【プロフィール】
嶋村貴大(しまむらたかひろ):村上市出身。調理師専門学校を卒業後、新潟市内のイタリアンレストランや洋菓子店のパティシエやシェフなどを経験する。2021年10月に「生どら焼き専門店creamsand Nagi〜凪〜」をオープン。お客様へ最高のスイーツどら焼きの提供を行っている。
ガタチラスタッフ:『新潟人186人目は、「生どら焼き専門店creamsand Nagi〜凪〜」の代表・嶋村貴大さんです!2021年に大人気の生どら焼き専門店を開店させた嶋村さん。菓子業界に魅了されたきっかけや出店エピソード、どら焼きに対するこだわりなど、たくさんのお話をお聞きしました。素敵な笑顔で取材に応じてくださり、ありがとうございました!』
“何もしない時間”が怖かった。
—「生どら焼き」が好きだったのですか?
嶋村さん:昔から「生どら焼き」をスーパーやコンビニで買って、よく食べていました。食べているうちに「ケーキみたいだな」と感じたんです。パティシエとしての経験も積んでいたので、「もっとおいしい生どら焼きが作れるんじゃないか」と思ったのがきっかけです。
—独立されたのは34歳の時でしたね。
嶋村さん:色々と考える歳だったのかもしれません。勤めていたお店で店長やシェフを任されていましたが、「このまま続けていても自分の考えを反映させた商品やお店づくりはできない」と感じたので、思い切って“独立”しました。
—オープン前に不安はなかったですか?
嶋村さん:お店をオープンするまでは、本当に分からないことばかりでした。その中でも、“自分が何もしないで待っている間”が怖かったですね。ネガティブな考えが色々と押し寄せてきて、精神的にキツかったかもしれません。
—待っている間とはどういうことですか?
嶋村さん:融資の返事待ちや店舗工事の期間とかですね。自分が準備を進めていたり、何か作業をしている時はそんなことないのですが、私の手から離れたところでの待ちの時間が、「この選択でよかったのか、違う選択肢もあったんじゃないか」などの変な考えが頭を駆け巡りました(笑)。
“合格点のどら焼き”を食べて欲しい!
—オープン日はいかがでしたか?
嶋村さん:オープン当日は「生どら焼きをセット売り」にしていて、来店された方は多かったのですが予想していたよりも売上が少なくて (笑)。周りのパティシエさんからは「オープンの時は行列ができて大変だぞ」と聞いていたのですが、予想通りというか…。お客様は多く来てくださってとても嬉しかったのです。
—今では午前中には売り切れることもあるほど、人気ですよね!
嶋村さん:人気店と言うとおこがましいですが、オープン記念が落ち着き、最初の定休日が明けた後にたくさんのお客様が来てくださいました。バラ売りを始めてから、用意していた個数全てが午前中に売り切れることが3ヵ月くらい続きましたね。
—「販売個数を増やす」ということはしなかったのでしょうか?
嶋村さん:ありがたいことに、お客様からも同じようなお言葉をいただきます。しかし、合格点(常に80点)の商品をご提供するためには今の個数が精一杯です。「100点ではないのか」と思われるのですが、気温やその日の材料によって条件が変わるので“自分自身がお客様に出しておいしいと思っていただける合格点”を80点としています。
—おいしい生どら焼きを提供するためにも今の個数がベストなのですね!
嶋村さん:生産量を増やすことで60点や70点の商品ができてしまいます。せっかくなら“合格点の生どら焼きを食べて欲しい”じゃないですか!(笑)おいしさには妥協せず、合格点を維持できる個数で提供していきたいと思っています。
看板商品は「粒あん」ですが…
—生どら焼きは、独立する前から作られていたのですか?
嶋村さん:以前勤めていた店舗では、「どら焼き」の販売はありました。生どら焼きの生地は、ほとんど“独学で試行錯誤して作り上げた”ものです。どら焼きの風味は“みりんと蜂蜜”でできていて、その組み合わせなどを色々試しました。
—独学で作り上げたのですね!
嶋村さん:パティシエの経験があったからこそ、和菓子の要素を保ちつつ、“独自の生地”を作れたと思います。「この組み合わせだとこの味になるから生地にあっておいしいな」とか、試行錯誤してメニューにしています。
—すごいですね!看板商品はやはり「粒あん」ですか?
嶋村さん:看板商品となると「粒あん」が人気ですが、2番目の看板商品として「チーズテリーヌ」もおすすめです!一口食べた時の感動が他の商品よりも大きいと思います。私がおすすめしていたのもありますが、お客様のリピート率も高く、何度も購入される方が多いですね。
—お客様の反応を教えてください!
嶋村さん:最初の頃は「粒あん」を購入される方が多く、9種類の商品でも何種類かはあんこを使用した商品を置いていました。それが、1年を過ぎた頃には違う商品を購入される方が増えてきたんですよね。現在は10種類の中でも1種類しかあんこは使用せず、9種類は洋菓子のようなどら焼きです。“ケーキのようなどら焼き”が認知されてきたのが嬉しいですね。
—パティシエの経験がまさに生かされていますね!
嶋村さん:自分の経験を活かせる環境を作っている感覚はありますね。あとは“飽きがないよう”に心掛けています。幅の広い洋菓子であれば、飽きがこない商品ラインナップを提供できます。ショコラだけでも「淡雪ショコラ」と「ショコラ」の2種類(期間限定)があるので、ケーキを選ぶような“選ぶ楽しさ”もあるのかなと思いますね。
—最後に、今後の目標を教えてください!
嶋村さん:“地元の村上市に生どら焼きを届けたい”ですね。店舗販売の他に、イオンモール新潟南のイベントで出張販売をさせていただいています。新しく知ってくださる方も多く、イベントで購入してくれたお客様が店舗にも来店してくださったりするんです。
—村上市でのイベント出店とかはまだないのですか?
嶋村さん:村上市には、なかなかできていません。…というのもショーケース冷蔵庫などの設備の問題があるんです。両親や友達も村上市で宣伝してくれているので、村上市での出張販売が一つの目標ですね!また、3月にイオンモール新潟南で出店予定なので、見かけた際はぜひお立ち寄りください!店舗でもお待ちしております!
【生どら焼き専門店creamsand Nagi〜凪〜】
住所:新潟市西区松美台1-4
電話:025-211-8668
営業時間:10:00~17:00
定休日:第一、第三火曜・水曜定休日 他不定休有り
公式Instagram:@namadora_nagi
こだわりの生どら焼きは絶品よ♪