
【プロフィール】
田中 圭介(たなか けいすけ):新潟市西区出身。新潟大学を中退後、友人の須貝さんと飲食店「沖縄料理と琉球泡盛 インカウンター!!」を出店。東大通への移転を機に沖縄料理専門店へ。さらに、西区亀貝にも沖縄ファミリーレストラン「沖縄料理と琉球泡盛いちゃりば!!」を開店し、新潟で沖縄の魅力と美味しさを発信している。
『新潟人266人目は、㈱ENCOUNTERの代表・田中圭介さんです。新潟市出身の田中さんが沖縄料理店を始めたきっかけとは!?新潟で沖縄の魅力を発信し続ける理由や、今後の目標など様々なお話を伺いました!笑顔でご対応いただき、ありがとうございました♪』
起業のきっかけは“学生時代の出会い”
──飲食店をオープンしたきっかけを教えてください!
田中さん:新潟大学を3年生の時に中退し、友人と共同経営でお店を始めたのがスタートです。友人は学生時代のバイト先の先輩で、その時に意気投合して(笑)。
「就職のレールに乗るより、自分たちで何か始めたほうがカッコいいよね」という話から始まりました。
──その行動力は誰かの影響を受けたのですか?
田中さん:作家であり自由人の「高橋歩」さんに憧れていました。彼は大学を中退した後、仲間とbarを始めて、結婚を境に経営を譲って世界一周の旅に出ました。帰国後は沖縄の無人島を手に入れて、楽園づくりに挑戦したんです。
22歳の時に自伝「毎日が冒険」を読んで、「こんな生き方をしたい」と強く思いました。
──それで挑戦されたのですね!
田中さん:高橋歩さんも資金やコネ、経験もない状態から始めた方でした。「ゼロからでもお店を出せる」というハウツー本も読み、“自分たちにもできる”と感じたんです。
30歳を過ぎたらできないチャレンジだと思い、“若さと無知を武器”に挑戦しました。

“沖縄料理の居酒屋”という選択
──飲食店にした理由は何ですか?
田中さん:正直、カフェでもバーでもよかったんです。とにかく「“自分の店”を持つ」ことに憧れていました。
西区青山にあった「居酒屋JAM」が大好きで、当時は毎週のように通っていたんです。あの雰囲気や居心地の良さを再現したくて、「それなら居酒屋かな」と思いました。
──「沖縄」をテーマにしたきっかけを教えてください!
田中さん:共同経営をしていた友人が高橋歩の「島プロジェクト」に参加して、沖縄へ行っていたんです。店のコンセプトを決める際に、沖縄で暮らしていた経験もあって「沖縄にしようか」となりました。
──実際に沖縄へ行った経験が繋がったのですね。
田中さん:万代町にあった当初は、沖縄料理は4品程度で「沖縄料理もある店」でした。東大通に移転した際に“沖縄料理専門店”にシフトしました。
当時、新潟には沖縄料理屋があまりなかったんですよね。「それなら新潟で沖縄料理や泡盛、オリオンビールが飲める店を作ろう」と決めました。

沖縄を感じる空間づくり
──特にこだわっていることは何ですか?
田中さん:料理やお酒はもちろんですが、“沖縄を感じられる空間づくり”ですね。「一歩踏み入れれば、そこは沖縄」という空気感を大事にしています。
──お店作りのために、沖縄にも行くのですか?
田中さん:年1回は沖縄を訪れ、沖縄そば店や居酒屋を巡ります。毎年2月に読谷村で「読谷やちむん市」という陶器市があって、器を仕入れているんです。当店で使っている器は、全て沖縄の物ですよ。
──徹底した空間づくりですね!
田中さん:お客様が入店した際は、「いらっしゃいませ」ではなく、「めんそーれ」とご挨拶しています。入店時から沖縄気分を感じてもらいたいですね。

