【プロフィール】
川村優理(かわむら ゆうり):1989年5月17日生まれ、新潟県出身。小学2年の時にサッカーを始める。2002年に『アルビレックス新潟レディース』へ加入。新潟医療福祉大学に通いながら同チームに所属する。その後は、ジェフユナイテッド市原・千葉レディースなどに所属し、2017年にはアメリカ女子プロリーグへ移籍する。
19年アルビLに復帰するが、21年に膝の大けがで戦列を離れ、23年11月に2年近くのリハビリを経てピッチへ復帰。恵まれた体格を生かしたハードワークで中盤を攻守で支配するMFとして活躍している。
ガタチラスタッフ:『新潟人187人目は、『アルビレックス新潟レディース』のMF(ミッドフィルダー) ・川村優理さんです!けがから復帰して2年ぶりのピッチの感触を味わっている川村選手に、サッカーを始めたきっかけやけがをして戦列を離れた時の心境などたくさんのお話をお聞きしました!素敵な笑顔で取材に応じてくださり、ありがとうございました!』
“もっと強いチーム、もっといいチームに”
—サッカーを始めたきっかけを教えてください!
川村さん:小学校2年生の時に「青山サッカー少年団」に入りました。兄が先に所属していて、その送迎に付いて行った時にコーチから誘われたのがきっかけです。中学1年生の時に『アルビレックス新潟レディース』ができてからは、すぐに駆け込みました(笑)。当時の監督などと話して、このチームで活躍したいと思ったんです。
—アメリカへ行った理由を教えてください!
川村さん:“日本代表”に選ばれた時に、「戦う相手が海外選手だからこそ、海外でプレーするのが一番手っ取り早い」と考えたんです。それで、2017年にアルビへ復帰してすぐに、アメリカの大学チームへ移籍しました。
—女子プロサッカーリーグ「WEリーグ」の魅力を教えてください。
川村さん:雰囲気の点では、“選手とサポーターの距離が近い”ところですね!ホームゲームでは、試合終了後に選手はサポーターの皆さんをハイタッチでお見送りしています。プレーの面では、テクニックや戦術面を見てほしいですね。ぜひ試合会場に足を運んで、見ていただきたいです!チケットは前売り自由席大人1,500円、小中校生500円からとなっています!(笑)
—今季のチームの戦いをどう感じていますか?
川村さん:新しく橋川監督が就任し、新しい選手も入ってきて、良い成績を残せていると感じています。しかし、目指しているのは「タイトルを取る」というところなので、今の成績で満足している選手はいません。だからこそ、練習でも高いレベルを求め合ったり、“もっとやらなきゃいけない”という危機感を感じながらプレーできています。
—まだまだ発展途上ということですね!
川村さん:そうですね。年末のセレッソ大阪ヤンマ―レディース(12月30日、0-1)戦も負けてはいけない試合でしたし、あの時のような難しい試合を勝てるチームが強いと思います。あの試合で負けたということは、まだ自分たちの力が足りないということ。一方で、やってきたことは間違っていないですし、いい部分もあります。“もっと強いチームに、もっといいチームに”ならないといけません。
—今季のWEリーグでは上位をキープしていますね!
川村さん:みんなが前向きに練習や試合に取り組めているのが、要因の1つだと思います。それと、結果がついてきていることで少しずつ自信もついてきて、勝敗に対しての責任をみんなが感じているのも、良い順位をキープできていることに繋がっています。
サッカーができる幸せ
—昨年の今季WEリーグ開幕戦(INAC神戸戦)で、682日ぶりに公式戦のピッチに帰ってきましたね!
川村さん:あの時は0-1で負けていたので、“勝つために何ができるか”ということしか考えていませんでした。試合が終わってからチームメートやサポーターから祝福されたり、一緒にサッカーをした仲間からもたくさん連絡をもらいました。「サッカーができるって幸せだな」と感じます。
—約2年間のリハビリ生活では、どのように気持ちを維持していましたか?
川村さん:大怪我をした1、2回目の時は8ヵ月で復帰できたので、今回もそのぐらいかなと思っていたのですが、全然うまくいかなくて…。そういう状況に対して気持ちのコントロールが難しくて、「今日はリハビリしたくない」「もう無理」と思う日もありました。
—思うようにいかなかったのですね…。
川村さん:そういう時にトレーナーは私の気持ちに気付いて、「今日はそんなにやらなくてもいいよ」と言ってくれました。自分でもそう思いながらも、一方ではリハビリをしないともやもやする自分もいて…。なので、リハビリ中は“その時の自分の気持ち”に合わせるようにしていました。
—リハビリを乗り越えられた原動力は何ですか?
