プロフィール
鹿嶋 功貴(かしま こうき):山口県出身。地元の高等専門学校から長岡技術科学大学への編入をきっかけに新潟に移住する。大学院で修士課程を修了した後、人を繋げる仕事がしたいとマイナビに就職。27歳で退職すると、世界一周や日本一周の旅、地域おこし協力隊などで様々な経験を積み、2020年8月に『鹿嶋企画』として独立。2022年4月には「あなたの試みを応援し、あなたの失敗を笑わない店」をコンセプトにしたBAR『COCOROMI』を新潟市内にオープンする。
ガタチラスタッフ:『新潟人114人目はBAR『COCOROMI』・オーナーの鹿嶋功貴さん。世界一周や日本一周の旅、地域おこし協力隊などで様々な経験を積んだ鹿嶋さんは、“みんなで何かを試せるお店”として『COCOROMI』をオープンされました。“人の為に”をモットーにしているオーナーの想いに迫ります!素敵な笑顔で取材に応じてくださり、ありがとうございました!』
目立ちたがり屋が講じて
ーー教員ではなく、一般企業に就職されたのですね?
鹿嶋さん:人に教えることが好きだったのですが、教員にならなくても教えることはできると思いました。何よりも研究職や技術職が性に合わないことにも気付いたんです(笑)。「人を繋げる仕事がしたい」という気持ちが強く、マイナビに就職しました。
ーー「人を繋げる仕事がしたい」と思ったきっかけは何ですか?
鹿嶋さん:大学4年生の時に長期インターンシップでメキシコに行ったのですが、その生活が過酷で…。帰国してすぐに「楽しいことをしたい!」と、手伝いを始めた「潟コン」がきっかけです。地域に還元していくことや、人と人を繋げることの素晴らしさを学びました。
ーーすごい行動力ですね!
鹿嶋さん:ただの目立ちたがり屋です(笑)。中学生の時も「生徒会長になるとモテる」と聞いて生徒会長になりましたが、全くモテませんでした(笑)。しかし、学校行事等を計画して実行する仕事内容は性に合っていたので楽しかったです。
当たり前すぎて気づかないこと
ーー世界一周の旅に出たきっかけは何ですか?
鹿嶋さん:当時の上司に「あと一年働けば役職が付いて年収も上がって、結婚して子供ができたら家を建てられるし、そのまま役員報酬なんかももらえて、年金で余生も幸せに過ごせるよ」と言われたことがありました。その際に「なんてつまらない人生なんだ!」と思ってしまい、即退職を決めて、ピースボートに乗って世界一周の旅に出ました。
※ピースボート…国際交流を目的として設立された日本の非政府組織、もしくは、その団体が企画していた船舶旅行の名称。1990年以降は世界各地を巡る「地球一周の船旅」を繰り返し行っている。
ーーどんな旅でしたか?
鹿嶋さん:世界の23カ国には降り立ちますが、ほとんど船の中でした。しかし、船の中では乗客が企画・運営をした運動会やダンスイベントなどが開催され、とても楽しかったです。その時の仲間とは今も繋がっていて、一生の宝物です。それこそ、一般企業で働いていたら知る事ができなかった世界や価値観に触れることができました。
人と人を繋げる場所を作りたい
ーー新潟を拠点にした理由は何ですか?
鹿嶋さん:「大好きな新潟に戻ろう!」とふと思ったんです。新潟には本当に良い所がたくさんあります。ただ、県民性として「遠慮がち」や「引っ込み思案」という方が多いので、「それなら自分が発信していこう!」と思いました。
ーーその後はどうされたのですか?
鹿嶋さん:燕市内にゲストハウスを作ろうとしたのですが、新型ウイルスの影響で断念しました。オンラインイベントなども企画しましたが、地方ではなかなか浸透しませんでしたね。とは言え、人同士が出会える場所が必要だと思っていたので、地域おこし協力隊を辞めるタイミングで新潟市内に戻り、シェアハウスを作りました。2カ月で200人集まり、「やっぱり皆集まる場所が欲しいんだ」と実感しましたね。しかし、シェアハウスは誰でも気軽に来れる場所ではなかったのでお店が必要だと思いました。
ーーそれでBAR『NAKAMA』を?
鹿嶋さん:その話を澤渡くん(『NAKAMA』代表)にすると全く同じ考えだったんです。それから1カ月後に『NAKAMA』をオープンしました!
ーーすごいスピードですね!
鹿嶋さん:私達はやると決めたら早いですよ~!そこからは『NAKAMA』を手伝い、軌道に乗ったので「次はビジネスの話ができる店だ!」とBAR『COCOROMI』を始めました。みんなで何かを試せるお店にしようと店名を付けました。
すべては他責でなく自責
ーー『COCOROMI』には、どんな方がいらっしゃるのですか?
鹿嶋さん:人生相談をしに来られる方が多いですね。「転職を考えている」や「何かを決めなくてはいけない」という場面で来られます。あとは経営者の方も多くいらっしゃいますね。
ーーお客様やスタッフとの印象に残るエピソードはありますか?
鹿嶋さん:以前勤めていたスタッフは、もともとは転職したいと相談しに来てくれていたお客様でした。そんな時にある経営者の方が「こういう人材が欲しい」と相談に来られて、見事にマッチングしたんです!実際にその後就職して、お互いにとても良かったという結果になっています。周りの人の幸せに寄与できたら、それ以上の幸せはないですね。
ーー人のために生きるのが幸せなのですね!
鹿嶋さん:おっしゃる通りで、自分のことはどうでも良いんです(笑)。というか、自分に興味がなく、物欲もないので家には物が少ないです。食にも興味がなく、服も3着くらいを着回しています。お金を使うのは人と繋がるための交際費くらいですね。
ーーそれだけ真摯に人と向き合う中で大切にしていることは何ですか?
鹿嶋さん:「他人のせいにするな」ということです。全部自分のせいと認めることで、反省と改善ができます。だからこそ、そこは厳しく言っていますね。あとは、「自分自身の徳を積む」ことを意識しています。人の為にすることが直接ではなくても、別の誰かから自分に返ってくると思うんです。その為に、余裕は常に持っていたいと思っています。
ーーこれから更に挑戦したいことはありますか?
鹿嶋さん:今のビジョンは、世界一周した時のピースボートのような空間を地方に創ることです。これまで様々な場所でコミュニティを作ってきましたが、これからはライフステージが変わっていく方達(既婚者や子育て中の方)も一緒に巻き込んでいけるようなコミュニティを作っていきたいです。
ーー仕事にも自由を求めて行くわけですね!
鹿嶋さん:まさしくそうです!既成概念に捉われず、働く場所や空間にも捉われずに報酬を得られるような体系を作って、自由に暮らせる人を増やしたいと思います。どんなステージにいる方にも、自由にやりたいことができる暮らしを実現して欲しいです。何かを試しにやってみたい人や価値観に縛られていて自由にできないという方、あとは他県出身で繋がりが欲しい方はぜひ一度『COCOROMI』に来て欲しいです!
【COCOROMI】
住所:新潟市中央区笹口2丁目13-17 第二河竹ビル2階
営業時間:20:00~1:00(金・土・祝前20:00~3:00)
定休日:日・月・火曜日
Instagram:https://www.instagram.com/cocoromi_niigata/
自分の責任だと認めることって大事なのね。
ライフステージに合わせたコミュニティ作り、興味あるわ~