「いちゃりば!」誕生の背景
──西区に「いちゃりば!」を出店された経緯を教えてください。
田中さん:たまたま飲食店の出店を募集している話を聞いたんです。子供連れでも利用しやすい「沖縄ファミリーレストラン」をやってみたかったので出店しました。
──インカウンターとは客層も異なりますし、不安はありませんでしたか?
田中さん:エリア自体に集客力があるので、心配はなかったですね。「沖縄を知ってもらいたい」という気持ちが強かったので、とにかくチャレンジしようという感じでしたね。
──たくさんのメニューの中でも、特におすすめはどれですか?
田中さん:いちゃりばではソーキそば系が人気ですが、私のおすすめは「ゴーヤチャンプルー」です!
当店のゴーヤチャンプルーは“日本一美味しい”と思っています!(笑)

──自慢の「ゴーヤチャンプルー」の特徴を教えてください!
田中さん:すべて沖縄の食材を使っています。ゴーヤやポークは新潟でも手に入りますが、島豆腐はまず手に入らないですからね。
ゴーヤも沖縄産の方が大きいので、より沖縄の味を楽しめると思います。
──仕入れ先はご自身で開拓するのですか?
田中さん:そうですね。海ぶどうの養殖場なども自分で探して交渉します。沖縄産にこだわるのは、嘘のない料理を提供する為です。
私たちが食べて美味しいと思うものを、自信を持って提供したいと考えています。
──お客様との印象に残るエピソードはありますか?
田中さん:当店はリピーターの方が多く、沖縄が大好きな新潟県民のほか、転勤や進学で新潟に住む沖縄出身の方もいます。
そんな方々に「美味しい」と言われるのは嬉しいですね。そこから沖縄出身のお客様が友達を連れてきてくれると、認められた気持ちになります。

新型ウイルス禍で見つけた成長のきっかけ
──スタッフの育成で大切にしていることはありますか?
田中さん:“お客様に何を聞かれても丁寧に対応する”ということですね。
「ファーストテン(最初の10秒、1分、10分でその店の印象が決まるという意味)」という言葉があるように、“最初の10分間でお店の魅力を伝えられる”ように心がけています。
──「沖縄料理の楽しみ方」のポップもその一つですね!
田中さん:“お客様に寄り添う”という点から、沖縄料理のことを全く知らない人にも分かりやすいように、「いちゃりば流 沖縄料理の楽しみ方」というポップをご用意しています。
初めて来店される方は、メニューに悩んでしまうと思います。忙しいとスタッフも対応しきれないケースが出てしまうので、ポップで補えるように工夫しました。

──丁寧な接客を大切にするきっかけは何ですか?
田中さん:新型ウイルス禍で集客に悩んでいた時に、「居酒屋甲子園」に参加したことがきっかけですね。「共に学び共に成長し共に勝つ」というコンセプトのもと、飲食店が集まって勉強会をしていて、刺激をもらっています。
サービスや経営の質を競う大会では、今年は北陸甲信越地区大会で優勝しました。普段からスタッフと一丸になって、店づくりをしてきた成果だと思います。
──スタッフさんはどんな存在ですか?
田中さん:ちょっとクサいかもしれないですが、すべてのスタッフは“幸せになるための集合体”だと思っています。
私は漫画の「ワンピース」が大好きで、ルフィになりたいんです(笑)。幸せはスタッフが気づくことだと思うので、幸せになるための舵取りをしていきたいですね。
──最後に、今後の目標を教えてください!
田中さん:沖縄のファンをたくさん作って、「新潟─沖縄間の直行航空便」を通年飛ばすことですね!新潟で沖縄の店をやっている意味は、新潟の人に沖縄を知ってもらうのはもちろん、沖縄の人に新潟を知ってもらうことも私の存在意義だと思っています。
“新潟と沖縄の懸け橋”として、沖縄の観光協会にも働きかけて、新潟と沖縄を行き来しやすくしたいですね。そして、那覇の国際通りに新潟のお店を出店できたらいいなと思います。

【沖縄料理と琉球泡盛 いちゃりば!!】
住所:新潟市西区亀貝字堤715
営業時間:11:00~15:00、17:00~22:00
公式Instagram
【沖縄料理と琉球泡盛 ENCOUNTER!!】
住所:新潟市中央区東大通2-4-13 第6まるよしビル1F
営業時間:16:58〜0:00
公式Instagram
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新潟にいながら沖縄気分が味わえるなんて素敵ね♪