川村さん:チームメートや家族、サポーターの方などの声援があったからこそですね。何回も「辞めようかな」と思いましたが、「自分が引退すると応援してくれる人たちを悲しませてしまう」という想いが強かったので、「諦めちゃだめだ」と気持ちを繋げていました。
—リハビリ以外の時間はどう過ごしていましたか?
川村さん:サッカーをとりあえず見ていました。その時はサッカーを見ることが楽しみの1つでもあったので、映像で海外サッカーを見たり、できるだけスタジアムで生の試合を観戦していました。Jリーグをたくさん見に行きましたね(笑)。
人の温かい“新潟”で
—『アルビレックス新潟レディース』はどんな存在ですか?
川村さん:怪我をした後に声を掛けてくれたのがアルビでした。自分の中で「サッカー選手を辞める時はこのチームかな」という想いもありました。引退はいつになるか分からないですけどね。しぶとくあと10年はやっているかもしれないですし(笑)。自分を必要としてくれるなら、ここに居続けたいですね。
—「新潟」はどんな場所ですか?
川村さん:人がすごく温かいですね!試合に負けた時でも、サポーターの方から聞こえてくる声は、「次も頑張れよ」という言葉ばかりです。中学生の時から成長を見てくれているサポーターの方もいて、とてもありがたいですね。
—3月3日からWEリーグが再開しますね!
川村さん:勝たなければタイトルは取れません。一戦一戦トーナメントの決勝を戦っているような気持ちでプレーしなくてはいけないですし、他のチームも状態を整えてくるので、前半戦以上に(勝ち点の)取りこぼしはできませんね。
—川村選手のWEリーグ初ゴールにも期待がかかります!
川村さん:サポーターの方にも言われますね(笑)。チームが勝つことが一番なので、自分ではそんなに意識していません。試合に出たときは与えられた仕事をやるだけです。その仕事をやり続けたご褒美に「ポロッとボールがこぼれてきてくれたらラッキー」くらいに考えています。年齢的にも上の方ですし、“チームファースト”の部分をみんなに見せていきたいですね。
—最後に、後半戦への意気込みをお願いします!
川村さん:“自分たちが成長している姿、サッカーを頑張っている姿、諦めずに戦っている姿”がサポーターの方の心にも響くと思っています。そういうところでも“女子サッカーを盛り上げていきたい”ですし、上のレベルに行くために「一人一人が考えてプレーをしていければ、今のチームは簡単には崩れない」と思います。その為にも、これからも頑張っていきます。応援よろしくお願いします!
>>>「アルビレディース新潟レディース」のホームページはこちら
【2023-2024 WEリーグ 対戦カード】
・第8節 対サンフレッチェ広島レジーナ
日時:3月3日(日)14:00~
会場:エディオンピースウイング広島
・第9節 対日テレ・東京ヴェルディベレーザ
日時:3月10日(日)13:00~
会場:デンカビッグスワンスタジアム
・第10節 対ちふれASエルフェン埼玉
日時:3月16(土)13:00~
会場:新潟市陸上競技場
・第11節 対ジェフユナイテッド市原・千葉レディース
日時:3月20日(水)18:00~
会場:フクダ電子アリーナ
・第12節 対セレッソ大阪ヤンマーレディース
日時:3月24日(日)13:00~
会場:新潟市陸上競技場
・第20節 対三菱重工浦和レッズレディース
日時:3月27日(水)14:00~
会場:浦和駒場スタジアム
・第13節 対ノジマステラ神奈川相模原
日時:3月30日(土)17:30~
会場:相模原ギオンスタジアム
・第14節 対大宮アルディージャVENTUS
日時:4月14日(日)13:00~
会場:新潟市陸上競技場
・第15節 対ちふれASエルフェン埼玉
日時:4月18日(木)18:00~
会場:熊谷スポーツ文化公園陸上競技場
・第16節 対AC長野パルセイロ・レディース
日時:4月21日(日)13:00~
会場:新潟市陸上競技場
・第17節 対ジェフユナイテッド市原・千葉レディース
日時:4月28日(日)13:00~
会場:デンカビッグスワンスタジアム
・第18節 対日テレ・東京ヴェルディベレーザ
日時:5月2日(木)17:00~
会場:味の素フィールド西が丘
・第19節 対INAC神戸レオネッサ
日時:5月6日(月)13:00~
会場:新潟市陸上競技場
・第21節 対サンフレッチェ広島レジーナ
日時:5月18日(土)13:00~
会場:デンカビッグスワンスタジアム
・第22節 対マイナビ仙台レディース
日時:5月25日(土)14:00~
会場:ユアテックスタジアム仙台
WEリーグ後半戦の活躍にも注目ね♪