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【新潟市】『新潟ラーメンの伝道師・片山貴宏さん』にインタビュー!“持続可能なラーメン文化”の仕組み作りに迫る♪

配信日:2026年04月04日 更新日:2026年04月03日

アイキャッチ

新潟ラーメンの伝道師・片山貴宏さん

【プロフィール】
糸魚川市出身。大学進学を機に上京し、学生時代から放送作家としてテレビ番組の制作に携わる。その後(株)ニューズ・ラインに転職し、「新潟Komachi」や「新潟WEEK!」の編集を担当。2024年に独立し、飲食店のPRコンサルティングのほか、エディターやライター、講演活動など行う。新潟拉麺協同組合理事と一般社団法人日本飲食団体連合会新潟支部理事も務める。

“自分の道”を探した学生時代

—ご実家は旅行事業の会社なのですね!

片山さん:実家は「三愛旅行社」という旅行代理店です。糸魚川駅前に会社があるので、地元ではほとんどの人が知っている存在でした。

修学旅行になると、親が添乗員として一緒に来るんですよ。小学校から高校までずっとそうだったのが嫌でしたね(笑)。兄が家業を継ぐ流れだったので、「自分は全く違う道に進みたい」という思いが強くありました。

—大学進学で上京されたのですね。

片山さん:特に「これがやりたい」という明確な目標があったわけではなくて、「なんとなく面白そう」という感覚で動いていました。志望校にはすべて不合格で、結果的に滑り止めの大学へ進学しました。

ただ、勉強にはあまり身が入らなくて(笑)。人がやらなそうなアルバイトやお笑い、ヒッチハイクで全国を回るなど“面白そうなこと”にはとにかく飛び込んでいましたね。「まずやってみる」という感覚は、この頃に定着したと思います。

新潟ラーメンの伝道師・片山貴宏さん

—テレビ業界に入ったきっかけは?

片山さん:もともとテレビが好きで、「自分で考えたものを形にして、人に楽しんでもらう仕事がしたい」と思ったからです。

ただ実際に働いてみると、最終的に形にするのはディレクターなんですよね。自分の責任で作品を完成させられないことに、どこかもどかしさを感じていました。

—それが転職のきっかけに?

片山さん:「自分が最後まで責任を持てる仕事がしたい」と思ったんです。「雑誌なら企画から完成まで一貫して関われる」と考え、ニューズ・ラインに転職しました。

新潟に戻りたかったわけではなく、「やりたい仕事がたまたま新潟にあった」という感覚でしたね。

—テレビ時代の経験は今も生きていますか?

片山さん:かなり生きています。企画力もそうですし、厳しいフィードバックに耐える力もつきました(笑)。

あの経験があるから、今の仕事でもブレずに考え続けられています。

らあめん紬麦

ラーメンとの出会いと“奥深さ”

—ラーメンに興味を持ったきっかけは?

片山さん:雑誌『Komachi』の編集部に配属されたことです。男性スタッフが少なく、「食べそうだからラーメン担当で(笑)」と言われたのが始まりでした。

—もともと食には興味があったのですか?

片山さん:正直、ほとんどなかったです(笑)。でも取材を重ねるうちに、“ラーメンの奥深さ”に気づいていきました。

—どんな瞬間に感じましたか?

片山さん:同じラーメンでも、店によって背景や考え方が全く違うと知った時ですね。

味だけではなく、地域性や文化、作り手の思想まで反映されていることに気づき、「こんなに面白い世界なんだ」と衝撃を受けました。

—印象的だった企画は?

片山さん:麻婆麺特集ですね。当時はまだ認知度が低く、表紙にすることを悩みましたが、本誌をきっかけに盛り上がってほしいという思いで出版しました。

結果的にほぼ完売し、新潟で麻婆麺が広がるきっかけになったと思います。

—取材で大切にしていたことは?

片山さん:お店の営業を邪魔しないことです。そのために事前準備を徹底し、実際に食べて理解したうえで取材に臨みます。

「こだわり」を聞くだけではなく、その背景にある“思い”を言語化することを意識しています。

—編集者としてのキャリアも貴重ですよね!

片山さん:「読者視点」は今でも大切にしています。テレビ時代は作り手のユニークさを優先していましたが、雑誌はお金を払って読んでもらうものですよね。

「ユーザーが何を求めているか」を徹底的に考える視点は、現在のラーメン店支援にも直結しています。

新潟ラーメンの伝道師・片山貴宏さん

“伝える”ことで価値を高める仕事

— 「新潟ラーメン伝道師」という肩書きはいつから?

片山さん:ニューズ・ライン時代から使っています。『WEEK!』が休刊したときに、どこでも使える肩書きを作ろうと思ったのがきっかけです。

最初は「エバンジェリスト」という言葉も考えましたが、日本語にして「伝道師」にしました。調べたら誰も使っていなかったので、これはいけるなと…。

—独立されてからはどんな事業を?

