみならず、首都圏からの依頼にも対応。趣味の釣りが目下のリフレッシュ方法。
音楽に没頭した学生時代
——学生時代はどのようなことに熱中していましたか?
貝さん:サッカーとレコードまみれの毎日でしたね。
音楽にどっぷりハマっていったのはこの頃からでした。サッカーは社会人になっても続けていたんですよ。
——卒業後はどのような道を歩まれたのですか?
貝さん:専門学校を卒業して、まずは就職して働きました。
一方で、学生時代から始めていたDJ活動も続けていたんです。そうしたら、あるとき音楽制作の依頼が舞い込んできました。
——どのような制作依頼だったのでしょうか?
貝さん:当時はAdobe FlashがWebサイトの主流でした。
サイト上でBGMや効果音を鳴らすという文化があったのですが、「その音を作ってほしい」という依頼でした。
——未経験からのスタートだったのですか?
貝さん:本を読んだり、先輩や友人に教えてもらったりしながら、必死に制作して納品しました。
いわゆる「下手の横好き」ではありましたが、それが副業としての第一歩でしたね。

「人を編む」ディレクターの原点
——最初の依頼が発展していったのですか?
貝さん:音楽を納品すると、今度はクライアントから「Webサイトも作れないか?」と相談されるようになったんです。
——Webサイト制作もご自身で手がけたのですか?
貝さん:当時の僕にはWebサイトは作れませんでした。
でも、「Webサイトと音楽を同時進行で作るほうが効率がいい」と考え、そこで「こっちでWebサイトを作れる人を探しますよ」と答えたんです。
——どのように仕事が広がったのですか?
貝さん:ちょうどmixiが全盛期で、SNS運用やマーケティングという新しい仕事が生まれ始めていた時期でした。
クライアントが求める人材を私が探して、チームを編んでいく。いつしかそれが当たり前の形になり、今の仕事の原型が作られていきました。
——得意分野外のまとめ役は苦労しましたか?
貝さん:チームとして動く以上は中身を知らなければなりません。デザイン、コーディング、動画制作、マーケティングなど…、まずは自分でもやってみるようにしました。
一度経験することで、プロの凄さを肌で実感できました。そうして2013年に独立を決意しました。

営業ゼロを支える「信頼とつながり」
——独立当時はどのような依頼が多かったですか?
貝さん:ほぼ新潟県内でしたが、徐々に県外からの依頼も増えていきました。若い頃の友人や先輩が独立したり、役職に就いたりして、“私を指名してくれる”ようになったんです。
実は、うちの会社には営業マンが一人もいないんですよ!
——営業がいないのは驚きですね!
貝さん:口コミと人のつながりだけで、ここまで来ることができました。本当にありがたい限りです。
——具体的な事業内容を教えてください。
貝さん:Web制作・マーケティング・システム開発などのデジタル分野から、イベント企画や音響設営などのリアルな現場まで、幅広く手がけています。
「株式会社ワンワード」という社名ですが、「萬屋(よろずや)貝ちゃん」と呼ばれたいくらい、何でもやらせてもらっています(笑)
——貝さんの役割は何でしょうか?
貝さん:どのプロジェクトにおいても、私の立ち位置は「ディレクター」です。
クライアントの希望を実現するために、手順を考え、スタッフを集め、工数を管理する。このディレクション業務に非常にやりがいを感じています。

仕事の9割は「徹底した準備」で決まる
——昔から人をまとめるのが得意だったのですか?
貝さん:好きではありましたが、昔はなかなか結果が出ませんでした。
中学生のときにサッカー部のキャプテンをしていましたが、からきし勝てなかった苦い思い出があります(笑)。

——人をまとめて仕事をするうえで、大切にしていることは何ですか?
貝さん:入念な準備です。
仕事は、“準備の段階で9割終わっている”と考えています。本番は、あくまで準備したものを遂行する場に過ぎません。
——特に準備の重要性を感じる現場はありますか?
貝さん:例えば、Jリーグの試合中継でフロアディレクターを務める現場です。真剣勝負の場では予期せぬことが必ず起こります。そんな時にいかに速やかに対応できるかが鍵となります。
想定に想定を重ねてスタッフと共有し、準備に徹底的に時間を割いて臨みます。試合が始まったら、私たちの力で止めることはできませんから。

時代の旬を学び、期待に応え続ける
——今後の目標について教えてください。
貝さん:AIの発展にどう対応し、活用していくか。
常に時代の旬を学び続け、どんな依頼にも対応できるように準備を怠らないことですね。
——「あいつならなんとかしてくれる」という信頼に応え続けるのですね。
貝さん:そうありたいと願っています。
これからも誠実さと情熱を持って、一つひとつのプロジェクトに向き合っていきます。