【プロフィール】
中野 好夫(なかの よしお):大阪出身。小学校から高校まで東京で過ごし、料理人を志して辻調理師専門学校で学ぶ。リーガロイヤルホテル・中国の山東省・ホテル日航大阪・香港での経験を経て、ホテル日航新潟「中国料理 桃李」の料理長として着任。2025年3月にホテル日航新潟の総料理長に就任。
『新潟人262人目は、「ホテル日航新潟 中国料理 桃李」の中野 好夫さんです。料理人を志したきっかけのほか、大好きな料理への熱い想いなど、様々なお話を伺いました!笑顔でご対応いただき、ありがとうございました♪』
友人の喜ぶ顔がきっかけに
——料理人を志したきっかけを教えてください。
中野さん:高校時代に東京で一人暮らしをしていたのですが、友人が遊びに来た時に料理をふるまったのが最初ですね。
友人から「美味しい!凄いね!」と言われたのが嬉しくて、自分には料理の道が向いていると思い始めたんです。
——ご友人の喜ぶ顔がきっかけになったのですね!
中野さん:もともとは弁護士を目指していて、そのために東京の学校へ行ったのですが(笑)
結局大学へは進学せず、「辻調理師専門学校」で、料理の道へ進みました。
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修業を辛いと思ったことはない
——卒業後はどちらで修業されたのですか?
中野さん:国賓や要人もお迎えする老舗のホテル「リーガロイヤルホテル」に入社して、修業をスタートしました。
関西の独特の風習で「ホテル同士のヘルプ」というのがあって、他のホテルのヘルプに入ることも多かったですね。
ホテルによってやり方も味も違うので、臨機応変に合わせる技術が磨かれたと思います。
——中国の山東省にも修業に行かれたそうですね。
中野さん:一部の家庭にしか冷蔵庫が無いほどの田舎でしたが、修業先は“ワンフロア1,000席もある巨大なレストラン”でした。
「最高ランクの料理人」がいたので、本当に勉強になりました。
——帰国後、なぜ「ホテル日航」に入社されたのですか?
中野さん:当時の「ホテル日航大阪」には、「梁樹卿(りょうじゅきょう)」という有名な料理長がいたんです。
斬新なアイデアの料理を作る方で、「この人に学んで関西一の中国料理人になろう!」と考えていました。
——修業時代に苦労されたことはありますか?
中野さん:本当に料理が大好きで、“修業を辛いと思ったことはない”んですよ。
ホテル同士のヘルプも継続しながら、ホテル日航大阪の料理長を目指してガムシャラに修業しました。
——中野さんの料理への姿勢が伝わってきますね!
中野さん:苦労話ではないのですが、「グランドハイアット香港の宴会料理長」が「ホテル日航大阪」に来られた時のことは印象に残っています。
“本場の広東料理の技術”を目の当たりにして、私も周りの料理人も衝撃を受けました!
「グランドハイアット香港でも勉強してみたい」と思い、半月だけ勉強にも行かせてもらいましたね。
新潟の食材に惚れて
——その後、新潟に出向されたのですね。
中野さん:2010年から2019年までは、「ホテル日航大阪」に籍を置いたまま「ホテル日航新潟」で料理を作りました。
2019年に会社から「大阪か新潟を選んで欲しい」と言われたのが転機でしたね。
迷いましたが、新潟でチャレンジすることに決めました。
——新潟を選んだ理由はなんですか?
中野さん:“新潟の食材の素晴らしさ”に惹かれていたことですね。
魚の鮮度や身の締まりが他に比べて段違いで、何を取っても素晴らしいです。
出向の間に、すっかり魅了されてしまいました!
——新潟県民として嬉しいです!
中野さん:大阪と新潟では、野菜一つとっても違いますよね。
大阪は気温の影響で筋っぽいものが多いですが、“新潟の野菜は旨味が強い”です。
特に枝豆は、大阪ではあまり食べなかったのですが、新潟では美味しいのでたくさん食べています(笑)
「ホテル日航新潟」の総料理長に就任
——「ホテル日航新潟」の総料理長に就任されたときのお気持ちは?
中野さん:嬉しかったのですが、同時に大きな責任もありました。
一番感じたのは、これまでに“支えてくださった方々への感謝の気持ち”です。
——7月7日(月)には、「総料理長就任記念ディナーイベント 七夕の宴」を開催されましたね。
中野さん:洋食を担当している「池田宴会料理長」とのコラボディナーを開催しました。
“中国料理×洋食のコース”ですから、お互いに味を見合いながら、時間をかけて細かく調節しました。

気仙沼産ふかひれ姿の刺身 香港スタイル

蝦夷鮑のマヨネーズグラタン
——オリジナリティ溢れる料理の数々が美味しそうです。
中野さん:今回は、“香港時代に学んだメニュー”をアレンジしました。
「料理人としての想い」と「皆様への感謝の気持ち」を伝えられる料理になったと思います。
ミシュランの星を目指したい
——料理を提供する上で大切にしていることは何ですか?
中野さん:「美味しさ・安心・安全を第一に、食材の味を活かすこと」ですね。
見た目も楽しめるような盛り付けも心がけています。
何よりも、料理人である我々が“楽しみながら作る”ことも大切にしています。
——中野さんの今後の目標をお聞かせください。
中野さん:「ミシュランの星」を取るような料理を提供したいですね。
オリジナリティや見た目が評価されるので、それがホテルに相応しいかという問題もあって難しいですが、料理人としては憧れます。
「ホテル日航新潟」の総料理長として、ホッとできる料理を提供する伝統を守りつつ、挑戦し続けたいと思っています!
【ホテル日航新潟 中国料理 桃李】
住所:新潟市中央区万代島5-1 ホテル日航新潟3F
電話:025-240-1941
公式ホームページ
中野さんの料理に対する情熱が素敵ね♪