【プロフィール】
遠藤 麻理(えんどう まり):新潟市西蒲区生まれ。高校時代、夏の高校野球新潟大会スタンドリポーターに選ばれ、放送の世界に憧れを抱く。JR弥彦駅観光駅長などを経験した後に、燕三条FMへ。その後、FM PORTの開局から閉局まで在籍。「モーニングゲート 」のナビゲーターを17年間務めた。同局閉局後はBSNラジオ「四畳半スタジオ(月〜金 13時〜15時放送)」のパーソナリティーとして活躍している。
ガタチラスタッフ:『新潟人182人目は、ラジオパーソナリティの遠藤麻理さんです! BSNラジオ「四畳半スタジオ」でおなじみの遠藤さんですが、ラジオパーソナリティーになったきっかけや、長年ナビゲーター務めた「FM PORT」の閉局時の心境までたくさんをお話をお聞きしました!素敵な笑顔で取材に応じてくださり、ありがとうございました!』
始まりは高校野球のスタンドリポーター
──放送関係の仕事に興味を持ったきっかけは何ですか?
遠藤さん:高校時代にUX新潟テレビ21で「夏の高校野球新潟大会」のスタンドリポーターを募集していたんです。その経験から「面白いな。向いてるかもしれない」と思いました。
──応募しようと思ったのはなぜですか?
遠藤さん:高校受験で志望校に落ちて、入った部活もすぐに辞めて、何もする気がなくなってしまったんです。それで、バイトをしてお金を稼ごうと応募しました。テレビ局なら時給もいいだろうと気軽に(笑)。
リポーターをしていくうちに「人に伝えるためにどう工夫するか」を考えたり、単純に、人と話すのが楽しいなと感じたんです。
──放送関係の専門学校を卒業してテレビ局に入社したのですか?
遠藤さん:新潟に帰ってきてからは、しばらく無職でした。放送関係で働きたい想いはあって、オーディションも受けましたがことごとく落ちていました。
家族が心配して、ハローワークの求人票を持って来てくれたりもしましたけど、「こんなことやりたくないんだよ!」と破り捨てたりして(笑)。20歳にして反抗期でした。
自由で何でもアリな“ラジオの世界”
──その後に「弥彦駅の観光駅長」になられたのですね!
遠藤さん:そうです。県内外で新潟及び弥彦のPRをしたり、弥彦に来られたお客様に観光案内をしたり。人と接するのが好きだったので楽しい活動でしたね。1年の任期が終わってからは、2年間テレビ局のアルバイトをして、「燕三条にコミュニティーFMが開局する」という話を聞いて、ラジオの世界に飛び込みました。
──ラジオ局に入って、やりたいことができるようになったわけですね!
遠藤さん:ラジオなら自由に話せると思っていたのですが、コミュニティーFMだと話す以外の仕事がほとんどなんですよ。集金したり、ゴルフコンペの企画をしたり、スポンサー集めなどの業務が中心でしたね。
──でも、ずっと希望していた「話す仕事」ができたのは大きかったですか?
遠藤さん:大きかったですね。ラジオでのフリートークには台本がないんです。「放送の世界でやるなら“ラジオがいい”」と思いましたね。たまにテレビに出ると作り笑顔で不気味なんです(笑)。テレビに憧れていたのに、自分はここじゃないと気付きました。
──燕三条FMを経験した後にFM PORTに入ったのですね。
遠藤さん:FM PORTは開局から携わりました。「モーニングゲート」はスタートしてから3年後に担当して、閉局までの17年間やらせていただきました。
リスナーとのディープな関係
──FM PORTの閉局が決まった時の心境はどうでしたか?
遠藤さん:「停波」という言葉を初めて聞いたんですよ。ラジオ局がなくなるとは想像していなかったので、信じられませんでしたね。リスナーの悲しみの声を聞いてもどうすることもできませんでしたし…。
最終日はたくさんのメールをいただいて、建物の外にも多くのリスナーが集まってくれたんです。「こんなに愛されていたんだなぁ」と実感しながらも、今日で終わりというのは切なかったですね。
──その後、BSNラジオ「四畳半スタジオ」のパーソナリティーになったわけですが、オファーが来た時はどう感じましたか?
