【プロフィール】
岩田 文月(いわた ふづき):奈良県出身。2023年4月に新潟大学創生学部に入学。在学中からエスイノベーション株式会社でのWEBメディア運営・オープンイノベーション事業などに携わる。2024年6月、新潟県内最大級の学生コミュニティ「次世代BASE」を創設し代表に就任。2026年1月に「(株)ネオシーム」を始動し、代表取締役に就任。
奈良から新潟へ飛び込んだ理由
——「新潟大学創生学部」を選んだ理由を教えてください。
岩田さん:複雑化する社会課題へのアプローチには、「専門知の融合」が必要不可欠であると感じました。
そんな中、“専門知をつなぎ合わせられるような人間になりたい”と考えたんですよね。
文理融合系の「新潟大学創生学部」が最適だと感じ、進学を決めました。
——実際に新潟に来てみてどうでしたか?
岩田さん:他大学の学生や地域の企業と関わる機会がない状況だったので、“このまま4年間を過ごすのはもったいない”と感じました。
その違和感が、学生コミュニティ『次世代BASE』を立ち上げる原点にもなっています。
——ニュージーランド留学での経験も転機になったとか?
岩田さん:大学2年の終わりに、ニュージーランドに2ヵ月だけ留学しました。
そこで出会った実業家の後継者に、「君は面白い。でもなんでもっと頑張ってやらないんだ?失敗してもいいからやればいいじゃん」と言われたんです。
日本特有の同調圧力に流されず、“もっと自分の道を生きていいんだ”って自分の中でスイッチが切り替わりましたね!

学生コミュニティ『次世代BASE』の誕生秘話
——『次世代BASE』について教えてください。
岩田さん:「学生同士そして地域社会に新たな繋がりを創出する」という理念で活動しているコミュニティです。
“新潟県内最大級の学生コミュニティ”として、現在300人以上が参加しています。
——どんな特徴がありますか?
岩田さん:大学の垣根を越えた学生同士の交流はもちろん、「企業・自治体との共創プロジェクト」も展開しています。
「リアルのイベント」と「Discord※を活用したオンラインコミュニティ」を掛け合わせた運営が特徴です。
※Discord(ディスコード):テキスト・音声・ビデオチャットができるオンラインコミュニケーションツール。

——どのように誕生したのですか?
岩田さん:立ち上げメンバーの「齋藤/高見/網代」との出会いがきっかけでした。
自分に近い世代の彼らがイベント運営をしていることに興味を持ち、当日の会場で挨拶したのが始まりですね。
違う大学の学生でしたが、同じ思いを持つ仲間を見つけられて嬉しかったです!
——立ち上げはどのように進めたのですか?
岩田さん:出会った日の夜に、「学生コミュニティがあったら楽しいよね」という流れになって、その日のうちにオンラインサーバーを作ってしまいました(笑)
それぞれのネットワークで周りの学生を誘い、全力で声をかけまくったことで、50人くらいまではあっという間に集まりました。
——『次世代BASE』という名前に込めた思いは?
岩田さん:最初は「新潟ベース・HUB・LINK」など、人をつなげたいというコンセプトの名前がいくつか出ました。
その中で、「秘密基地としてのベース/拠点としてのベース」という意味を持つ『次世代BASE』がしっくりきたので決めました。
「若い世代が思いっきり自分の可能性を広げられる場所」を目指しています!

失敗と再起の半年間
——立ち上げ当初の苦労を教えてください。
岩田さん:イベントをたくさん開催したほうがいいという判断で、「ハロウィンパーティー」を企画しました。
企業様に無茶なお願いをして、“オリジナルブランド商品の協賛”をもらって開催しましたが、成功とはいえない結果でした。
その他にもいろいろ上手くいかない時期がありましたね。
——その困難をどう乗り越えましたか?
岩田さん:夢や想いをメンバー内で共有して、トライアンドエラーを徹底しました。
“仮説検証をどれだけ回せるか”ということに注力して、とにかく行動しました。
ご迷惑をおかけした方々もたくさんいましたが、「次は頑張れ!!」と言ってくれる方々には、本当に救われました。
——支えてくれた方々について聞かせてください。
岩田さん:経営者の皆さまをはじめ、設立時から力を貸してくださった方々には本当に感謝しかありません。
若者の話に耳を傾けて「一緒に挑戦してくださる大人」がいることが、“今の自分と次世代BASEが存在する大きな理由”です。
主体性をもって挑戦する精神を育ててくれ、“共創という言葉を体感した経験”でもありました。

300人のコミュニティが生む「つながりと挑戦」
——『次世代BASE』の規模を教えてください。
岩田さん:300人以上が参加していて、“年間50のイベントやコンテンツ”を運営しています。
「5~1,000人の規模のイベント」を、月平均4〜5個ペースで企画運営していますよ。
4月の「新歓祭」では1,000人近くが集まり、9月には「経営者と学生の座談会」も実施しました。
——具体的なプロジェクトを教えてください。
岩田さん:「米で学生と地域をつなぐおにぎりブランド【こめくしょん】」のほか、「食品企業と連携した食育や食の魅力発信を行う【ソレイユ】」など、企業とのコラボレーションも活発化しています。
田植え・BBQ・県外学生との交流企画など、人と出会える企画が多いですね!
得意なこと・興味・やりたいという想いを起点に、学生がどんどん新たなことにチャレンジしています。
“学生が社会と関われるモデル”が、自発的にどんどん増える仕組みを創っています。

