
【プロフィール】
大瀧 裕太郎(おおたき ゆうたろう):高校卒業後、群馬県の理美容会社に就職。8年間の修業を経て、2017年に帰郷。同年に「Hair Remake tocotoco」、2020年には「TOCONOMA」、2025年には「HARE to KE」をオープンさせる。
『新潟人292人目は、西区にある「TOCONOMA Barber Cafe Gift」のオーナー・トップスタイリストの大瀧裕太郎さん。23時までの営業や日曜定休、カフェ併設など、理髪店としては革命的な営業形態の理由や今後の目標について伺いました』
「夜のお客様」がくれた大ヒント
——理容の道を志したのはいつ頃ですか?
大瀧さん:実家が理髪店で、私で4代目です。中学を卒業する頃には、この道に進むことを決めていました。
「少しでも早く自分の店を持ちたい」という思いから、高校卒業後は群馬県にある理美容の会社に就職しました。働きながら通信制で学び、理容師免許を取得しましたね。
——どのような会社だったのですか?
大瀧さん:関東圏を中心に約180店舗を展開する会社でした。技術はもちろん、スタッフの管理業務も任され、経営面も学ばせていただきました。
——その後、新潟へ戻られたのですね?
大瀧さん:2017年9月に帰郷し、12月には実家を改装した「Hair Remake tocotoco」をオープンさせました。
スタッフ6名体制でのスタートでしたが、最初は赤字続きで自分の貯金をスタッフの給料に充てる時期もありましたね。それでも徐々にお客様にご来店いただけるようになりました。

——「理容」を選ばれた理由は?
大瀧さん:母が美容師、父が理容師で、実家では両方を営んでいました。両親が不在がちだったこともあり、祖父がよく面倒を見てくれていたんです。実家に祖父の理髪店が併設されていて、リビングでお客さまがたまに待っていた光景を見て育ちました。
“町に溶け込み、人が自然と集まる空間の雰囲気”に、幼いながらも「いいな」と感じていたんですよね。
——「TOCONOMA」のオープンはいつですか?
大瀧さん:2020年3月です。開業当初はお客様が定着せず、21時頃まで営業する日も珍しくありませんでした。
ある日、夜に来店されたお客様から「この時間帯に空いているのは本当にありがたい」と言われ、ハッとしたんです。「理容業界における“時間の使い方”の再設計が必要かもしれない」と思うようになりました。これが「TOCONOMA」の発想の原点です。

髪を切るだけじゃない、現代版サードプレイス
——営業時間が特徴的ですよね。
大瀧さん:仕事と家庭を切り替えるような「ご褒美の時間になれる空間にしたい」と思い、“23時までの営業スタイル”を採用しています。
——店名の由来は?
大瀧さん:「TOCONOMA」は、「床の間」に由来しています。昔の理容室は、床の間のある部屋を待合室にして、奥で髪を切っていたそうです。
ある種のコミュニティ・社交場のような空間をイメージし、店づくりに反映しています。

——カフェや雑貨販売スペースもありますね!
大瀧さん:「カットは男性のみ」ですが、カップルで来店し、パートナーの施術中にカフェでゆっくり過ごされる女性のお客様もいらっしゃいます。
——カットスペースの特徴は?
大瀧さん:半個室のカットスペースが3室あります。施術時は照明を落とし、ゆったり過ごしていただけるよう工夫しています。
カフェスペースとは扉で区切っているので、周囲の視線や声を気にせずリラックスしていただけます。

お客様もスタッフも“笑顔”になる魔法
——ヘアカットは意外と時間を使うものですよね。
大瀧さん:「特別な時間を提供したい」と思いながら施術をしていますが、お客様には他にも時間を使いたいことがあると思いました。
そこで「夜の時間を有効活用できないか」と考えたんです。夜間の営業を求める人のニーズに応えたいですね。
——日曜定休の理由は?
大瀧さん:週末は来店が集中し、スタッフは休めないことがほとんどです。しかし、お客様と同様にスタッフにも大事な時間があると思うんですね。
夜の時間にフォーカスしたことで利用が分散し、日曜を定休日にできました。プライベートの充実が、仕事の質にもつながると考えています。
——新しい営業スタイルに不安はありませんでしたか?
大瀧さん:ないと言えば嘘になりますし、実際に否定的な言葉も受けました。
オープンから6年が経ち、“私たちの提案する新しい習慣”が少しずつ受け入れられてきたと感じています。

海辺の新プロジェクトへ
——最後に、今後の目標を教えてください。
大瀧さん:ご縁があり、「取り壊し予定だった海の家」を改装するプロジェクトを進めています。
目の前に海が広がる最高のロケーションです。この場所で、「カット+α」の価値を提供できる空間を構想しています。
——素敵なロケーションですね!
大瀧さん:例えば、朝6時くらいから朝日と海を眺めながらカットできたら素敵ですよね(笑)。
スタッフの意見も取り入れながら、新しい価値観を提供できる空間をつくりたいです。これからも「何か面白いことをする集団」と思ってもらえるチームであり続けたいです。

店名:TOCONOMA Barber Cafe Gift
住所:新潟市西区みずき野1丁目6-18
電話:025-378-1188
営業時間:14:30~23:00(最終受付 カット22:00/カラー・パーマ 21:00)
定休日:日曜日、火曜日
公式Instagram:@TOCONOMA_barber/@TOCONOMAbarbercafegift/@TOCONOMA_gift
【過去の新潟人の記事はこちら】


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