【プロフィール】
長谷川 汐理(はせがわ しおり):新潟市江南区出身。新潟医療福祉大学で言語聴覚学を学び、卒業後の約3年間は、児童福祉施設で勤務する。小児の言語聴覚士として活動するため、独立して発達支援教室「ことばの海」を設立。言葉の発達に悩みを抱える方のケアを行っている。
『新潟人251人目は、発達支援教室「ことばの海」の言語聴覚士・長谷川汐理さんです。言語聴覚士を目指したきっかけや「ことばの海」についてなど、様々なお話を伺いました!笑顔でご対応いただき、ありがとうございました♪』
運命的な出会いから言語聴覚士の道へ
──言語聴覚士を目指したきっかけを教えてください!
長谷川さん:中学時代に通っていた塾の講師が、新潟医療福祉大学の言語聴覚学科に通っていた学生でした。先生の話を聞いて、“言語聴覚士”の存在を知ったのがきっかけです。
高校3年になって進路を決めるときに、ふと「言語聴覚士」を思い出したんですよね。それから調べていくうちに、「自分も言語聴覚士になりたい」と思いました。
──最初の就職先に「児童福祉施設」を選んだのはなぜですか?
長谷川さん:当初から「子供に関わる仕事がしたい」と考えていました。児童福祉施設の求人は元々少ないのですが、就活時期が新型ウイルス禍だったので、なおさら出ていませんでした。
先生からも「まずは成人の施設に就職して、転職するのも一つの案だよ」とアドバイスされたのですが、「小児で働きたい」という気持ちが強く、何とか就職できました。
──「小児」にこだわった理由は何ですか?
長谷川さん:大学の学科長が、「乳幼児の聴こえ」の研究をしていたのがきっかけです。言葉が話せない原因はいろいろあり、“耳が聴こえなければ言葉を話せない”ということが、私にとっては大きな気付きでした。
子供の分野は「聴こえ」だけでなく、「発音」や「きつ音」など、様々な問題があります。それを調べて行くうちに、“子供が大人になるまでの成長過程のケアに関わりたい”と思うようになりました。
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チャンスは今しかない!
──独立したきっかけを教えてください!
長谷川さん:前職の施設は、「そもそも言葉が話せない子」や「意思を表現できない子」など、根本的に“言葉を話すことができない”という子供が多くて、「言語聴覚士の知識を発揮できないこと」にもどかしさを感じていました。
──学んだ知識をより活かしたいと感じたのですね。
長谷川さん:ある日、発達障害の子供を持つ方が「どこに相談すればいいのか分からない」と言っていたんです。行政に相談してもなかなか療育に繋がらないという悩みを聞いて、「同じように悩んでいる方が実は多い」ということを知りました。
──言語聴覚士としてできることを考えられたのですね!
長谷川さん:言語聴覚士の活動を内容を調べたときに、「言語聴覚士が行うことばの教室」が多いことを知りました。東京や大阪などには何人かいたのですが、私が調べた限りでは新潟にはいなかったんです。
自分も「発達障害の子供を抱えるお母さんたちの相談場所になりたい」と思いました。
──独立に対して不安はなかったですか?
長谷川さん:正直、転職か独立かで迷っていたので、母にも相談しました。
「若いうちに挑戦してみて、ダメになったら辞めればいい」と言ってくれて、“チャンスは今しかない”と感じましたね。
一人ひとりにあわせた「オーダーメイド支援」
──「ことばの海」について教えてください!
長谷川さん:ことばの遅れや発達に関するお悩みなど、どんなことでも気軽に相談できる教室です。
ADHDや学習障害、その他の診断名をお持ちの方、病院に行きにくいと考えている方はもちろん、不登校や集団行動の困難さを感じている方、発達障害の特性や傾向が見られる子供や保護者様の相談も受け付けています。
──利用者さんの年齢層を教えてください!
長谷川さん:一番多いのは、幼稚園の年長から小学校低学年ですね。年齢制限を設けていないので、発音が気になる成人の方も利用されています。
それぞれ目的や悩みも異なるので、ひとり一人にあわせた「オーダーメイドの支援プラン」を組んでいるのも特徴です。
──初回では、ヒアリングをしてくれるのですね!
長谷川さん:初回のヒアリング内容をもとに、どういう方針で学習やレッスンをしていくかを決めています。
ことばの遅れがある人は、学習も遅れているケースが多くあります。実際に「勉強も見て欲しい」という親御さんからの声があったので、学習プランもセットにして“学校の勉強のサポート”も行っています。
──教室の特徴はどんなところですか?
長谷川さん:言葉のコミュニケーションに悩みを抱えている方に対して、“言語聴覚士が関わってあげられる”という点ですね。
病院などでも相談はできますが、そこまで対応してくれる病院は少ないと思います。気軽に相談できて、克服や改善できる専門性はかなり高いと自負しています。
──気軽に相談できる場所は少ないのですね…。
長谷川さん:少ないからこそ、私がそういう場所になりたいですね。小児の言語聴覚士は全国的に見ても少ないですし、その役割もまだまだ理解されていないと感じています。
当教室のことはもちろん、“言語聴覚士の役割”も知ってもらえるように発信していきたいです。
子供の成長を感じられる幸せ
──大切にしていることは何ですか?
長谷川さん:一人ひとりの悩みは異なりますし、発音の悩みを一つ取っても人それぞれです。その違いを即座に捉えてレッスンできるように、「瞬時の判断力」は意識していますね。
子供の利用者さんが多いので、伝わりやすい言葉の使い方や「やってみようよ」という声掛けで、子供が「やってみたい、できるようになりたい」と思ってもらえるようにと心掛けています。
──利用者さんとの印象に残るエピソードはありますか?
長谷川さん:ひらがなが得意でない利用者さんが、絵を描いていたところに「せんせい」と字を書いていたんです。長い期間見ていた生徒だったので、字が書けるようになっていて本当に嬉しかったですね。
他にも、字が苦手だった子が手紙を書いてくれたり…、利用者さんが自信を持てるようになっていく姿にやりがいを感じます。
──最後に、今後の目標を教えてください!
長谷川さん:まずは、目の前の利用者さんのお悩みを軽減していきたいです。同時に、“たくさんの方に言語聴覚士を知ってもらい、目指す人が増えたらいいな”と思いますね。
──少しでも悩みを抱えている方は、気軽に相談してほしいですね!
長谷川さん:「話し方が幼い」、「吃音で悩んでいる」、「2、3歳になっても言葉が出ない」などで悩んでいる方は、ぜひ一度相談していただきたいですね。
「どこに相談していいかわからない」という方も気軽にお問い合わせください!
【発達支援教室 ことばの海】
住所:新潟市中央区高美町4番14号 ホーミーハウス103
電話:080-1030-0828
営業時間:月~日曜日9:00~19:00(最終コマは18:00>
※完全予約制
公式ホームページ
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悩みを抱えている方は気軽に相談してみてほしいわ…!