
【プロフィール】
仁井⽥ 紀之(にいた のりゆき):宮城県出⾝。岩手⼤学、東北大学大学院に進学し、卒業後は出版社に就職。新潟に移住後、東京のベンチャー企業に転職する。地⽅のマーケット⽀援に興味を持ち、再び村上市へ移住。2024 年 2⽉に「(株)中庸」を起業する。
『新潟人293人目は、村上市にある「(株)中庸」の代表取締役・仁井田紀之さん。投稿開始8ヵ月でフォロワー9万4000人を達成(2026年2月現在)。日本各地の職人を紹介するInstagram「yesterday_japan」が注目されています。投稿を始めたきっかけや今後の目標を伺いました』
フォロワー9万人超の職人メディア
——「(株)中庸」はどんな会社ですか?
仁井田さん:マーケティング支援のほか、工芸品の販売を行う会社です。
「yesterday_japan」は、職人さんたちを応援する意味合いから立ち上げた“メディア”ですね。
——メディアを立ち上げた経緯を教えてください。
仁井田さん:マーケティング支援を行う中で、「このままでは職人の世界や伝統工芸、文化がなくなってしまうのでは」という危機感を覚えたんです。
「何とかサポートできないか」と考えましたが、一人だけを紹介しても多くの人にはリーチできません。「一人では届かない。だったら集めよう」と思い立ち、2025年6月から投稿を始めました。
——アカウント名「yesterday_japan」に込めた想いは?
仁井田さん:未来を考えて不安になることもありますが、「昨日よりも今日が豊かであったらいいな」と感じられるメディアを目指しています。
取材の軸は「思想があるか否か」
——動画制作で最も大切にしていることは何ですか?
仁井田さん:取材先は全国ですが、どこでも必ず大切にしていることがあります。それは「思想」があるかどうかです。「これを残したい」、「復活させたい」という想いをお持ちの方を取材させていただいています。
私たちの動画では、過度な装飾や大きなテロップを使いません。それでも多くのフォロワーがいてくださる背景には、SNS動画に変化が現れているからだと考えています。
——変化というと?
仁井田さん:見る人の“価値観の移行期”にあるのではないかと思います。きちんとした本質的な情報を求めるユーザーが増えていると感じています。
——物の価値観にも通じますか?
仁井田さん:同じことが言えると思います。安いものを次々に消費するのではなく、“高くても良いものを長く使う”という思考に戻りつつありますね。
私たちの動画を見てくださる背景には、「価値のあるもの」を知りたいという欲求があると考えています。

直接会ってこそ見える、職人の価値観
——移住して何年目ですか?
仁井田さん:妻の故郷である村上市に移住して2年が経ちました。村上市や全国で取材させていただく職人の想いを間近で見ることで、理解が深まっていると感じています。
——取材時に印象的だったことはありますか?
仁井田さん:通常の売買には需要曲線と供給曲線があり、希少価値が高いほど価格も上がります。
しかし、職人の方々は違います。私たちから見ると、均衡点とは異なる価格設定がされていることが多いんです。「地元の人に使ってほしいから、1万円以下で売りたい」とおっしゃる方もいます。直接会って話を聞かなければ分からなかった感覚ですね。
——取材先はどのように選んでいますか?
仁井田さん:マーケティング支援業務でご一緒した方々から、ご紹介いただくことが多いです。
村上市でお世話になっている「千年鮭 きっかわ」さんのように、各地で精力的に活動されている方々が、思想を感じた人や物を紹介してくださいます。
村上市から全国へ。職人メディアの挑戦
——村上市で起業したメリットは?
仁井田さん:“地方に対する解像度が高まったこと”です。実際に住んでみて、人口の減少や空き家の増加速度を肌で感じています。
話で聞くのと実際に目にするのでは、問題に対する危機感がまったく違いますね。ローカル企業のマーケティング支援を行ううえで、非常に大きかったです。
——村上市で生活することで生まれた変化はありますか?
仁井田さん:長期的な視点で物事を見るようになりましたね。
「町や文化を残していく」ために、売上という縦軸ではなく、時間の横軸で考えるようになりました。この視点を持てたことは、大きな財産だと思います。
——最後に、今後の目標を教えてください!
仁井田さん:「yesterday_japan」で取材させていただいた工芸品を販売する“リアル店舗”を設けたいです。できれば村上市に。
そして、将来的には民間版の文化庁のような存在をつくり、圧倒的な取材量で「作る楽しさ」や「日本人の誇り」を世界中に届けたいですね。
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企業名:(株)中庸
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素敵な動画ね♪