盛澤 優(もりさわ ゆう):新潟市出身。高校卒業後、大学進学のため上京。グラフィックデザイナーを志し、大学卒業後デザイン会社へ入社する。フリーランスを経て、「株式会社LAND」を設立。東京を主な拠点としつつ、ふるさと新潟の活性化にデザインで貢献したいと、2022年より地元新潟での活動もスタート。
ガタチラスタッフ:『新潟人143人目は、「株式会社LAND」デザインディレクターの盛澤優さんです!東京を拠点に活動している盛澤さんが「地元・新潟」での活動を始めたきっかけや、デザインへのこだわりなどをたくさんお聞きしました。素敵な笑顔で取材に応じてくださり、ありがとうございました!』
デザイン視点から新潟を見る
──いつからデザイナーを目指していたのですか?
盛澤さん:大学3年生の頃からです。普通の4年制大学だったのですが、周りが就活していてもあまり興味がなくて(笑)。自分がやりたいことを考える中で、たまたま駅貼りポスターを見て感動し、「デザイナーって人の気持ちを動かすことができる仕事なんだ」と思ったのがきっかけです。
──それからずっとデザインのお仕事をされているのですね!
盛澤さん:学生時代からアルバイトをさせていただいた会社に入社して2年半勤めました。その後、デザインをきちんと学びたいと思い、デザイン会社に転職し、そこで5年ほど働かせていただきました。そこにはプロフェッショナルな環境があり、デザインはもちろん、デザイナーが普段どういうものを見て、体験しているかなど、全ての面で貴重な経験をさせていただきました。今デザインの仕事ができているのは師匠のおかげです。その後は4年くらいフリーランスとして活動し、2017年に「株式会社LAND」を設立しました。
──「(株)LAND」では、東京でのお仕事がメインなのですか?
盛澤さん:東京を拠点に活動していますが、2022年から「地元・新潟でもできることがあるのではないか」と考えるようになりました。「これまで培った経験を生かして、自分が育った街を少しでも良くすることができたら人生ハッピーだな」と思ったんです。それで、まずは新潟を知るために2ヵ月くらいかけて県内の宿泊施設や酒蔵、企業を回りました。新潟での拠点オフィスも契約したんです。「異人池建築図書館喫茶店」というところで、開放感があり窓越しの大きなケヤキの木が癒しの場所です。
──実際に新潟まで足を運ばれたのですね!
盛澤さん:高校までしか新潟にいなかったので、ちゃんと新潟を知らなかったですし、美味しいものや伝統品などは実際に体験しないとその良さも分からないと思いました。まだ知らないことも多いですが、その2ヵ月を通じて「やっぱり新潟にはいいものがたくさんある」と感じましたね。こういった新潟に根付いたモノ・コトを、デザインのアプローチで「もっと良くしたり、多くの人に知ってもらいたい」と思いました。それが今一番やりたいことでもあります。
──いずれは新潟に戻りたいという気持ちがあったのですか?
盛澤さん:学生の頃は「関東に出たい」という気持ちが強くて、正直、地元に対してあまり興味がなかったです(笑)。しかし、今は地元に対して興味が湧いているので、自分にできることがあれば、ぜひやりたいですね。家族の都合もあるのでいきなり移住は難しいですが、将来的には新潟にも拠点を作れたら良いなと思っています!
目的に合わせたデザインを
──すでに新潟でもお仕事をされているのですか?
盛澤さん:新潟での初仕事が通販サイト「ガタ市」の新聞広告でした。新潟のいいものを紹介するという趣旨が、自分の想いにもリンクしていて、いいスタートを切らせていただいたと思っています。本当に感謝です!
──デザインする上で大切にしていることは何ですか?
盛澤さん:目的に合わせてデザインをしていくことです。パッケージデザインを変更するにしても、「ギフト商品として高く支持されるようにパッケージを作りましょう」⇒であれば印象を良くするために「特殊印刷を使いましょう」といったように、目的があった上でデザインしてご提案しています。この「ガタ市」のデザインも「新潟の皆さんに認知してもらう」という目的設定をして、「それなので、こういうデザインにしましょう」という流れで制作しました。そうやって、ターゲットを意識したり、目的に合わせたデザインを心がけています。
──そのためにもお客様とのヒアリングは重視されているのですね!
盛澤さん:そうですね。現地まで伺うこともありますが、今はリモートも取り入れながら、打ち合わせをさせていただいています。離れているからこそできることもあると、ポジティブに捉えて東京と新潟の2拠点でやっていきたいですね。
新潟をもっとアピールしたい
──2022年には「K-DESIGN AWARD」で金賞を受賞されたんですよね!
盛澤さん:そうなんです。「K-DESIGN AWARD」という国際デザインアワードのコーポレートデザイン部門で金賞を受賞することができました。デザインの仕事を15年間ほど続けてきましたが、ひとつ形になってよかったです。クリエイティブを信じてくださったクライアント様やデザインを教えてくださった師匠、お世話になっている仕事関連の方々、いつもサポートしてくれた家族、友人の存在があってこそだと思います。もっといいデザインができるように、これからも頑張ります!
※K-DESIGN AWARD…韓国のデザインポータル「DESIGNSORI」が主催する国際デザインコンペ。
──最後に、今後の目標を教えてください!
盛澤さん:“新潟のイメージを良くする”ことです!新潟を離れて、改めて“新潟の良さ”を気づかされ、“その魅力を多くの人に伝えたい”という想いがさらに強くなりました。これからも外から新潟を見る視点も大事にしたいですし、新潟のいいものが都心部にもっと並ぶようにしたいですね。そういったことに貢献できたらいいなと思います。
──素敵な目標ですね!
盛澤さん:デザインにおいて、アウトプットの完成度はもちろん大事ですが、「結果どうなったのか」ということも同じくらい重要だと思います。そのために、意匠面だけでない広義なデザイン提案をしていきたいです。簡単な話ではないですが、そういったことができる人がデザイナーとして求められていると思いますし、新潟ではしていきたいです。これからは新潟での実績をもっと積み上げて、クライアント様やクリエイティブパートナーと一緒に新潟を盛り上げたいです!
【株式会社LAND】
新潟オフィス:新潟県新潟市中央区西大畑町591-1異人池ハウス203(異人池建築図書館喫茶店)
お問い合わせ:hello@landinc.jp
新潟の良いモノ・コトの魅力が盛澤さんのデザインによってより多くの人に伝わるとうれしいわね♪