片山さん:「みんなの魅力をみんなが知る」という意味で屋号は「ミナシル」と名付けました。

これまでの経験を生かしたエディターやライター業のほか、ラーメン店をはじめとした飲食店のブランディングやマーケティング支援を中心に活動しています。単に集客を増やすだけでなく、「お店の価値をどう伝えるか」を一緒に考えています。

—“美味しいだけでは選ばれない”と言われていますが…

片山さん:昔は美味しければ人が来ましたが、今は美味しいのが当たり前。それを前提としてそこから“どう加点されるか”の時代です。

SNSや接客、空間、体験…そういった要素で選ばれる時代になっています。

—その中で最も重要なことは?

片山さん:「ラベリング」です。“この店って何の店なのか”を一言で伝えられるかどうかが重要だと考えています。

麺や燈花

—実際の支援事例を教えてください。

片山さん:「ミナシルまるっとプロモーション」という形で、コンセプト設計やメニュー開発、SNS運用や写真撮影、動画編集、デザイン、広告運用、メディア対応などお店が営業に集中できるように周辺の必要事項をトータルサポートしています。

お店ごとに課題が違うので定期的に打ち合わせを行いながら伴走型でご支援するスタイルです。その他、新規立ち上げ支援、人材・物件紹介まで一括でサポートしています。

—印象に残った支援エピソードは?

片山さん:あるお店でコンセプトを尋ねたところ、「とにかく濃いラーメンです」と言われたことがありました。しかし、それでは他店との差別化は難しいので、「新潟史上最高濃度を目指して」というコンセプトに言い換えたんです。

すると、お客様にとって“行ってみたい理由”が明確になり、反応が大きく変わったんですよね。ほんの少しの言葉の違いで、伝わり方は大きく変わると実感しました。

—他にも工夫されたことは?

片山さん:ある店舗ではメニューをあえて2種類に絞り、トッピングをお客様自身に選んでもらう形式に変えました。

すると「自分で選ぶ楽しさ」が生まれて、結果的に客単価が大きく上がったんです。今は“体験そのもの”にも価値がある時代なので、そうした視点も大切にしています。

らぁめん紬麦

飲食業界のリアルと課題

—ラーメン店を取り巻く環境はどう変わっていますか?

片山さん:やることが圧倒的に増えています。SNS発信や人材採用、価格交渉など、全部自分たちでやらなければいけません。

昔よりも経営の難易度は確実に上がっていると思いますね。

—特に大きな課題は?

片山さん:「事業継承」ですね。人気があっても体力的な問題のほか、後継者不足で黒字閉店してしまうケースも増えています。

—人材面の課題もありますか?

片山さん:かなりあります。昔のように「修行して一人前になる」という環境が難しくなっているんですよね。

働き方改革の影響もあり、修行そのものが成立しにくい時代になっています。「このままだと次の世代に伝えられない」と強く感じたことが何度もあります。

新潟拉麺協同組合の活動

新潟ラーメンの価値とは

—ラーメンの魅力は?

片山さん:ラーメンの最大の魅力は“自由さ”ですね。「これがラーメン」という定義がほとんどなく、作り手の個性をいくらでも表現できます。

その中でも新潟ラーメンは、五大ラーメンに象徴されるように非常に「多様」です。地域の産業や文化、気候がそれぞれに反映されていて、ここまで幅広いスタイルが共存しているのは珍しいと思います。

—最後に、今後の目標を教えてください!

片山さん:一つは「ラーメンツーリズム」の確立ですね。新潟の文化や地域資源とラーメンを組み合わせた旅のモデルを作りたいです。

例えば、「県央地域の町工場を見学した後に職人のために開発した燕背脂ラーメンを食べて、地場産の金物製品を購入し、月岡温泉で宿泊する」という流れです。ラーメンを入り口に、地域全体の魅力を体験してもらうツアーを企画中です。

—観光との相性も良さそうですね。

片山さん:観光に来たら必ず食事をするので、飲食は重要な要素です。その中でラーメンが“寿司に並ぶ食の主役”になれる可能性は高いと思っています。

—もう一つの構想についても教えてください!

片山さん:「ラーメン予備校」の構想です。事業承継したい店と開業希望者をマッチングし、修行から開業まで一貫して支援する仕組みです。

空き家を活用した店舗開発や人材紹介も含め、地域全体の課題解決を目指します。これまでの取材やコンサルで培った経験を活かして、単なる「支援」ではなく、“持続可能なラーメン文化の仕組み”を整えていきたいですね。

新潟ラーメンの伝道師・片山貴宏さん

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