【プロフィール】
榎並 浩章(えなみ ひろあき):新潟市出身。高校卒業後、中華料理のチェーン店に就職。28歳の時に勤務先が倒産し、さまざまな飲食店を経験した後に『中華麺食堂かなみ屋』をオープンする。その後、四川系ラーメン店に特化して小針から小新に移転。現在では、新潟市内に4店舗を展開している。
『新潟人214人目は、『中華麺食堂かなみ屋』を展開している「株式会社 DIAMOND PROGRESSカンパニー」の代表取締役・榎並浩章さんです。人気ラーメン店を4店舗展開している榎並さんが飲食業界へ入るきっかけや、ラーメンへのこだわりなどたくさんの話をお聞きしました。素敵な笑顔で取材に応じてくださり、ありがとうございました!』
“中華料理店風”からのスタート
──飲食業で働き始めたきっかけを教えてください!
榎並さん:高校生の頃に中華料理店でアルバイトをしていて、卒業後はそのまま就職しました。ホールと厨房どちらも経験しましたが、厨房で鍋を振る姿がカッコよかったんですよね(笑)。
──いつから独立を考えていたのですか?
榎並さん:20歳の頃から「いずれは自分のお店を出したい」と思っていました。28歳の時に働いていた会社が倒産したのをきっかけに、本格的に独立を考え始めましたね。ラーメン店を学ぶために3年ほど他店で修業した後に、『かなみ屋』をオープンしました。店名は息子と娘の名前から取っています。
──当初からラーメン店での挑戦を考えていたのですね!
榎並さん:中華料理店で学んだ技術があったので、実際はラーメン以外のメニューも揃えた中華食堂風のお店になっていました(笑)。中華メニューも多く揃え、宴会や弁当、オードブルなどもしていました。
──それはもう中華料理店ですね(笑)
榎並さん:でも、メニューを増やすことで利益が上がらないことに気が付いて(笑)。近所のラーメン店の行列を見て、「ラーメンに特化しよう」と決めました。
──担々麺や麻婆麺を看板メニューにしたのはなぜですか?
榎並さん:よく注文されるメニューを思い返してみたんです。豊富なメニューのなかでも担々麺や麻婆麺の注文が多かったので、「それなら四川系のラーメンに特化しよう」と考えました。
──専門化する前後で、ラーメンに味の変化はありますか?
榎並さん:当時は辛味も抑えめで、今とは全く違いましたね。四川系ラーメンの専門店にするにあたって、とにかく味にはこだわりました。研究のために、他店のラーメンをたくさん食べましたよ。自分なりに試作しながら、レシピを作り上げていきました。
ファミリーに優しい店づくり
──ラーメン店に特化することに不安はありませんでしたか?
榎並さん:ちゃんとしたセオリーがあることは分かっていたので、不安はありませんでした。皆さんが受け入れてくれる料理を作って、その上で競合店と差別化していくのが一番良いと思います。
──四川系に特化したラーメン店は珍しかったのでは?
榎並さん:割と先駆けだったかもしれません(笑)。お客さんが受け入れてくれるタイミングと、当店が四川系に特化するタイミングが上手くマッチしたのかもしれませんね。
──四川系に特化してもメニューの種類は豊富ですよね!
榎並さん:四川系と言っても、担々麺や麻婆麺、酸辣湯麺など幅広いメニューがあるので、“お客さんの間口が広がる”と思ったんです。辛くないメニューも置いていますし、当店はファミリー層をターゲットにしているので、子ども向けのメニューもあります。
──ファミリー層が来店しやすいお店づくりもされているのですね!
榎並さん:「黒酢酸辣湯麺(土曜日限定)」を注文した親子連れの方には、“お子様ラーメンを一杯無料”で提供しています。店内には小上りもありますし、お子様連れの方が安心して過ごせるような雰囲気づくりを大切にしています。
──2023年3月には万代店がオープンしましたよね!
榎並さん:もともと新潟駅前への出店は考えていました。駅前という立地もあり、サラリーマンの方が多いですね。小新店と女池店はファミリー層向け、松崎店は近隣の年配の方が利用することも多く、店舗によって利用層が異なります。
──店舗によって、提供メニューも少し違うのですか?
榎並さん:そうなんです。お店のコンセプトは大事にしつつ、立地によって柔軟に変えていかないとお客さまに選んでいただけないと思います。時代の変化もありますし、“お客さまに対して何ができるのか”を常に考えています。
──大切にしていることを教えてください!
榎並さん:経営理念は「関わる全ての人に感謝し、あふれる喜びと感動を創造する」です。お客さまはもちろん、関わってくださる周りの人たちへの感謝や人に貢献する気持ちを大切にするということですね。「地域社会に役立ち、必要とされる企業になる」ことを目指しています。
──スタッフとの距離は近いですか?
榎並さん:全店舗をよく見て回っていますし、スタッフの顔と名前はほとんど分かります。アルバイトの子からいじられたりもするんですよ(笑)。
当店はアルバイトにも教育プログラムがあり、戦力になるようにしっかりと教育しています。また、スタッフのモチベーションをアップするために人事評価制度も取り入れています。おいしいラーメンを作るだけでなく、マネジメントも大切ですね。
こだわりの担々麺を世界へ!
──お店の看板メニュー「担々麺」のこだわりを教えてください!
榎並さん:当店の担々麺は、「味噌ベース」と「醤油ベース」があります。味噌ベースは干しエビの風味を利かせていて、大量のゴマとスパイスを使用しています。こだわっている分、どうしても値段が高くなってしまいますが、おいしさには代えられないのでブレずにやっています。
──担々麺の濃厚なスープが私も大好きです!(笑)
榎並さん:ゴマが多すぎると重くなってしまうので、スパイスをたくさん使うことで味が軽くなる工夫をしています。ピーナッツペーストを入れているのも、こだわりの一つですね。
醤油ベースは、よりスパイシーに仕上げています。山椒と朝天唐辛子、八角、シナモンも入っています。
──スープもどんどんブラッシュアップされているのですね!
榎並さん:“旨辛スープ”が当店の自慢です。「食べるスープだ」と言ってくださったり、「もっとスープの量を増やしてほしい」という要望もあったので、『スープ増し』というメニューも作りました(笑)。
──お客様との印象に残るエピソードはありますか?
榎並さん:小針時代から長年通ってくれているお客さまも多く、応援してもらえているのが嬉しいですね。万代店をオープンした時も、西区から食べに来てくれた方がいて「これで全店制覇したぞ」と言ってくださいました(笑)。
──最後に、今後の目標を教えてください。
榎並さん:これからもおいしいラーメンを提供し続けるために、ブラッシュアップしながら全国展開を目指したいです。いつかは海外にも出店してみたいですね。「夢はでっかく!」ですよ!(笑)そのためにも、“細く長く愛され続けるお店づくり”をしていきます。
【中華麺食堂かなみ屋 女池上山店】
住所:新潟市中央区女池上山2-17-5
営業時間:月〜金11:00~21:30、祝日11:00~15:30・17:00~21:30、土日 11:00〜21:30
定休日:年中無休
駐車場:有
公式ホームページ:https://niigata-kanamiya.com/
公式Instagram:@kanamiya55
子連れも利用しやすくて嬉しいのよね♪