——運営体制は?
岩田さん:基本的にはメンバー全員が自由に動いています。
私が何も関与していないものもあり、困ったら相談に来るくらいの関係性です。
——“継承”について教えてください。
岩田さん:いつかは卒業を迎える学生のコミュニティなので、“特定の誰かがいないと回らない組織にしてはいけない”と思っています。
「新しい世代がその場所を引き継いで、さらに発展させていく」ことが、『次世代BASE』という名前に込めた本来の意味でもあります。
だからこそ、マニュアルを整えて“後輩に継承していく仕組み”を意識的に作ってきました。

——後輩の成長を感じる場面はありますか?
岩田さん:最初はただ参加していた子が、半年も経つと自分で主催側に回り、企業や地域を巻き込みながらその輪の中心に立っています。
その姿を見るたびに、“常に新しい世代が育っていく場所”になっていると実感できて嬉しいですね。
小さな成功体験を積み重ねることで、社会に出てからも“大きなインパクトを示せる存在”になってほしいです。
——参加した学生にどのような変化を感じますか?
岩田さん:新潟の企業や地域との接点が確実に増えています。
“新潟が第二の故郷になった”という県外出身の学生も多いですよ。
「普通の大学生活では出会えない方々」との関係性が深くなっているからだと思います。
「株式会社ネオシーム」がつなぐ夢

——「株式会社ネオシーム」を設立した理由を教えてください。
岩田さん:『次世代BASE』で繋がった仲間が、卒業のタイミングで離れてしまうことにずっと寂しさを感じていました。
どれだけ良いことをしていても、持続するためには「経済的な価値」を伴わせる必要があります。
卒業後も、“大好きな新潟と最高の仲間と関われるコミュニティ”を持続的に維持していくために設立しました。
——「ネオシーム」という社名にも、想いが込められているとか。
岩田さん:「新しい繋ぎ目を作っていく」という意味を込めています。
「地域を創る、一つの繋ぎ目──“OneSeam”」というテーマを掲げながら、主に4つの事業(メディア/HR事業/事業開発/プラットフォーム)を展開しています。

——4つの事業について教えてください。
岩田さん:「メディアで価値を発信し、HR事業で人と企業・地域をつなぎ、事業開発で農業・食のビジネスモデルを開発、プラットフォームで世界中から新潟にアクセスできる基盤をつくる」──この4つが軸です。
それぞれが有機的につながることで、“地域を創る一つの繋ぎ目”という構想を実現していきたいと考えています。
現在注力しているのは、“ベトナムでの産直事業×コミュニティ×流通のモデル構築”です。
——ベトナムでも事業展開しているのですね。
岩田さん:高校時代からずっと考えていたのが、「地域の中でいかに自立した経済を生み出せるか」という問いです。
祖父がベトナムで「技能実習生の独立」を支援しているので、それを受け継ぎながら“世界中の地域に自立経済を生み出す新しいアプローチ”を考案したいですね。
国境や言語に関係なく、“世界中のローカルをつなぐのがネオシームの到達点”だと考えています!
——ベトナムの成長を肌で感じていますか?
岩田さん:大学生の友達も現地に多いですが、若いエネルギーがとても強いです!

若者が挑戦できる新潟
——新潟の強みを教えてください。
岩田さん:日本の縮図の様な新潟は、産業も気候も地形も多様で、“何かにチャレンジするには最高の環境”です。
多くの先輩方が学生を応援してくれる環境を、関東や関西の若者に伝えたら、「そんないい場所に行きたい」ってなるはずです!
——都会からも羨ましがられる環境なんですね。
岩田さん:新潟の先輩方は惜しみなく力を貸してくれて、「その恩は先輩には返さず、後輩に返せ」と言ってくれます。
“全ての起業家が恩を繋いでいく文化”が本当に素敵で、「新潟だからこそ挑戦できること」がたくさんあると思います!

——今後の展望を教えてください。
岩田さん:『次世代BASE』については、“新潟にいる4万人の大学生がつながること”に徹したいですね。
「高校生版コミュニティ AORIROBASE」や「卒業後コミュニティ OneSeamNiigata」の構築など、世代を軸にした拠点をつくっていく予定です。
「(株)ネオシーム」としては、地元・新潟・海外などに複数の拠点を置きながら、“世界中のローカルをつなぐ”ために、「新潟からすべての人に創造を超える驚きと感動とわくわく(WOW!)を届けるクリエイティブ集団」へと成長していきたいです。
——最後に、学生や若者へメッセージをお願いします。
岩田さん:頭の中でできるかできないか考えていても、やってみないと分かりません!
誠実さと挑戦することを忘れずに、「ご縁」と「仲間」を大切にして、夢を熱く語り続けてください。
自分らしく、自分の生きる道を創造してください!
※『次世代BASE』は岩田文月さんが代表を務める学生コミュニティです。「(株)ネオシーム」は、2026年1月に設立された会社法人であり、農業・食・メディア・HR事業などを展開しています。