プロフィール
丸山 美弥(まるやま みや):新潟市江南区亀田出身。市内の高校を卒業後、国際調理製菓専門学校へ進学し、料理人を目指す。専門学校卒業後は上京し、都内の飲食店を4店舗経験。新潟に戻り、2021年1月に「カメダバルKomaru」をオープン。2021年5月からキッチンカー事業もスタートした。
『“おいしい”と喜んでもらえたことがきっかけ』
――料理人を目指したきっかけを教えてください!
丸山さん:食べることが大好きだったので、昔から食に関わる仕事に就きたいと思っていました。高校で進路を決める時、「栄養士」「食品メーカー」「調理師」の中で少し悩みましたが、祖父も料理人でかっこいいと思っていたのと、家族に料理を作る時に「おいしい」と喜ばれることがとても嬉しかったので調理師になろうと決めました。
――専門学校卒業後は関東圏で挑戦したいというお考えだったのですか?
丸山さん:最初は考えていませんでした。学生時代にアルバイトをしていたカフェレストランや、学校の調理実習で「フランス料理」に興味を持ち、“フレンチをやりたい”という気持ちが強くなりました。しかし、当時の新潟にはフランス料理のお店が今ほど多くなく、本気で勉強をするなら東京へ行き、集中して学びたいと思いました。
――東京での経験はどうでしたか?
丸山さん:東京は常に刺激的な環境が周りにありました。技術と知識を早く身に付けたかったので、休みの日も気になるお店や有名店の料理を食べて勉強しました。技術と知識が身に付かないと上にも行けないですし、「もっと色々な仕事を任せてもらう為には少しでも早く仕事を覚えて、アピールをしていかないと!」と思い、頑張っていました。
――興味を持たれた“フランス料理”の魅力はどんなところですか?
丸山さん:直感的なのですが、初めてフレンチ料理を食べた時、今まで食べたことのないジャンルの違うおいしさに衝撃を受けました。高級なフレンチではなく、カジュアルや郷土料理のフレンチを食べたのですがとにかくおいしくて(笑)。作り方を知れば知るほどおもしろさや興味がどんどん湧いてきました。
『今この時間を無駄にしないために』
――新潟に戻られたきっかけを教えてください。
丸山さん:都内にあるホテルのレストランで働いていたのですが、新型コロナウイルス感染症の影響で2ヵ月ほど休業になったり、来店も少数だったり、そんな日が続いていました。休業中に「この状況が長く続くのかな」と将来を考えた時に、「早く新潟に帰って挑戦してみたい!」と強く思い、帰ることを決めました。
――将来的には自分のお店をオープンするお考えだったのですか?
丸山さん:そうですね。33歳までには新潟に戻り、自分のお店をオープンするというビジョンはありました。それが少し早まったという感じです(笑)。本当はもっと海外などにも行きたいと思っていたので、こんなに早く新潟に帰るとは思っていなかったですね。
――コロナ禍だからこその判断だったのですね。
丸山さん:時間は待ってくれないので、とにかく行動しようと思ったんです。その時に考えたのがキッチンカーでした。貯金は多くなかったので、キッチンカーの方が低資金で始められ、今の時代にマッチしていると思いました。
――当初はキッチンカー販売で考えられていたのですね。
丸山さん:そうなんです。しかし、キッチンカーで販売する商品の仕込みができ、キッチンカーの駐車スペースがある場所が見つからず、3~4カ月くらいずっと探していました。最終的にこの場所が見つかったのですが、大雪の影響もあり、まずはバルとしてオープンしようと始めました。
――やはり、地元でやりたいという想いがあったのですか?
丸山さん:亀田が第一希望でしたね。亀田は人気な場所のようでかなり苦労しました。しかし、タイミング良く、元スナックだったこの場所が空くかもしれないというお話をいただいたので交渉して決めました。
――地元でオープンして良かったなということはありましたか?
