プロフィール
佐藤 博人(さとう ひろと):新潟市江南区出身。新潟大学を卒業後は香月堂で修行し、1988年に家業に戻る。ティラミスブームの時に「和風ティラミス大福」を考案する。テレビや新聞等のマスメディアに取り上げられ、万平菓子舗の代名詞となっている。
ガタチラスタッフ:『新潟人87人目は旧亀田町にある「万平菓子舗」の佐藤さん。私も小さい頃からファンであり、遂にインタビューが実現しました。あの「和風ティラミス大福」の考案者の素顔に迫りました!笑顔で気さくに取材に応じてくれた佐藤さん、ありがとうございました!』
歴史ある老舗菓子店を継ぐ
──佐藤さんの生い立ちと経歴を教えてください。
佐藤さん:江戸末期から続く菓子店の長男として生まれました。高校、大学も県内であり、当時は教職を目指していたため、在学中に教員免許を取得しました。特に理系分野に関心があり、数学は大得意でしたね!(笑)卒業後は、「香月堂」で菓子作りの修行を始めました。
──万平菓子舗は江戸時代の創業なのですか?
佐藤さん:当時の詳細な資料はほとんど残っていませんが、初代が商売を始めたのは江戸末期です。
私で8代目となりますが、創業時から続く「絶対に手を抜かず、心を込めた仕事をする」信念は今でも大切にしています。
──ティラミス大福やさくら餅等のすべての商品が手作りなのですか。
佐藤さん:はい、一つひとつ丁寧に作っています。テレビや新聞等のメディアにも取り上げられ、一日に数千個の注文をいただくようになった時はさすがに大変でしたね(笑)。従業員のみんなには本当に感謝しています。
“和風ティラミス大福”の誕生秘話
──大人気商品「和風ティラミス大福」について改めて教えてください。
佐藤さん: 和風と洋風の要素がバランスよくミックスされた、フワフワのお菓子です。コーヒー風味のほろ苦い餅で包み、中にはティラミスクリームがたっぷりと入っています。口どけはまろやかで、控えめな甘さが人気です。
──考案されたきっかけは何でしょうか。
佐藤さん:その当時、世の中はバブル景気の真っ只中でした。 若者たちに人気だったイタリア料理は「イタメシ」と呼ばれるほどに流行し、 そこでデザートとして用意されていたのがティラミスだったのです。当店でもティラミス関連の商品を作りたいと思い、挑戦しました。
──発売と同時に爆発的な人気だったのですか。
佐藤さん:発売当初はまったく売れませんでした!(笑) 当時の大福の色はほとんどが白であり、おいしそうに見えなかったと思います。お客様にサービスで差し上げたりして、徐々に口コミで評判が広がっていきました。全国区のテレビ番組の取材を受け、爆発的に人気が高まりましたね。
──印象に残るエピソードを教えてください!
佐藤さん:原価計算をしっかりしておらず、ほとんど利益が出ない商品でした、、、考案後も試行錯誤を繰り返し、現在の価格・内容となっています。クリームの上品な甘さやフワフワの餅は発売当時よりもおいしくなっていると思います。
和風ティラミス大福と歩む
──ティラミス大福シリーズの商品を増やさないのですか?
佐藤さん:和風ティラミス大福のほか、苺ティラミス大福があります。現在の従業員で手作業となると、なかなか種類は増やせません。過去に抹茶ティラミス大福を数量限定で販売したことはありますが、常時の販売には至っていません。
──幻の抹茶味ですね!(笑)私も食べてみたいです!他にも越後姫大福がありますよね。
佐藤さん:大粒越後姫を入荷できる時期は、「越後姫大福」と「越後姫ロール」を販売しています。2022年は2月5日より数量限定で販売開始しましたが、入荷量が安定していないため、ご予約をおすすめします。
──最後に、今後の目標を教えてください!
佐藤さん:現在の体制では一日の生産量に限界があります。過去に機械化も検討しましたが、「手作りの味」を再現できずにペンディングとしました。最近では機械のレベルも高まり、再度検討したいと考えています。仮に機械化したとしても、“絶対に手を抜かない”という精神が変わることはありません。これからもお客様に愛されるお店・商品づくりを頑張ります。
【万平菓子舗】
住所:新潟市江南区亀田本町4丁目1-48
電話:025-381-2267
休業日:月・火曜日(※月・火曜日が祝日の場合は営業)
大人気の「和風ティラミス大福」はこうして生まれたのね~なんだか食べたくなってきたわ~