【プロフィール】
長井 啓友さん(ながい ひろとも): 新潟市秋葉区出身。IT関連のシステム開発からサツマイモ農家に転身。新潟市西区の砂丘地帯でサツマイモ栽培を行いながら、2021年11月にサツマイモ専門店「ぼくのさつまいも」をオープン。焼き芋、クレープ、ワッフル、アイスクリームなどの商品を販売しながら、新潟のサツマイモの美味しさを伝えている。
ガタチラスタッフ:『新潟人156人目は、「ぼくのさつまいも」代表の長井さんです!
「新潟のサツマイモの魅力を伝える」ために、スタッフの皆さんと試行錯誤を重ねながら、様々なサツマイモスイーツを誕生させています!どれもサツマイモをしっかりと感じられる商品ばかりでどれもおすすめです♪素敵な笑顔で取材に応じてくださり、ありがとうございました!』
IT企業からサツマイモ農家へ
──前職はIT関係のお仕事をされていたのですね!
長井さん:農家向けのITシステムに関わっていて、そのご縁が農業を始めたきっかけですね。西区の四ツ郷屋という地区で「畑が空いているからやらないか」とお声がけいただき、スタートしました。
──なぜサツマイモだったのですか?
長井さん:砂丘畑で作れるものを考えていた当時は“焼き芋ブーム”だったので、「サツマイモなら売れるんじゃないか」と思いました。最初は収穫した生のサツマイモを近隣のスーパーに卸していたのですが、加工した美味しい商品を提供したいと考えて、2021年11月に「ぼくのさつまいも」をオープンしました。
──砂丘地のサツマイモというと、「いもジェンヌ」が有名ですよね。
長井さん:そうですね。新潟の砂丘地のサツマイモは美味しいんですよ。その理由は検証中なのですが、海が近いので地下水に少しミネラルが含まれているのが良い影響を与えているのかもしれません。砂丘地の畑は高齢化とたばこの需要が減ったことで、耕作放棄地が増えています。せっかく美味しいサツマイモが収穫できる地域なので、耕作放棄地を減らすためにもサツマイモ栽培を広げたいですね。
──農業はゼロからのスタートで不安はなかったですか?
長井さん:最初は不安もありましたが、地元の農家さんの協力を得ながら、ここまでやってきました。サツマイモ栽培は初心者でも始めやすく、比較的簡単なんですよ。特に経験や技術がなくても1年目から収穫量が見込めますし、美味しいサツマイモを栽培できています。
新潟はサツマイモの名産地
──生産するサツマイモの特徴を教えてください!
長井さん:品種によって食感はかなり違いますね。「紅はるか」は甘くてねっとりしていますが、「シルクスイート」は少し甘さが控えめで舌触りがなめらかです。昔ながらのホクホク系のサツマイモ「紅あずま」も栽培しています。現在取り扱っているのはこの3品種です。
──栽培する上で工夫していることは何ですか?
長井さん:適切な肥料を使用したり、水管理をしっかりすることです。まだ農場が小さく、お店で販売すると3ヵ月程で売り切れてしまうんです。そうなると、県外産を入荷することになるのですが、なるべく県産にこだわっていきたいので、もっと農場を拡大していきたいですね。
──1号店のオープンから間もなく、2号店をオープンされましたね。
長井さん:1号店の「坂井東本店」だけでは狭すぎて、もう少し拡大させるためにも「寺尾西店」をオープンしました。今は各店舗で役割分担をしていて、1号店は加工品の製造、2号店は飲食スペースを拡大する予定です。また、店舗がある西区以外でも商品を取り扱ってくれる協力店を増やしています。加工品の卸売りのほか、飲食店向けにサツマイモペーストや具材用のサツマイモなどの販売も始めました。
──人気の商品を教えてください!
長井さん:「クレープ」が人気ですね。焼き芋がそのまま入っているので、焼き芋の食感や味わいが楽しめます。年間を通じて焼き芋が楽しめる「冷やし焼き芋」もおすすめですね!どの商品も「新潟のサツマイモの魅力を伝えたい」という想いがベースにあります。
──どの加工品もサツマイモをしっかり感じられますよね!
長井さん:サツマイモの魅力を伝えるためにも、その点は特にこだわっていますね。サツマイモは食物繊維やビタミン類、カリウムが豊富で体に良い食材とされています。その特徴に合わせて白砂糖ではなく“てんさい糖”を使用したり、クレープやドーナツなどの生地に“米粉や玄米粉”を使用するなど、より体にいいもの、食感のいいものを選んで、“健康に良いスイーツ”に仕上げるように心がけています。「新潟の米とサツマイモを使ったスイーツ」をたくさんの方に楽しんでいただきたいです。
奥深いサツマイモの魅力を究めたい
──お客様との印象に残るエピソードを教えてください!
長井さん:「ここの焼き芋じゃないと食べられない」というお客様からの言葉は嬉しかったですね!焼き芋は温度管理などの焼き方にもこだわっているので、他との味の違いを分かっていただける方がいらっしゃるとやりがいを感じます。美味しい焼き芋にするには、ベストな温度帯があるんです。「何℃で何分」という風に焼き方を極めると、より蜜が出てきます。
──美味しさを科学的に追求しているんですね!
長井さん:まだまだ研究が足りないと思っています(笑)。もっと研究して、美味しい焼き芋を提供したいですね。加工品も「アレルギー対応」や「卵を使わない商品」などの商品を試作しているので、年内には販売できるようにしたいです。
──この春、新商品として「ワッフル」と「ドーナツ」が登場したんですよね!
長井さん:ドーナツには新潟県産の玄米粉を、ワッフルには玄米粉と米粉の両方を使用しております。ドーナツには、焼き芋のブロックが入っていて、生地はしっとりしています。リベイクすると食感も変わり、さらに美味しくなるんです!サツマイモの味わいをしっかり感じられるので、ぜひ食べていただきたいですね。夏には「アイス」や「シェイク」、芋ようかんのような「冷やし焼き芋」もおすすめです!
──最後に、今後の目標を教えてください!
長井さん:“焼き芋”を新潟の第2の名物になるようにPRしていきたいです。食べるだけでなく、秋には芋掘りイベントも実施していきたいと考えています。新潟にはサツマイモがよく育つ砂丘地があるので、文化としてのサツマイモを広げていきたいですね。サツマイモの消費が増えれば、同時に耕作放棄地が減るので、サツマイモをどんどん食べていただきたいです!通販でお取り寄せもできるので、1年中楽しめる焼き芋をぜひお楽しみください!
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【ぼくのさつまいも坂井東本店】
住所:新潟市西区坂井東6-19-9
【ぼくのさつまいも寺尾西店】
住所:新潟市西区寺尾西1-1-3 チューリップ寺尾1階
“焼き芋”が新潟の第2の名物になるように、私もたくさん食べて応援するわ!