【プロフィール】
太田かれん(写真左):新潟市出身。助産師・看護師資格を保有。愛育病院で約5年間勤務し、200件以上の分娩介助や母乳外来を担当。オーストラリアでのベビーシッター経験も持つ。
小嶋佳奈(写真右):新潟市出身。助産師・看護師資格を保有。産婦人科での勤務を経て、分娩介助や外来指導に従事。現在は1児の母として子育てをしながら活動。
産後のママに寄り添う場所「ikka」とは?
——「ikka産後ケア」について教えてください!
太田さん:助産師が運営する産後ケア施設で、出産後のママと赤ちゃんをサポートしています。2026年3月からスタートしました。
小嶋と私に加え、ホームページやSNS運営などを担当するスタッフを含めた3名で運営しています。
——そもそも「産後ケア」とは?
小嶋さん:出産後のママの心と体を休めながら、赤ちゃんとの生活をサポートする取り組みです。
赤ちゃんをお預かりしたり、育児相談に乗ったり、「一人で頑張りすぎなくていい場所」として利用していただいています。
——施設名にはどんな意味が?
小嶋さん:「一家団らん」の“一家”から取り、「気楽に利用できる場所にしたい」という想いを込めています。
太田さん:「まぁいっか」と肩の力を抜いて過ごしてほしいという願いもあります。

助産師を目指したきっかけ
——助産師を目指したきっかけは?
太田さん:母が流産を経験したことがあり、当時は落ち込んでいたと後から聞きました。とても明るい母なので、そのギャップが印象的で…。
その時に助産師さんに支えてもらったと聞いて、「助産師ってすごい仕事だな」と感じたのがきっかけです。
小嶋さん:大学卒業時には助産師の資格を持っていなかったのですが、現場で助産師の方が活躍されている姿を見て、「助産師になって、もっと深く関わりたい」という気持ちが強くなりました。
——これまでの経歴を教えてください。
太田さん:愛育病院(東京都)で助産師として勤務していました。分娩介助や母乳外来、新生児ケアなどに携わり、多くのママと赤ちゃんに関わってきました。
その後はオーストラリアに渡り、個人家庭でベビーシッターとして活動していました。
小嶋さん:戸田中央産院(埼玉県)で勤務し、授乳指導や乳房・新生児ケアに従事してきました。
新潟にUターンした後は、荒川レディースクリニックで保健指導や分娩介助、産後ケアに携わり、これまでに100件以上の分娩をサポートしてきました。

想いが重なり誕生した「ikka」
——「ikka」を立ち上げた経緯は?
太田さん:助産師として働く中で、「もっと気軽に休める場所があれば」と感じることが何度もありました。
小嶋さん:私自身も産後に不安や孤独を感じ、「気軽に頼れる場所が必要だ」と思ったのが大きなきっかけです。
——お二人とも同じ思いだったのですね。
太田さん:それぞれ別の場所で働いていましたが、私が新潟に戻ってきたタイミングと、小嶋が仕事を辞めたタイミングがちょうど重なったんです。
そのタイミングで「新潟で2人でできることはないかな」と話すようになり、そこから産後ケアに辿り着きました。
小嶋さん:ちょうど祖父母の家が空き家になっていたこともあり、その話の後にすぐ見に行って(笑)。「ここならママたちが休める場所にできる」と考え、立ち上げました。

“実家のような安心感”と寄り添うサービス
——施設の特徴を教えてください。
小嶋さん:祖父母が住んでいた家を活用しているため、実家のような雰囲気でリラックスしながら過ごせると思います。
太田さん:利用は“一日2組”に限定し、一人ひとりにしっかり向き合えるのが特徴です。
——どのようなサービスがありますか?
小嶋さん:「デイケア・訪問ケア・一時預かり」の3つのサービスをご用意しています。利用者さんのニーズに合わせて、様々な使い方ができるようにしていますね。