遠藤さん:嬉しいより“ありがたい”という気持ちでしたね。正直言うと、PORTが閉局した時にキッパリ辞めようと考えたんです。それくらい根を詰めてやっていた番組でしたし、例えば大好きな彼氏と別れてもすぐ次の彼氏を作る気にはなれないじゃないですか(笑)。
でも、FM PORTのスタッフたちが一緒だったり、何よりリスナーの皆さんからの「またラジオから声を聴かせて」という言葉が大きかったですね。「もうPORT時代のようにはできないかも」と思っていましたが、むしろ今の方が自由かもしれません(笑)。
──ラジオで話す上で大切にしていることは何ですか?
遠藤さん:無理をしないことですね。特別に張り切ったりせずに、自然体を心がけています。“分からないことは分からないと言える”。ラジオだとそれができるんですよね。結論ありきで喋らずに、「あなたはどう思います?」と問いかけて、リスナーの皆さんとおしゃべりする感じです。
──ラジオならではの良さですね!
遠藤さん:「みんな違ってみんないい」と言いますけど、「みんな違ってみんな変」だと思います(笑)。色々な人がいて、色々な意見を受け入れて、そうでないと私みたいな者も受け入れてもらえないでしょうし(笑)。ラジオで私がおかしなことを言うと、リスナーからすぐダメ出しが来ます。
──そういう自然体なところも魅力なのですね!リスナーさんとの印象に残るエピソードはありますか?
遠藤さん:いっぱいありますよ!例えば、中学生の頃にお母さんが運転する車の中でラジオを聴いていたという子が結婚して子供ができて…という話がたくさんあって。リスナーさんとは本当に長い付き合いになるんですよ。一緒に年を取っていけるというのが嬉しいですね。人生の節目に立ち会えたりしますから。
引き続ければ“なんとかなる”
──11月に出版した「な~るな~るな~る」は4作目になるんですね。文章を書くのはお好きなのですか?
遠藤さん:子供の頃から物語やポエムなどを書くのが好きでした。家で勝手に新聞を作って、家の中での出来事を記事にしていましたね(笑)。本を読むのも好きだったので、自分が書いた本が書店に並ぶというのは嬉しいですね。
──今回は“新潟日報朝刊に連載”しているものの書籍化なのですね!
遠藤さん:連載100回分をまとめたものですが、かなり手を入れました。加えて、5本の“書き下ろし”もあります。難しい内容ではないので、気軽にパッと開いたページからでも読んでいただければと思います。クスッと笑えて、「なんとかなる、なるようになる、なんとでもなる」と思えるような本でありたいんです。
──特にどんな方に読んでいただきたいですか?
遠藤さん:「なんともならないな」、「なんでこうなるんだろ」と思っているような方に読んで欲しいですね。切り替えたい時などに、そのきっかけになれたら嬉しいです。本の帯にある「引き続ければ大吉は出る」という言葉にもそういう想いを込めています。
──「引き続ければ大吉は出る」…素敵な言葉ですね!
遠藤さん:夢が全部叶うなんてことはないんですよ。でも、やり続けていれば、時にご褒美みたいに叶うこともあると思っています。
──最後に、今後の目標を教えてください!
遠藤さん:私も“引き続けたい”ですね。続けることは簡単なことではないですから。「同じ仲間と笑って楽しく続けられることは当たり前じゃない。ありがたいことなんだ」と感じることが増えてきました。だから、なおさら“引き続けたい”です。その中からまた何かやりたいことも出てくるでしょうし。「な〜る な〜る な〜る」と唱えながら笑って生きていきたいです。
私も遠藤麻理さんのラジオが大好きなのよね~「引き続ければ大吉は出る」って素敵な言葉だわ♪