【プロフィール】
古川 みなみ(ふるかわ みなみ):上越市頚城区出身。子育てをしながら、フリーランスとして様々な企業の広報やSNS運用代行を行う。2024年5月に寄付型書店「めぐる本屋」をスタートし、9月からは西堀ローサに常設店をオープン。趣味はラーメン食べ歩きと、アルビBBなどのバスケ観戦。
『新潟人227人目は、「めぐる本屋・代表」の古川みなみさんです。広報やSNS運用のお仕事をしている古川さんが、寄付型書店を立ち上げたきっかけとは…?「めぐる本屋」に込められた想いと未来への展望をお伺いしました。素敵な笑顔で取材に応じてくださり、ありがとうございました!』
本を通して人々のつながりを育みたい
──「めぐる本屋」とはどのようなお店なのですか?
古川さん:「めぐる本屋」は、“寄付された本を誰でも無料で持ち帰られる寄付型書店”です。全国から本を寄付していただくことで運営しています。
──本を販売するお店ではないのですね!
古川さん:本を購入して読んだら終わりではなくて、次の読者へ本が巡っていく、“地域の読書文化と人々のつながりを育むお店を作りたい”と思ったんです。
また、なかなか本を買えないご家庭のお子さんに、本を手に取ってもらえる「子ども食堂の本屋さん版」にもなれたら嬉しいですね。
──本に付いている「しおり」も素敵ですよね。
古川さん:寄付してくださった方に、「しおり」を作ってもらっているんですよ。“寄付した本への想いやエピソードをしおりに書いてもらう”ことで、温かい交流が広がることを目指しています。
──利用者の反応はいかがですか?
古川さん:本を受け取った方からは「無料でもらっていいんですか?」と驚かれつつも喜ばれたり、「小さいころに読んでいた絵本で懐かしい」「子供が好きなジャンルがあってうれしい」といった感想をいただいています。
──本が巡っていく様子が目に浮かぶようですね!
古川さん:本を寄付していただいた方からも、「自分の本が他の人の人生に繋がっていくと思うとワクワクする」「処分しようと思った本を役立ててもらえるのが嬉しい」といった声もいただいています。
寄付を受ける方・寄付をされる方のどちらにも喜んでいただけて、私もとても嬉しいです!
地域の本屋の閉店をきっかけに決意
──『めぐる本屋』を立ち上げたきっかけを教えてください。
古川さん:子供とよく通った思い出の本屋が閉店し、“地域で本屋が減少する現状に危機感を抱いた”ことがきっかけです。
──全国的な大きな課題ですよね。昔から読書が好きだったのですか?
古川さん:小さい頃から本が好きで、「いつか本に関わる仕事をしてみたいな〜!」とも思っていました。
さらに、「使われなくなった電話ボックスに本を置き、図書館にする」というイギリスのニュースを見て、小規模な書店の運営をしたいと思ったんです!
──海外のニュースからヒントをもらったんですね!すぐに始めることができたのですか?
古川さん:やはり、「自腹で本を大量に購入するのは厳しい…」というのが現実でした。
でも、ペイフォワード(先払い型の寄付)の仕組みを導入し、“寄付された本が次の読者へ循環するモデル”を取り入れれば、負担なく本屋が始められるとひらめいたんです!
──ペイフォワードとはどういった仕組みなのですか?
古川さん:メジャーな事例としては、「ペイフォワード・コーヒー」というものがあります。“余裕のある人が自分のコーヒーを買う時にもう1杯注文し、その1杯は見知らぬ誰かにごちそうする”というものです。
寄付型書店である「めぐる本屋」の構想の基本にもなっているんですよ。
──様々なところからアイディアの着想を得ているのですね。
古川さん:アイディアとして構想はあったものの、当初は具体的な出店方法が分かりませんでした。
そんな中、“新潟駅前の一角を無料貸し出しする募集”を偶然見かけて、すぐに応募してみたんです!
──すごい行動力ですね!反響はいかがでしたか?
古川さん:初めての利用者は、赤ちゃんと小学生低学年くらいの女の子で、『しろくまちゃんのほっとけーき』を選んでくれました。
“お姉ちゃんが赤ちゃんに読み聞かせてあげるのかな”と思うと、とてもほっこりしました。私自身も好きな絵本なので印象に残っています!
──子供達が喜んでくれるのは嬉しいですね!
古川さん:ほかにも、ご高齢の男性がInstagram運用の本を手にしたり、女子高生の方が「もっと成長したいから」とビジネス書を持ち帰る姿も印象的でした!
“年齢に関係なく学ぶ姿勢”に感動を覚えました。
ラジオ番組出演から常設店のオープンへ
──イベント出店をしながら、常設店の場所探しもされていたのですか?
古川さん:「めぐる本屋」は収益がほぼ無いため、賃料をお支払いしての出店は難しく、常設店舗を見つけるのは困難でした。きっかけとなったのは、“ラジオ番組への出演”です。
──ラジオ番組へ出演されたのですね!
古川さん:ラジオ番組「NAMARA MIX(FM-NIIGATA)」に出演させていただきました。その際に、MCの江口歩さんから西堀ローサの「よろっtoローサ」をご紹介していただき、常設店のオープンが実現しました!
──今後はどのような活動をされるのですか?
古川さん:今後は、さまざまなお店にご協力をお願いし、“数冊ずつ本を置く形で、小規模な常設出店を広げていきたい”と考えています。
──色々な戦略がありそうですね。
古川さん:「イベント出店」のほかにも、「SNSでの情報発信」や「メディア取材」を通して、寄付型書店の活動を広げたいです。
“より多くの方に本を届ける新しい取り組み”にもどんどんチャレンジしたいと思っています!
──どのようなことにチャレンジされるのですか?
古川さん:「ブックバス」のような移動型の寄付型書店を作り、“本屋さんの無い地方や離島にも本を届ける”ことが目標です。クラウドファンディングを活用して資金を集めて、仕組みを整えていこうと考えています。
こうした挑戦を通じて、「本が巡り、誰もが読書を楽しめる環境」を広げていきたいです!
──素敵な挑戦ですね!最後に、ガタチラをご覧の方へのメッセージはございますか?
古川さん:西堀ローサ よろっtoローサ内の「めぐる本屋」にぜひお立ち寄りください!無料で本をお持ち帰りできるので、読書を楽しんでいただければうれしいです。
また、本の寄付も大歓迎です。“皆さまのご協力とご来店が新潟の読書文化をさらに広げていく力”になると信じています。
めぐる本屋のSNSのフォローも、ぜひよろしくお願いいたします!
【めぐる本屋】
住所:新潟市中央区西堀前通6番町894-1 西堀ローサ内「よろっtoローサ」
営業時間:月・火・木・金 12:00〜17:00、土・日・祝日 10:00〜19:00
定休日:水曜日(西堀ローサの休業日に準ずる)
公式X:https://x.com/meguru_books/古川さん個人https://x.com/suikasu123
公式Instagram:@meguru.books
目標に向かって一歩一歩進んで行く姿が素敵ね!お店にも行ってみたいわ♪