——実際にどんな利用が多いですか?
太田さん:「とにかく休みたい」「ちょっと助けが欲しい」などの理由で、デイケアのご利用が多いですね。初めての育児で自分の時間が持てず、余裕が持てていない方が多い印象です。
小嶋さん:ママたちは休みたいとはいえ、赤ちゃんの様子が気になると思うんです。お預かりしている間の赤ちゃんの様子を写真でお送りし、安心して過ごしていただけるようにしています。
——デイケアはどのようなサービスですか?
小嶋さん:通所型の日帰りサービスで、 「ゆっくり休みたい」というママにおすすめです。対象は生後6ヵ月未満の赤ちゃんとママで、赤ちゃんを預けてゆっくり過ごせる時間を提供しています。
太田さん:赤ちゃんを預けてゆっくり睡眠・入浴していただけるほか、授乳相談や沐浴の指導など育児に関する不安・心配事もご相談いただけます。
産後の身体にやさしい食事も用意していて、利用者さんから好評です。

——食事のこだわりは?
太田さん:“温かさ・できたて・栄養・彩り・ボリューム”を大切にし、手作り料理にこだわっています。
ただ食べるだけでなく、「ほっとする時間」になれば嬉しいです。
——利用者さんからの反応はいかがですか?
小嶋さん: 特に印象的なのは、「子供が生まれてから初めてこんなにゆっくりできました」という言葉ですね。「自分たちが力になれたのかな」と思えたので、すごく励みになりました。
太田さん:利用されたママさんのリフレッシュされた表情を見ると、立ち上げて良かったと思います。


産後ケアを広げるために
——新潟での産後ケアの現状は?
小嶋さん:関東に比べたら、「産後ケア」という言葉自体がまだ知られていないと感じています。ママたちだけでなく、親世代にも認知が広がっていないのが現状ですね。
太田さん:実際に利用者さんの中でも、「頼りたくても頼る場所がわからない」という状況の方が多いです。
——どのように周知を進めていますか?
小嶋さん:新潟市では産後ケア事業を展開していますが、関東と比べるとニーズも少なく、施設の数も限られています。だからこそ、私たちも周知という部分に力を入れています。
太田さん:ホームページやInstagramで、“産後ケアや育児のお悩みに関する情報”を発信しています。「こういう悩みがある時は産後ケアが役に立つんだ」という情報をお伝えすることで、少しでも多くのママさんたちに知っていただきたいですね。

“第二の実家”として寄り添うために
——5月17日に見学会を開催されるとお聞きしました!
小嶋さん:「ikkaの雰囲気を実際に見てみたい」という方に向けて見学会を開催します。妊婦さんや子育て中の方はもちろん、「産後ケアに興味がある」という方であれば、どなたでもご参加いただけます!
太田さん:当日は施設の見学だけでなく、実際の過ごし方やサービス内容についてもご案内する予定です。大人1,000円(ドリンク付き)でご参加いただけるので、まずは気軽に雰囲気を知っていただけたら嬉しいです。
——参加方法は?
小嶋さん:事前予約制となっており、InstagramのDMからお申し込みいただけます。
「いきなり利用するのは不安…」という方も、まずは見学から気軽に来ていただけたらと思います。


——今後の目標を教えてください!
小嶋さん:まずはより多くの方に知ってもらうことですね。悩んでいるママたちが気軽に利用できるようにしていきたいです。
太田さん:気軽に利用しやすいように、「ベビーマッサージ」などの新しい取り組みも予定しています。
——最後に新潟のママさんへメッセージをお願いします!
太田さん:「第二の実家」だと思って、気軽に来てほしいですね。毎日頑張っていると思うので、当施設に来た時だけは頑張らずに「まぁいっか」という気持ちで過ごしていただきたいです。
小嶋さん:「気楽に頼れるところがある」ということを知っているだけでも、気持ちが楽になったりすると思います。私たちがそのひとつになれたら嬉しいです。
