
(左:澁谷さん/右:髙橋さん)
【プロフィール】
澁谷 貴之(しぶや たかゆき):見附市出身。8歳の時に「越後見附太鼓」へ入会し、事務局、広報、指導部長を担当。県内のイベント会社に入社し、石川県勤務をした後に帰郷。越後見附太鼓の運営・ステージ演出・SNS発信などを一手に引き受け、見附太鼓の魅力を伝えるべく奮闘中。
髙橋 楓(たかはし かえで):見附市出身。「越後見附太鼓」の指導部を担当。小学生の頃に入会し、学生時代は一時中断したものの、社会人になってから復帰。働きながら太鼓に打ち込み、現在は後進の指導にもあたっている。
『新潟人255人目は、「越後見附太鼓」の澁谷貴之さんと高橋楓さんです。歴史ある「越後見附太鼓」の歴史をはじめ、お二人が太鼓を始めたきっかけや今後の目標など、様々なお話を伺いました!笑顔でご対応いただき、ありがとうございました♪』
親子で、兄弟で始まった太鼓の道
──お二人が太鼓を始めたきっかけを教えてください!
澁谷さん:母親が「太鼓をやりたい」と言ったのがきっかけです。見附市の事業で、「親子ふれあい太鼓」という太鼓教室がありました。私も「お母さんと一緒なら」という感じで参加して、今に至ります(笑)。今では、母親が「越後見附太鼓」の代表をしているんです。
髙橋さん:兄弟が先に太鼓を始めていて、「私も一緒にやりたい」と言って始めました。他の兄弟は太鼓から離れましたが、今では私だけが太鼓にどっぷりハマっていますね。私も澁谷さんも、団体から離れていた時期もあったんですよ。
──なぜ再び参加しようと思ったのですか?
澁谷さん:家族や友人が続けていたことが大きいですね。転勤で石川県にいた時も、仕事で現地の和太鼓団体と関わることがありました。演奏者として離れている間にも、太鼓を忘れることはなかったですね。
髙橋さん:団体から離れている時に、見附まつりでの演奏を観に行ったんです。その時のあまりの迫力に感動してしまって…。「また太鼓を叩きたい」と強く思いました。“大人になったからこそ分かる良さ”がありましたね。
澁谷さん:当団体では、一時抜けたメンバーが戻ってくることが多いんですよ。「また戻りたい」と思ってもらえるのは、それだけいい団体になっているのかなと感じます。
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幅広い世代がつなぐ音の絆
──メンバーは何名いるのですか?
澁谷さん:現在の主なメンバーは、計16人(大人9人、子供7人)ですね。小学1年から入会できるのですが、小学3年生から60代まで在籍しています。最年長が一番力強い演奏をするくらいですよ。
──幅広い年代で活動しているメリットはありますか?
髙橋さん:アルビレックスや海外のクルーズ船おもてなしイベントのような大きなイベントだけでなく、介護施設の夏祭りなどにも出演しています。イベントに合わせてチーム編成に変化をつけられるのが、幅広い年代がいるメリットだと感じますね。
澁谷さん:他の団体では、「若い子が入ってこない」という悩みを抱えていることが少なくないのですが、「越後見附太鼓は若い人がたくさんいて良いなぁ」と羨ましがられます(笑)。
──普段の活動は週何回くらいですか?
澁谷さん:水曜と金曜の週2回です。しかし、それぞれに仕事や学校の都合があるので、全員が揃うのは難しいですね。各自が参加できる時に来る、という感じで活動しています。
“見附太鼓”に込めた誇り
──越後見附太鼓としての歴史や特長を教えてください。
澁谷さん:団体としての始まりは1977年(昭和52年)です。青年会議所統一事業の一環として、「見附太鼓同好会」が発足しました。2000年から『越後見附太鼓』に名称を変更して活動しています。
髙橋さん:当団体のオリジナル曲である「見附太鼓」は、“作曲家の渡辺岳夫氏”に書き下ろしていただいた曲です。「この曲を後世に伝えていく」こと、そして活動を通して見附市の認知拡大、地域文化の発展、幅広い世代の心身鍛錬に繋がることを団体の使命と考えています。
──演奏で大切にしていることは何ですか?
