プロフィール
田中 結(たなか ゆい):新潟市出身。新潟柔整専門学校を卒業後、横浜の整骨院で約2年半勤務。その後、ベーカリーに転職し、パン作りやカフェの運営について学ぶ。2021年春に新潟へUターンし、同年10月に古町で「SunBake」をオープンする。
ガタチラスタッフ:『新潟人126人目はベイクショップ「SunBake」・オーナーの田中結さん!
前職は柔道整復師という田中さんがベイクショップをオープンするきっかけとは!?お店に込めた想いなど根掘り葉掘りお聞きしました!素敵な笑顔で取材に応じてくださり、ありがとうございました!』
柔道整復師からパンの世界へ
──学生時代は柔整について学んでいたそうですが、ご自身もスポーツをされていたのですか?
田中さん:両親が水泳コーチをしていた影響で、3歳から中学卒業まで水泳をやっていて、高校ではサッカーをしていました。柔道整復師を学ぼうと思ったのは、自分が競技をするよりサポートする側になりたいと思ったからです。
──それで柔道整復師を目指されたんですね!
田中さん:柔道整復師は国家資格ですし、試験に合格すればいずれ開業できると思いました。卒業後は「情報の多い都会の方が成長できる」と考え、2年ほど横浜にある整骨院で働きました。
──柔道整復師からベーカリーに転職するきっかけは何だったのですか?
田中さん:働いているうちに自分の努力の限界を感じるようになったんです。患者さんの悩み事などを聞いているうちに、自分もネガティブに考えるようになってしまって…。気持ちを一度リセットするために仕事を辞めました。
──そんな理由があったのですね…。ベーカリーを選んだのはなぜですか?
田中さん:ある日、偶然入ったベーカリーのパンが美味しくて感動したんです。その後に雑誌にそのお店が紹介されているのを見て、「美味しいパンを作っている社長の頭の中を覗いてみたい!」と思い切って入社しました(笑)。
──ビビッと来てすぐに行動を起こすなんてすごいですね(笑)。
田中さん:直感を大事にしているからですかね(笑)?最初は製造部門でパンを作っていたのですが、閉鎖された部屋でひたすらパン作りをしているうちに「お客様と関わることで何か変わるかもしれない」と思い、カフェのサービス部門に異動したんです。その経験が自分にとっては大きな変化でしたね。お客様に「ありがとう」と言われたり、お客様のために何かをすることが好きだと気づきました。
──常に成長したいという気持ちが強いんですね。
田中さん:ルーティーンを繰り返すよりは、お客様と話したり、好みに合いそうなパンをおすすめしたり、‟察して動く“ことが好きです。その後はカフェの運営にも携わり、商品開発や人事の管理などを担うリーダーも経験させていただきました。「何かを得たい」という想いで働いていましたね。
──その時から自分のお店を持つという目標があったのですか?
田中さん:高校生の頃から「人が集まる場を作りたい」という気持ちを持っていました。そのうちに新型ウイルス禍になって、都会にいるより地方に住むメリットの方が多いと感じるようになったんです。「ウイルス禍の今だからこそ、チャンスだ」と考えるようになり、当時の同僚と一緒に新潟でお店をオープンしました。
古町で地産地消のパンづくり
──お店の場所に古町を選んだ理由は何ですか?
田中さん:2カ月くらい自転車で場所探しをしていて(笑)、ここを通った時にビビッと来たんです!古町は朝、昼、夕方と人が行き交う場所なので、この場所ならデイリーな商品を扱ってもやっていけそうだと感じました。古町は昔と比べると人が減った気もしますが、最近は古着屋さんやおしゃれなカフェもできて、東京からUターンで戻ってくる若い人も増えているので一緒に盛り上げていきたいと思っています。
──お店のコンセプトは何ですか?
田中さん:「新潟に貢献したい」という想いで帰ってきたので、“for local(地元のために)”をコンセプトにしています。新潟には素晴らしい農作物を作る農家さんがたくさんいるので、私たちのようなお店がその食材を使って、地元の人たちが「地元のモノは美味しいよね」と感じるものを作りたいんです。
──素敵な想いですね!食材は県産にこだわっているのですか?
田中さん:県産にこだわりたいと考えています。繋がりもなくUターンしてきたので、この1年はルート開拓を頑張りました。今はまだ一部にしか県産品は使えていませんが、これからはこれまで得た繋がりを活用し、県産の素材を使った商品を作っていきたいと思います。
──これだけ商品があるとどれにしようか悩んでしまいますね!
田中さん:どれも食べて欲しいですが、おすすめは「レーズンブレッド」です。レーズンパンは食パンサイズが多く、途中で飽きてしまいがちなので、小さめサイズに作りました。レーズンはオーガニックのものなのでブルーベリーみたいにジューシーなんです。食パンのもっちり感と、こだわりのレーズンを一緒に味わっていただきたいですね。新潟は旬のものがタイムリーに手に入るので、旬のより良いものを選ぶようにしています。
パンを通じて新しいコミュニティを生み出したい
──お客様との印象に残るエピソードはありますか?
田中さん:オープンしてからは「頑張ってね!」、「また来たよ!」と応援してくださるお客様が多く、毎日がうれしいことばかりです。当店は私がトレーを持ってお客様に選んでもらうスタイルなので、会計だけの接客ではないのが特徴です。少しでもお話しすることで「新しいコミュニティがここで生まれたらいいな」という想いからこのスタイルにしました。だからお客様との距離が近いんです。「どれも美味しそう…」と悩んでいる姿を見るのがうれしくてにやけてしまいます(笑)。
──オープンから1周年を迎えたばかりですが、最後に今後の目標を教えてください!
田中さん:今後はヴィーガンやグルテンフリーなど、新潟県産米粉を使った商品づくりに反映したいと考えています。私はパンよりも米派なので(笑)。私たちは始めたばかりで、これが完成形だとは思っていませんし、お客様がワクワクするようなことをやっていきたいです。楽しいことがしたくて新潟に帰って来たので、誘われるのを待つのではなく自分で生み出して、どんどん行動していきたいと思います!
【SunBake】
住所:新潟市中央区西堀前通6番町900-2
営業時間:7:30~※売り切れ次第終了
定休日:不定休
ステキなお店ね!さっそく行ってみましょう♪