【プロフィール】
大橋 祐貴(おおはし ゆうき):柏崎市出身。高校卒業後に関西の大学へ進学し、東京の都市銀行に就職。その後、ファストファッションブランドやITベンチャーなど複数の業界を経験し、30歳の時に帰郷。2016年にNSGグループに入社する。翌年、同グループが事業承継していた1893年創業の老舗である「株式会社小川屋」の代表取締役社長に就任。130年続く老舗の想いと技を受継ぎながら、現代のニーズに沿った商品やサービスのリブランディングを進めている。
ガタチラスタッフ:『新潟人157人目は、「株式会社小川屋」代表取締役社長の大橋さんです!
130年続く老舗の想いと技を受継ぎ、より良い商品を届けるためにお客様の声も反映させながら、ブラッシュアップし続けているんだそうです♪素敵な笑顔で取材に応じてくださり、ありがとうございました!』
新潟にUターンして気付いた働き方
–Uターンを決めたきっかけを教えてください!
大橋さん:「どうせなら新しい環境に飛び込んでみたい」と思い、進学は関西の大学を選びました。当時は新潟に戻るつもりはなかったので、キャリア選択の幅を広げようと東京で就職したのですが、都会生活を謳歌した20代を過ぎて、30歳になった時に「このままでいいのかな?」と疑問が湧いてきたんですよね。「本当にやりたいことは何だろう」と考えていく中で、「自分を育ててくれた新潟に恩返しをしたい」と思い、Uターンを決めました。
–それで新潟に戻られたのですね!
大橋さん:東京では仕事中心の生活をしていたので、新潟ではワークライフバランスを重視した働き方もいいなと考えていました。それでもせっかく新潟に戻るので、自分の力は最大限に発揮したいとの想いもあったのですが、なかなかチャレンジングな仕事を見つけられらなくて…。そんな時に出会ったのが「NSG」だったんです。
–採用試験の時には、すでに『小川屋』の代表取締役社長になることが分かっていたのですか?
大橋さん:社長になるという話は聞いていなかったですね(笑)!ただ、面接時に「経営や再建に興味はありますか」という事を聞かれたのを覚えています。「興味がないわけではないです」と答えた結果、お話をいただきました。
老舗の代表取締役社長である重み
–老舗企業の社長になることに抵抗やプレッシャーはありませんでしたか?
大橋さん:抵抗やプレッシャーを感じられるほどの知識すら、何もありませんでした。「何をどうしたら良いのか」、「どうするべきなのか」、考えるスタートもゴールもわからない状態での就任でしたね。ただ、その名前の重みだけは感じていました。
–実際に『小川屋』を再建され、さらに成長を続けているのはすごいですよね!
大橋さん:1893年に創業し、様々な時代を経験した当社はバブル以降ずっと下火でした。従業員はどんどん辞めていき、次の時代の為に新しいことを始める事すらできない状況だったんです。その状況を変えるためには、まずは基礎から立て直す必要があると考えました。
–具体的にはどういった点ですか?
大橋さん:昔から人気のある商品を守り、同じものを作り続けていた商品展開を時代に合わせて編成し直し、リブランディングした点です。商品で言えば、美味しいだけでなく、調理の手間が少ないことへの需要が多い時代に変化しているので、そこに焦点を合わせて売り出していく必要があると考えました。
–良いものを守り続けるだけではなく、“時代に合わせた取り組み”が必要なのですね!
大橋さん:当社の製造は昔からの職人気質で、新しい商品を作る際に非常に強みになる部分です。手を抜くことなく、丁寧に作り上げるノウハウが根本にあります。最初は渋々新しいことに取り組んでくれていた従業員たちも、だんだん前向きに、意見を出しながら取り組んでくれるようになりました。自分たちの特長や魅力を商品できちんと伝えて行こうという姿勢が会社自体にあるので、新しい取り組みにも生きていると思いますね。
お客様と真摯に向き合って
–EC販売やお弁当販売なども大橋さんが就任してから始められたのですよね?
大橋さん:そうですね。おかげさまで全注文の4分の1をECサイトで頂けるようになってきました。新型ウイルス禍だったこともあり、ありがたいことに売上は伸びましたね。しかし、その分これまでの需要の多くを占めていた贈答やお中元・お歳暮の利用が減っているので、全体的な売り上げはあまり変わっていないのが実情です。
–確かに、『小川屋』というと贈答品のイメージがあります!
大橋さん:どちらかというと一見で購入するより、「誰々に頂いて美味しかったから」という入口でご購入くださる方が多いです。だからこそ、本当に美味しいものを作らないとお客様は来てくださらないと思っています。商品は大きくリニューアルすることもありますが、実は常にお客様の声をお聞きして、少しずつブラッシュアップしているんです。
–お客様の声を実際に商品へ反映させているのですね!
大橋さん:嬉しい言葉はもちろん、厳しいお言葉をいただくこともありますが、こうして当店のことを想ってくださっている方がいらっしゃるのは大変ありがたいですね。ご丁寧に葉書で声を届けてくださるお客様も多くいらっしゃるので、これからも大切にしていきたいと思います。
–大橋さんが思う“小川屋の魅力”は何ですか?
大橋さん:お客様の実際の声を聴いて商品に反映し、よりお客様に喜んでもらおうという社風が根本にある事ですね。利益だけでは動かない所が魅力だと思います。手間はかかっても大事な工程は絶対に省かないですし、大切な部分は守り続ける姿勢は、老舗の技や想いが受け継がれている証と言えます。
130年の絆をこれからも繋いでいく
–最後に、今後の目標を教えてください!
大橋さん:商売である以上、利益を上げていきたいのはもちろんですが、お客様と絆を作り、大切に守りながら続けていきたいです!お客様はもちろん、従業員や取引先など、関わってくださる方々とのこれまでの関係を保ちつつ、新しいことを進めて行く姿勢で続けていきます!
–これまでの歴史があってこそ、現在の『小川屋』があるのですね!
大橋さん:長く続けていくための手法は様々あるにせよ、根本は『小川屋』である意味や、『小川屋』が130年にわたりやってきたことを大事にしていく必要があると思っています。これからも老若男女を問わず、喜んでいただける商品を作っていきたいですね。店舗は「古町本店」のほか、「新潟伊勢丹店」でも購入できます。通販サイトでもお買い求めいただけるので、これからのお中元やお歳暮などの贈り物にぜひご利用いただけますと嬉しいです!
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【小川屋 古町本店】
住所:新潟市中央区古町通5番町611
電話: 025-229-0111
営業時間:10:00~18:00
定休日:火曜・水曜
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