髙橋さん:太鼓を通じて元気を与えたいと思っているので、その為に「演奏する側が元気に叩く」というのを意識しています。
澁谷さん:若い頃は「俺を見てくれ」くらいの気持ちで演奏していましたが(笑)、今はそういうのは若いメンバーに任せています。公演の時も「全体をいかにカッコよく見せられるか」を考えていますね。
──指導する時にはどんなことを心がけていますか?
髙橋さん:指導部と言いながらも、若い子たちから教わることも多いんですよ。私が入会した十数年前と今とでは、叩き方に少し違いがあります。昔のやり方を押し付けるのではなく、“今のやり方を勉強した上で指導する”ようにしています。
新型ウイルス禍が拓いた“新たな挑戦”
──他団体から提供された楽曲というのもあるのですね!
澁谷さん:オリジナル曲の「見附太鼓」の他に3曲ありますが、そのうち2曲が楽曲提供です。楽曲を提供してもらうようになったのは、新型ウイルス禍がきっかけでした。
──どのようなきっかけがあったのですか?
澁谷さん: “今できることは何か”を考えた時に、「新しいことにも挑戦しよう」と他団体の曲にも挑戦することにしたんです。
髙橋さん:ありがたいことに有名な太鼓団体とご縁をいただき、楽曲提供とワークショップを実施していただきました。1日限りのワークショップでしたが、みんなの意識が高く、特に若いメンバーの飲み込みが凄かったですね。
──SNSの発信にも力を入れていますね!
澁谷さん:新型ウイルス禍で内にこもるのではなく、InstagramやX、YouTube、公式ホームページを開設して外への発信を強化しました。Instagramでは、カッコよさが伝わるような写真を、Xでは公演などの最新情報をアップするようにしています。
──「越後見附太鼓」の見どころを教えてください!
髙橋さん:男らしい“力強さ”ですね。「見附太鼓」という曲はまさにそれで、どしっとした構えから静かに始まって、力強く重厚感があるんです。疾走感や動きのあるものなど、楽曲による違いも楽しんで欲しいですね。
澁谷さん:映像や照明などのステージ演出にも力を入れているので、あまり太鼓を見た事がない方にもわかりやすいかっこよさがあると思います。
目指すは、誰もが誇れる“かっこいい団体”
──太鼓の団体がある地域は少ないのですか?
澁谷さん:各市町村に太鼓の団体はありますが、あまり知られていないと思います。見附市では、保育園で太鼓を教えているところが多いんですよ。幼い頃から太鼓が身近にあるから、小さい子でも構え方から違いますね。
──印象に残るエピソードを教えてください!
澁谷さん:県外の団体をお招きした公演で、地元の方がゲスト団体に「良い演奏だった。でも越後見附太鼓も良いだろう?」と声を掛けたそうなんです。地元の方に認めてもらえているのが嬉しかったですね。
髙橋さん:自主公演に会社の同僚が観に来てくれて、「やっぱり見附太鼓は良いね」と言ってくれたのが嬉しかったですね。観てくれた方の声が活動のエネルギーに繋がっています。
──最後に、今後の目標を教えてください!
髙橋さん:演奏に手を抜くつもりはないですが、今後は運営にも力を入れていきたいと思っています。団体を後世に繋いでいくためにも、“中心メンバー”になれるように頑張りたいです。
澁谷さん:「見附太鼓をやって良かった」と思ってもらえるような“かっこいい団体”にしていきたいですね。もっと知名度を上げて、「かっこいい団体」と周りから言ってもらえるようになりたいです。
──これからメンバーになることもできますか?
澁谷さん:もちろんです!一緒に演奏する仲間を随時募集しています。見附市外の方も参加できるので、趣味の一つとして始めてみたい方はぜひご連絡ください。見学や体験も可能ですよ!
【越後見附太鼓】
・公式X
・公式Instagram
・公式YouTubeチャンネル
「越後見附太鼓」の迫力ある演奏をぜひチェックしてね♪