【プロフィール】
斉藤 裕志(さいとう ひろし)さん:燕市出身。飲食店経営を本業にする傍ら、家業の「斉藤いちご園」を手伝う。2010年より2代目として本格的に就農。直売所の運営や広報活動を担当しながら、おいしい「越後姫」の栽培に力を入れている。
『新潟人247人目は、燕市でいちご農家を営む「斉藤いちご園」の店長・斉藤裕志さんです。家業を継ぐことを決めたきっかけや、栽培で大切にしていることなど、たくさんのお話を伺いました!笑顔でご対応いただき、ありがとうございました♪』
飲食業からいちご農家へ
──以前は違う仕事をされていたのですね!
斉藤さん:飲食店経営をしていました。夜営業がメインだったので、夜は飲食店で働きながら、日中は家業も手伝っていました。
──本格的に就農したきっかけは何だったのですか?
斉藤さん:父親から「跡を継いで欲しい」と言われたのもありますし、朝から夜まで仕事をする生活で体を壊してしまったんですよね。
──たしかに多忙な日々でしたよね…。
斉藤さん:毎日睡眠不足でしたね(笑)。また、飲食店の仕事を40歳まで続けるイメージもできなかったので、家業を継ぐことを決めました。
──本格的に就農して変化はありましたか?
斉藤さん:何より、肉体的にすごく楽になりました(笑)。父親も現役で続けているので、役割を分担しながら運営しています。
また、家族以外の従業員に手伝ってもらっています。良い品質のいちごを作るうえで、欠かせないメンバーですね。
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特大サイズの越後姫
──いちご栽培をはじめたきっかけを教えてください!
斉藤さん:代々続く米農家でしたが、米以外の新たな収入源として父親がいちご栽培を始めました。
当時は燕市にいちご農家は1軒もなくて、ゼロからのスタートだったそうです。
──栽培している品種は「越後姫」のみですか?
斉藤さん:基本的に「越後姫」のみです。越後姫は新潟の気候に合わせて開発された品種なので、栽培しやすい部分もありますね。現在は、10棟のハウスに24,000株を植えています
──「越後姫」の特徴を教えてください!
斉藤さん:“大粒で鮮やかな赤色”が特徴です。さらに、酸味が少ないので甘みが強く、果汁が豊富ですね。
当園では、スーパーなどでは見ることのない“特大サイズの越後姫”も生産しています。
──それが「ダイヤモンド越後姫」ですね!
斉藤さん:「おいしい越後姫を特大サイズで味わってもらいたい」と思い、開発しました。シーズン中のたった1ヵ月しか収穫できない貴重な品種なんですよ。
──栽培するのも難しそうですね…。
斉藤さん:失敗すると大きく育たなかったり、収穫の時期が遅れるリスクもあります。粒を大きくするためには、苗を植え付けるタイミングや水を与える量、ハウス内の温度など、さまざまな条件をクリアしなければなりません。
栽培方法を確立させる為に、父親は何度も試行錯誤を繰り返したそうです。今では安定して収穫できるようになり、当園の名物になっています。
「斉藤いちご園が1番おいしい」
──製造・販売でのこだわりはどんなところですか?
斉藤さん:“直売や通信販売”をメインにしている点です。お客様の反応を直接知ることができるので、モチベーションが高まりますね。
「斉藤いちご園が1番おいしい」と言ってもらえるように、“大きさと甘さにこだわった越後姫”を生産しています。
──通信販売でも手軽に購入できるのは嬉しいですね!
斉藤さん:ネット注文では、“収穫したての越後姫を基本その日に発送”しています。全国の方に、一番おいしいタイミングで「完熟した越後姫」を堪能して欲しいと思います。
──大切にしていることは何ですか?
斉藤さん:「ダイヤモンド越後姫」など、ブランド力をつけて差別化することですね。あとは、ギフト用にパッケージのデザインもこだわっています。
当園の場所は、条例の関係で商業施設を建てられないので、店舗としてプレハブを活用しています。それでもしっかりお店に見えるように、外観のデザインなどで工夫しています。
──越後姫を使った加工品も販売していますね!
斉藤さん:越後姫を使ったジェラートやジャムなども販売しています。ジェラートとシャーベットは特に人気で、いちごの果肉がたっぷり入っているんです。いちごの味と香りをそのまま感じられると思います。
“情報と経験”の両方が重要
──天候や市場の変化など、大変なことも多いですよね。
斉藤さん:さらに高みを目指して栽培と日々向き合っていますが、何か壁があったとしても乗り越える自信があります。
不安に思うこともありましたが、起きていないことを考えても仕方がないので、常に前向きに考えるようにしています。
──その思考はどのように形成されたのですか?
斉藤さん:“自分の店を持つという夢”を達成できた経験が大きかったですね。「情報と経験の両方が重要」と考え、当時は月に20~30冊の本を読んでいました。
──多くの知見が活かされているのですね!
斉藤さん:もちろん、思うようにいかないこともあります。どのように改善できるかを日々考えていますね。
いちごは果肉が柔らかいので、傷がつかないように毎年改善しています。「より良いものを届けたい」という想いが強いからこそ、クレームが1~2件あるだけでもへこみますね(笑)。
より“充実した施設”に
──おすすめの食べ方はありますか?
斉藤さん:冷蔵保存でそのまま食べるのが一番ですね。苺の酸味が苦手な方も、当園の越後姫は食べやすいと思います。
──お客さまとの印象に残るエピソードを教えてください!
斉藤さん:ありがたいことに、毎年リピートしてくれるお客様が増えてきました。お客様なのに、皆さん差し入れをしてくれるんですよ。
毎年いちご狩りに来てくれるお客様もいて、皆さんの幸せそうな顔を見ると「もっとおいしいいちごを作ろう」と改めて思いますね!
──最後に、今後の目標を教えてください!
斉藤さん:より多くの人が訪れてくれるように、「充実した施設」にしていきたいですね。
人が集まるところには、エネルギーがあって活気が生まれます。そんな場所をつくり、“地域の活性化に貢献したい”と思います。
【斉藤いちご園】
住所:燕市燕115
電話:0256-47-1519
営業時間:10:00〜17:00
駐車場:有
公式ホームページ
おいしい「越後姫」をお取り寄せしましょう♪