【プロフィール】
本間晃(ほんまあきら):1964年生まれ。東京のスーパーで修業を積んだ後、1986年に家業の「ほんま商店」に戻る。35歳のときに4代目店主となり、角打ちスペースを発案した。
本間優治(ほんまゆうじ):1997年生まれ。製菓専門学校を中退し、「ほんま商店」に就業。5代目店長として奮闘中。
『新潟人222人目は、新発田市にある『ほんま商店/角打ち居酒屋ほんゆう』の本間晃さんと優治さん。大正末期から続くお店の一角に「角打ち居酒屋ほんゆう」をオープン。目玉メニューの刺身定食が評判となり、今では行列のできる人気店に。オープンのきっかけや目玉メニューの誕生秘話を中心にお話を伺いました』
5代続く店の始まりは“よろず屋”
——創業当時はどのようなお店だったのですか?
晃さん:創業は大正末期と聞いていて、昔で言う「よろず屋」だったそうです。お店の裏には「中川小学校」があったので、文房具や運動靴、田植え用の長靴などがありました。日本酒や豆腐などの食材も扱っていましたよ。
——高校卒業後は東京で働いていたのですね!
晃さん:高校卒業後は、東京に本部のあるスーパーに務めました。魚を学ぶ為に鮮魚部を志望し、3年ほど修行しました。
——新潟に戻られた理由を教えてください!
晃さん:本当はもっと東京で働きたかったのですが、「戻ってこい」と言われ…。戻ってきたタイミングに店を建て替えたので、店の引っ越しや仮店舗の準備で本当に忙しかったですね(笑)。
——当時は3代目が店を仕切っていたのですか?
晃さん:そうですね。私は魚を捌くことくらいしか分からなかったので、父親や前職の先輩などに教わりながら、“経営”を学んでいきました。
——晃さんが店主になったきっかけを教えてください!
晃さん:父親から「代表をやれ」と言われたんです。徐々に仕事を引き継ぎ、40歳のときに4代目店主になりました。当時は、お客さんからのニーズがたくさんあった“日本酒”に力を入れていたんです。
新型ウイルス禍に新たな挑戦
——「角打ちスペースほんゆう」を作った経緯を教えてください!
晃さん:2階に宴会対応のスペースがあるのですが、新型ウイルス禍になって営業ができなくなり、物販部門のお客さまも激減しました。「何か策を練らないと商売を辞めることになるかもしれない」と考えたのがきっかけです。
——それでスペースを区切って始めたのですね!
優治さん:最初はパスタやオムライスといったカフェ的なものでした。しかし、実際に来店するお客さまを見ると、“メニューと一致していない”と感じました。
晃さん:目玉メニューが必要と考えて、「刺身定食」を提案したのですが、家族は猛反発で(笑)。「もっと簡易的なもので十分じゃないか」と言われました。
しかし、“それでは店の存続は難しい”と私の意見を通す形で、限定メニュー(2022年12月~)として「刺身定食」を始めました。
——今では一番の人気メニューですよね!
優治さん:お店のInstagramに刺身定食の写真をアップしたら、プチバズリしまして…。
晃さん:それからじわじわと口コミでも広まり、刺身定食を目当てに来店するお客さまで席が埋まるようになりました。でも、失敗したんですよね…。
——何を失敗されたのですか?
晃さん:“価格設定”です。数量限定の目玉メニューだったので、分かりやすく“1,000円”にしたんです。しかし、需要が高まったことで限定メニューではなくなり、しかも、ご飯は食べ放題にしていました。
宣伝も兼ねての価格と思っていたのですが、フードファイターの方々がやってくるようになって…。少しずつ価格(現在1,500円)を変えて、おかわりも一杯までに変更させていただきました。
“おいしい刺身とご飯でお腹いっぱい”
——刺身の盛りがいいですよね…!
晃さん:昨今、魚を食べる機会が減ってきていると思うんです。この周辺では魚を提供するお店は珍しかったので、「せっかくならおいしいコシヒカリで、おいしい刺身をお腹いっぱい食べてもらいたい」という思いから、この盛りになりました。
——魚はどこで仕入れているのですか?
晃さん:ほぼ毎日、問屋さんに出向いて仕入れしています。これは鮮魚部での経験が活きていると思いますね(笑)。
——物販部門(スーパー)では“木曜日に販売される特製スイーツ”も人気ですよね!
晃さん:角打ちスペースを始めるときに、子どもたちが「スイーツを出してみたい」と言ったのがきっかけでした。改装するときに調理器具も一緒に新設し、従来よりも幅広いものを作れるようにしました。
優治さん:どんなスイーツを作るかは、相談して決めています。手作りなので大量生産はできませんが、“体に優しく、安心して食べられるもの”を心がけています。
——奥さんが作る惣菜も人気ですよね!
晃さん:そうですね。お昼を食べ終えた方が惣菜を購入していく姿を見ると、“いい感じで循環している”と嬉しく感じます。
優治さん:これからも「地元の方を中心に愛していただけるお店」になれるように努力したいと思います。
【リカー&フーズほんま/角打ち居酒屋ほんゆう】
住所:新発田市川尻43-4
電話:0254-22-3307
営業時間:リカー&フーズほんま8:00~20:00/角打ち居酒屋ほんゆう11:00~14:00、17:00〜20:00
定休日:火曜日
駐車場:有
公式Instagram:@honmaya3307
刺身定食の盛りの良さに驚きだわ!私も行ってみましょう♪