【プロフィール】
本間 優(ほんま ゆう):新潟市出身。幼少期からピアノを学び、新潟大学・教育人間科学部音楽表現コースに進学する。大学院を修了後、新潟市内を中心に演奏活動を行う傍ら、ピアノ教室を主宰。「りゅーとぴあアウトリーチ事業」第3期登録アーティストとしても活動し、現在は新潟県立大学非常勤講師も務める。
『新潟人242人目は、ピアニストの本間優さんです。新潟市内を中心に活動する本間さんがピアノを始めたきっかけをはじめ、恩師との出会いや3月に行うリサイタルについてお話を伺いました。笑顔でご対応いただき、ありがとうございました!』
人生を変える恩師との出会い
──ピアノを始めたきっかけは何ですか?
本間さん:幼稚園の頃に友達がピアノを弾く姿を見て、「私も弾きたい」と思ったのがきっかけです。
音楽関係者は親も音楽に携わっている場合が多いのですが、私は音楽とは無縁の両親のもとに生まれました(笑)。
──幼い頃からピアノを続けているのですね!
本間さん:しかし、近所のピアノ教室で習い始めてから半年ほど経った頃、父親の転勤で教室を変えることになったんです。
そこで出会った先生から受けた影響が本当に大きくて、「今の私があるのは先生のおかげ」だと思っています。
──どのような影響を受けたのですか?
本間さん:「長い目で見て、自立してピアノを弾いていけるようになるにはどうしたらいいか」を教えていただきました。本当に素敵な先生で、高校卒業まで師事しましたね。
──大学は教育学部に進学されたのですね!
本間さん:先生の勧めで音楽科の高校ではなく、普通科で勉強と両立しながらピアノを学びました。
演奏家の多くは音大に進学しますが、私は県内の大学(教育学部)へ進学し、学生時代から少しずつ演奏や指導する活動をしていました。
──コンクールで初めて入賞した時はどんな気持ちでしたか?
本間さん:高校3年で初めて入賞した時は、本当に嬉しかったです。私は不器用なので、なかなか結果を出すことができず、焦りや不安で自分を見失うこともありました。
そんな時に、先生から「結果に囚われずにやるべきことをやりなさい」と厳しく言われて、自分自身と向き合うことを教えられましたね。地道な努力や練習が実を結び、コンクールでもいい結果が出るようになりました。
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新潟を拠点に音楽を伝える
──「新潟で活動したい」という思いがあったのですか?
本間さん:「首都圏で活動したい」という考えはあまりなかったですね。大学の先輩も新潟で活動している方が多かったので、その流れに乗っていければいいかなと思っていました。
──「りゅーとぴあアウトリーチ事業登録アーティスト」について教えてください!
本間さん:新潟出身・在住のアーティストであることが応募条件です。演奏家としての展望が見えなくなっていた時期に、りゅーとぴあ館内を歩いていたら募集要項が目に入って…。
「自分にぴったりだ」と思ってすぐに応募し、第3期登録アーティストになることができました。
──アウトリーチ事業への参加は大きな転機になったのですね。
本間さん:私は全国的な大きなコンクールにも出ていなくて、華々しい経歴がないのが悩みでした。
オーディションに合格した時は、「地方でもピアニストとして活動していけるのかもしれない」と道筋が見えた気がしましたね。
──任期を終える前に行うリサイタルはどうでしたか?
本間さん:初めてのリサイタルだったので、演奏後は「演奏家として大きな一歩を踏み出せた」という実感がありました。
リサイタルは“強い覚悟と血の滲むような準備が必要”で、それを経験できたのは大きかったですね。
「音楽って素晴らしい!」
──指導者としても活動されているのですね!
本間さん:これまでに師事した先生方を尊敬し、自然と「自分もそうなりたい」と強く思っていました。
“指導者とピアニストは同じベクトル上にいるもの”という認識だったのですが、それは稀なことであると気づきました。本当に師に恵まれたと思います。
──指導する上で大切にしていることを教えてください!
本間さん:“指導者の導き方次第で、生徒の運命が変わる”と考えています。
「ピアノを弾くことが、自分自身を表現する一つの方法」になるように、“その人にとってどんな導き方が最適なのか”を意識していますね。
──一人ひとりに寄り添った指導をされているのですね!
本間さん:子供たちにとって、習い事の先生は親や学校の先生とはまた違う「第三の大人」だと思うんです。ピアノ以外でも寄り添って、“信頼関係を築く”ことも心がけています。
教え子の中には、音大や幼児教育科に進学した子もいますし、それぞれの人生の中でピアノが生かされていると感じます。
──演奏家として印象に残っているエピソードを教えてください!
本間さん:演奏会を聴きに来てくれた友人が「ピアノの音は、人によって全然違うんですね」と感想をくれたことがありました。
私をきっかけにコンサートへ足を運ぶようになり、“同じ楽器でも演奏者によって個性があること”に気付いてくれたことが嬉しかったです。「音楽を好きになるきっかけ」になりたいと思いましたね。
──ピアノを演奏する時に大切にしていることは何ですか?
本間さん:数多くの演奏家がいる中で、“本間優”を知ってもらうために、「自分がどう考え、どう感じて、曲を弾いているのか」を演奏で表現することです。
クラシック音楽は再現芸術なので、ピアニストは既に存在する作品を演奏することになります。時代や形式、作曲背景を考慮しながら、“どこが頂点なのか、それはなぜなのか”などを論理的に考えています。
──ピアノの演奏で個性を出すのは難しそうに感じます…。
本間さん:そうですよね。でも、ピアニストによって出てくる音が違うので、その違いも楽しんで欲しいですね。色々なピアニストの演奏を聴き比べするのもおすすめです。
──最後に、今後の目標を教えてください!
本間さん:直近では3月のリサイタルを成功させることです!地域アーティストの一人として命を削って演奏しているので、その煌めきを聴き届けていただけたら嬉しいです。
そして、ピアノを弾き続けたいですし、いつかオーケストラをバックに弾けるように頑張りたいと思います。


【本間優 ピアノ・リサイタル-続オール・ベートーヴェン-】
開催日時
2025年3月14日(金)19:00~20:45(開場:18:30)
会場
りゅーとぴあ スタジオA
チケット
全席自由:2,500円
【チケット取扱い】
・りゅーとぴあ2階インフォメーション
・㈱新潟ピアノ工房
・PassMarket(電子チケット)
主催
本間優ピアノ・リサイタル実行委員会
お問い合わせ
本間優ピアノ・リサイタル実行委員会
mail:hommayupiano@gmail.com
電話:050-3631-1621
私もリサイタルに行ってみようかしら♪