【プロフィール】
田村 崇幸(たむら たかゆき):村上市出身。学生時代のアルバイトがきっかけで飲食業に興味を持つも、父親が経営する会社へ就職する。32歳のときに心筋梗塞を患い、夢だった飲食への道に進むことを決める。フランチャイズ店を経て、17年前に「朱鯱(あかしゃち)」をスタートする。
『新潟人250人目は、「朱鯱」を営む株式会社Z.O.Lの代表取締役・田村崇幸さんです。競争の激しい新潟駅前で長年営業を続けている田村さんに、話題のランチメニュー「にいがた和牛とのどぐろひつまぶし」の誕生秘話など、様々なお話をお伺いしました!笑顔でご対応いただき、ありがとうございました♪』
やり残したことをやりきりたい
——飲食業に興味を持ったのはいつ頃ですか?
田村さん:専門学校時代に、ショットバーでアルバイトをしたことがきっかけです。“色々な人と接することができて、お客様の笑顔を見られる”そんなところに楽しさを覚えていました。
——その後、飲食の道へ進むのですか?
田村さん:専門学校を卒業後は、父親が経営していた村上市の会社に勤めました。32歳の時に、「いわふね青年会議所」の理事長を務めていたのですが、このタイミングで“人生の岐路”に立つことになったんです。
——“人生の岐路”ですか?
田村さん:実は心筋梗塞になったんです。「死」を身近に感じたことで、「やり残したことをやりきりたい」という気持ちが強くなり、実家の仕事を辞めて、飲食の道に進むことを決めました。
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“村上牛”を使ったメニューを開発
——「朱鯱」を始めるのですね?
田村さん:知り合いがオーナーを務める「御米屋」というお店のフランチャイズとして、まずはスタートしました。しばらくその形で営業し、17年程前に「朱鯱」と名前を変えました。
2年程で3店舗まで成長したのですが、私の目が行き届かなくなってしまうことに気が付き、1店舗に絞りました。
——お店のコンセプトを教えてください!
田村さん:“佐渡や粟島の日本海の幸をはじめ、村上の幸や日本酒を楽しめるお店”です。また、「新潟を代表するようなお土産をつくりたい」と考え、2013年には「村上牛茶漬け」を開発しました。
——なぜ「村上牛茶漬け」だったのですか?
田村さん:当時の料理長と一緒に開発しました。“村上牛を使いたい”と考えていく中で、「村上牛の味わいを生かすには塩が一番だ」ということにたどり着きました。
使用する調味料を“純米酒と笹川流れの塩、塩麹のみ”にしたら、商品が注目されて、全日空のファーストクラスの機内食にも選んでいただけました。商品としてはかなり順調だったのですが、新型ウイルスを機に販売をお休みしています。
かき氷専門店 田村屋
——夏季限定で「かき氷専門店 田村屋」としても営業されていますね!
田村さん:当店も新型ウイルスで大きな打撃を受けました。そこで「何か始めよう」と考え、2年前から夏季のランチタイム限定(土・日・祝日)でかき氷専門店として営業しています。
——なぜ「かき氷」だったのですか?
田村さん:全国の飲食店経営者が参加する会に所属しているのですが、その会員の中にかき氷屋を経営されている方がいて、「これだ!」と思いました。
作り方などを教わり、期間限定のお店として始めたんです。しかし、かき氷の需要は暑い時期のみなので、「通年提供できるものは何だろう」と考えました。
新潟でおいしいものを食べるなら朱鯱
——その後、ランチメニューの「ひつまぶし」が誕生するのですね!
田村さん:同会に所属しているパティシエの方が、“超”がつくほどグルメな方でした。新潟の飲食店へ連れて行った際に、「新潟は素材は良いけれど、本当においしい料理を出す店がない」と言われたんです。
その言葉を聞いて、「この人にうまいと言わせたい」と思ったんですよね。そんな気持ちが芽生えていた矢先にその方が亡くなってしまい…。しかし、「おいしい料理を作りたい」という気持ちは収まらず、メニューを考えました。
——なぜ「牛のひつまぶし」だったのですか?
田村さん:色々と食べ歩く中で、「牛のひつまぶし」のおいしさを実感しました。その中でも最もおいしいと感じた、川越にある「うし川」で修業させてもらいました。
——のどぐろも使用しているのですね!
田村さん:新潟市内の飲食店のプロデュースもしていて、その時に「のどぐろのひつまぶし」をメニューとして考案していました。
そのお店はお寿司屋だったので、「にぎり寿司とのどぐろのひつまぶし」の内容です。当店は「牛とのどぐろのひつまぶし」にすれば、差別化もできて“新潟らしさ”もあると考えました。
——「にいがた和牛」にもこだわっていますね!
田村さん:「にいがた和牛」は県内で育てられた黒毛和種で、等級がA3、B3以上のものを示します。そして、枝肉格付等級がA4、B4以上であり、村上市や関川村、胎内市で肥育されたものを「にいがた和牛(村上牛)」、新発田市で肥育されたものを「にいがた和牛(新発田牛)」と言います。
当店では季節やタイミングによって、村上牛や新発田牛を使い分けているので、違いを楽しむのもおすすめですよ。
——最後に、今後の目標を教えてください!
田村さん:新潟県民はもちろん、県外や海外の人たちから「新潟でおいしいものを食べるなら朱鯱」と認識してもらえるお店になりたいですね。
【朱鯱 新潟駅前店】
住所:新潟市中央区東大通1-2-9-2F
電話:025-290-6410
営業時間:17:00~23:00、金、祝前日: 16:00~0:00、土、祝日: 10:29~14:00、16:00~0:00、日10:29~14:00
公式Instagram
「にいがた和牛とのどぐろひつまぶし」を食べに行きましょう♪