【プロフィール】
大上和紀(おおうえかずき):岡山県出身。JUDY.さんとの出会いをきっかけにスパイスカレーの魅力にハマり、結婚後は調理の道へ。新潟の食材に合わせたスパイスの研究に日々熱中している。
JUDY.(じゅでぃ):新発田市出身。音大を卒業後、バックコーラスの世界へ。新型ウイルス禍をきっかけに、スパイスカレーのお店を神奈川県にオープンする。現在は新発田へ戻り、2025年5月に新発田店をオープン。和紀さんとお店を切り盛りする。
『新潟人259人目は、「YOLO Spice(ヨロスパイス)」の大上和紀さん、JUDY.さんご夫婦です。 “2人だからこそたどり着いた味と生き方”を中心に、様々なお話を伺いました!笑顔でご対応いただき、ありがとうございました♪』
歌との出会いは突然に
——JUDY.さんは音楽家として活動されていたのですね!
JUDY.さん:音大進学の為に、18歳で地元の新発田市を離れました。小さい頃から習っていたエレクトーンを極めるつもりだったのですが、音大の夏期講習でクラシックを演奏したことをきっかけに、「本当にやりたいことは何か」を自問自答するようになりました。
しかし、音大への進学は決まっていて…ぱっと浮かんだのが“歌”でした。そこから私の歌への道が始まりました。
——それまで歌に興味はなかったのですか?
JUDY.さん:昔からハーモニーは好きでしたね。大学ではポピュラー音楽学科のボーカル専攻を選択し、大学を卒業して音楽活動を始めました。
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“声を重ねる”という原点
——音楽活動はどうでしたか?
JUDY.さん:20代前半は上手くいかない日々が続きましたね。そんなある日、知り合いから「私がテレビに出ている」と連絡が来たんです。
よくよく聞くと他人の空似で(笑)。どんな人か調べてみると、久保田利伸さんやトータス松本さんのバックコーラスをされている「YURI」さんという方でした。
その時、感覚的にピースがハマった気がしたんです。「私がやりたいのはバックコーラスだ」と感じました。
——見間違いがきっかけだったのですね!
JUDY.さん:それからYURIさんのSNSを探すと、「人数&期間限定でレッスンをします」という告知を見つけて…。何よりも“YURIさんと繋がりたい”という一心で、連絡を取りました。
この出会いから、バックコーラスというアーティスト活動が始まりましたね。
清水翔太との“答え合わせ”
——どんなアーティストのバックコーラスを務められたのですか?
JUDY.さん:清水翔太さんやスガシカオさん、小柳ゆきさん、広瀬香美さんなど、いろいろな方々と全国を回らせていただきました。
——一流アーティストばかりですね!特に印象に残っているステージはありますか?
JUDY.さん:どのステージにも思い入れはありますが、一番は清水翔太さんのステージです。上京時に東京へ向かう夜行バスの中で聞いていたのが、清水さんの「HOME」でした。
“今更帰れないよ”という歌い出しが当時の私の状況とリンクしていて、とても印象に残っていたんです。それから10年後、清水さんのデビュー10周年のライブに参加し、コーラスを担当させていただきました。
“歌を選ぶ”という決断の答え合わせをしたような出来事でしたね。
“YOLO Spice”に込めた思い
——スパイスカレーとのつながりは何だったのですか?
JUDY.さん:ツアーで全国を回る中で、スパイスカレーを食べ歩いていたんです。もともと好きだったのはもちろん、カレーのスパイスが三半規管や自律神経に作用して、体調管理の一つにもなっていたんです。
——スパイスカレーは身近な存在だったのですね!
JUDY.さん:そんな中、新型ウイルス禍となり、コーラスの仕事ができなくなっていきました。これからのことで頭が真っ白になっていた時に、私がカレー作りも好きなことを知る友人が「スパイスカレーのキットを作って!」と声を掛けてくれたんです。
これを機に、当時住んでいた大阪から新発田に戻り、イベントや間借出店でカレーを作るという生活が始まりました。
——店名の由来は何ですか?
JUDY.さん:YOLOは“人生は一度きり”を意味する「YOU ONLY LIVE ONCE」の頭文字を取ったもので、私の曲のタイトルでもあります。私にとってお守り的なこの言葉に、「SPICE」というもう一つ大事な曲のタイトルを合わせました。
間借り営業などをする時からすでにこの名前を使っていたんです。それからはずっとこの名前で、神奈川県に移転した時も『YOLO Spice』で営業していました。
大上さん:私が彼女に出会ったのも、神奈川県に移転した頃でしたね。
——大上さんもスパイスカレーが好きだったのですか?
大上さん:むしろダメなほうでした(笑)。彼女と出会う前ですが、スパイスカレーを食べてみたら美味しくなくて…。それからまったく食べようとも思いませんでした。
それが縁あって妻と出会い、彼女のスパイスカレーを食べたら、「こんなに美味しいんだ」と世界が変わりました。
スパイス嫌いが“看板シェフ”に
——それで一緒にお店を始めたのですか?
大上さん:いえ、違います。私は別の仕事をしていたのですが、妻が「カレー屋をまたやりたい」と言ったんですね。「彼女が作るカレーなら絶対に成功する」と確信していたので、前職を辞めて一緒にカレー屋をやることにしたんです。
妻が作ったレシピをもとにカレーを作っている中で、徐々に微妙な違いが分かるようになっていきました。そうすると、カレー作りが楽しくなってくるんですよね。(笑)
JUDY.さん:彼は“私が0から生み出した1を100にしてくれる”んです。食材の持ち味を生かしながら、体が喜ぶ味わいという共通のものを目指して、微妙なスパイスの調整をしてくれます。
“2人だからこそ”、この味にたどり着けていますね!
——2025年から再び新発田に戻ってこられましたが、今後の目標を教えてください!
大上さん:野菜や肉、米など、新潟はおいしいものが安く手に入ります。そんな良い物を毎日食べている新潟の方々に食べていただくのは“プレッシャー”もありますが、それよりも“楽しさ”の方が勝りますね。
だから、ずっとこの仕事を続けていきたいです。「有名スパイスおじいちゃん」と呼ばれる日まで、毎日頑張りたいと思います。
JUDY.さん:「このお店に来れば心地よく過ごせる」。そんなふうに思ってもらえるお店になりたいですね。“長く愛されるお店”が目標です。
【YOLO Spice】
住所:新発田市大手町6-1-9
電話:070-8417-6729
営業時間:11:30~17:00(カレーは11:30~15:00※売り切れ次第ティータイムへ移行)
定休日:不定休
公式Instagram
お二人の人柄が溢れている素敵なお店ね♪さっそく足を運んでみましょう!