丸山さん:地元なので母のママ友や知り合いが多く、よく来ていただいています。口コミでお店の情報を広げてくれたり、地元の方々にとても助けられています。
――コロナ禍のオープンで不安はありましたか?
丸山さん:不安はありましたね。でも、やると決めたのでとりあえず突き進むしかないと思っていました。やるしかないという気持ちしかなかったですね。
『お店の名前は自分のニックネーム』
――「カメダバルKomaru」の名前の由来を教えてください。
丸山さん:「Komaru」は最初に就職した職場で付けてもらったニックネームなんです。その時の職場の方とは今でも繋がっていて、ずっと“コマルちゃん”と言われています(笑)。お店を出すこともみんなが応援してくれていて、「お店を出すなら“chez Komaru (シェ・コマル)”にしなよ!」と言われていました(笑)。“東京でお世話になった方々への恩や初心を忘れない”という意味を込めています。
――お店のこだわりを教えてください!
丸山さん:新潟県産の食材をメインに使い、なるべく手作りでしっかり手を掛けたおいしい料理を提供しています。気軽に通っていただけるように、お得な価格設定にしています。
――おすすめのメニューを教えてください!
丸山さん:新潟の「あがの姫牛のステーキ」はぜひ食べていただきたいです!あとはレバーペーストですね。「新潟の越の鶏」のレバーを使用しているのですが、独特の臭みを最小限に抑えた滑らかなペーストなのでレバーが苦手の方でも食べやすいと思います。とても好評で「感動した!」と言ってくださったお客様もいました(笑)。
『素材の旨みを溶け込ませたこだわりのキッシュ』
――キッチンカーでは、どんな商品を販売しているのですか?
丸山さん:あがの姫牛を使ったローストビーフ丼や自家製チャーシュー丼、キッシュを販売しています。
――キッシュの販売は珍しいですね。
丸山さん:初めはキッシュをメインにキッチンカーをやろうと思っていました。丼の他にキッシュにミニサラダを添えた日替わりメニューを販売しています。うちのキッシュの特徴は、ふわふわでとてもクリーミーなところです。“卵に旨みを溶け込ませる”ことを大事にして作っています。
――こだわりが詰まったキッシュなのですね!
丸山さん:自分の中の理想のキッシュを形にしました。キッシュを何度もリピートしてくれるお客様もいるのは嬉しいですね。今は、佐渡の銀鮭と新玉ねぎで作っていて、季節や旬に合わせて食材を変えて作っています。
――なぜキッシュなのですか?
丸山さん:キッシュなら朝でもお昼でもおやつでも夜のおつまみにもなりますし、幅広いシーンで食べていただける最強のメニューだと思っています。
――キッチンカーはいつ営業されているのですか?
丸山さん:現在、毎週月曜日は小針にある祖父が営業していたお店の跡地で営業しています。あとは声を掛けていただいたり、自分で営業した場所で営業することが多いです。キッチンカーの出店情報はインスタグラムで発信しているので、チェックしてもらえたら嬉しいです。
『繋がりを増やし、新しいことを生み出していきたい』
――印象に残るエピソードを教えてください。
丸山さん:4月から働いてくれているスタッフがいるのですが、元々はお店のお客様でした。お店をとても気に入ってくれていて、アルバイト募集をSNSで発信したら「お店の料理と雰囲気が好きなので、ここで働きたいです!」と言ってくださり、とても嬉しかったですね。
――今後、挑戦したいことを教えてください!
丸山さん:様々な企業やお店とコラボをして一緒に何かを作りたいです。料理や商品、コラボ企画やイベントなど手段は色々あると思います。まだ、できたばかりのお店ですが、周りとの繋がりも作れたら良いなと思っています。だからこそ、イベントなどにも積極的に参加して他のお店や企業との繋がりを増やしていきたいです。
【カメダバルKomaru】
住所:新潟市江南区東船場4-2-11
電話:025-383-6779
素敵な雰囲気のお店ね♪私もママ友と行こうかしら!