『新潟人269人目は、新発田市にある「Finder Coffee」の店主・戸田健康さん。料理とコーヒー、日本酒の3本の柱を持つ戸田さんに、開店までの経緯や今後の展望を伺いました。温かく真摯にご対応いただき、ありがとうございました！』

料理と日本酒に導かれて新潟へ

——飲食業界への興味はいつから持っていたのですか？

戸田さん：小学生の頃から興味があり、本格的に意識したのは高校生の頃ですね。

大学卒業後は山形の銀行に就職しましたが、まったく性に合っていなくて…。割烹に再就職して、料理の道に入りました。

——新潟へはどのような経緯で来られたのですか？

戸田さん：料理の腕は割烹で磨けたのですが、「日本酒のことも学びたい」と思うようになりました。別の環境を考えたときに、大学時代を過ごした新潟が頭によぎったんです。

日本酒との関わりも深められると考え、新潟の海鮮居酒屋で働くことにしました。

——調理を担当したのですか？

戸田さん：もともとは料理人としての採用でした。しかし、「多能工(様々なポジションをこなせること)」という会社の方針から、調理場だけでなくホールにも立たせていただきました。

この経験が今の自分につながっていて、非常に貴重な時間でしたね。

コーヒーのピースフルな魅力

——コーヒーに興味を持ったのはなぜですか？

戸田さん：バリスタの妻がきっかけです。決定的だったのは、新型ウイルス禍で来店者が減ったタイミングですね。

お酒は控えられる一方で、コーヒーは良しとされる。そこに活路を見出した気がしました。

——それからコーヒー豆の販売を？

戸田さん：珈琲仲間数名と焙煎機を購入してマルシェに出店し、自分で焙煎した豆を販売するようになったのが「Finder Coffee」の始まりです。

——コーヒーの魅力はどんなところですか？

戸田さん：コーヒーの持つ“ピースフルな空気感”に惹かれました。妻が勤めているコーヒー豆問屋の社長が「やけ酒という言葉はあっても、やけコーヒーはない」と話していたのですが、本当にその通りだと思います。

「コーヒーを飲むときはいつも心が満たされている状態。だから、それを提供する側も幸せでなければならない」という言葉に強く共感しました。

——独立はいつから考えていたのですか？

戸田さん：常に「自分の店を持ちたい」と思っていました。飲食業は定年がないので、「一生続けるなら自分の城を持ちたい」と考えたんです。

料理と日本酒に、新しくコーヒーという武器が加わったことで、“チャレンジしよう”という気持ちがより強くなりました。

——なぜ新発田市に移転オープンされたのですか？

戸田さん：妻の故郷が新発田市で、子供をのびのびと育てたかったこともありますね。

“コーヒーを主軸にランチも提供する店”として移転オープンしました。

店名に込めた思い

——ランチも提供されているのですね！

戸田さん：「二十四節気暦ランチ」を提供しています。季節の野菜を主役に、ご飯と汁物を組み合わせた定食です。

家庭で再現しやすいメニューを中心に、2週間ごとに内容を変更して“食の楽しさ”を提案しています。

——Finder Coffeeという店名に込めた思いは何ですか？

戸田さん：コーヒーを主軸とするので、「Coffee」は決めていました。「Find」には2つの意味を込めています。ひとつは、コーヒー豆や食材、日本酒など、様々な違いを「見出し伝えたい」という思い。

もうひとつは、「苦労して進む」という言葉の意味を自分に重ねて“er”を付けました。

——取り扱うコーヒーの基準を教えてください！

戸田さん：お店のキーワードは「普段使い」です。特別な日だけでなく、“日常の中で気取らずに足を運べる場所”を目指していて、コーヒーも同じです。

香りや酸味が強すぎず、飲み続けられる味わいの豆を常時8種類ほどラインアップしています。

太らせたい3つの柱

——日本酒のイベントを定期開催されているのですね！

戸田さん：日本酒の持ち寄り会を2ヵ月に一度実施しています。本当はもっと頻繁に実施したいのですが、子供と過ごす時間も大切にしているので、このペースにしています。

——最後に、今後の目標を教えてください！

戸田さん：“料理、コーヒー、日本酒”の3つの柱を太くしていくことです。それぞれの柱をしっかり育てることで、お客様もより利用しやすくなると考えています。

ランチを楽しむ方、コーヒーでくつろぐ方、日本酒イベントを楽しむ方など、それぞれのファンを増やしていきたいですね。

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