【プロフィール】
川上純一(カワカミジュンイチ):長岡市出身。長岡造形大学を卒業後、全国チェーンの飲食店へ就職し、各地を転々としていた。妻の出産をきっかけに脱サラし、キッチンカー「さんきゅう♪オムライス」をスタートする。
川上美樹(カワカミミキ):新潟市西蒲区出身。大学で純一さんと出会う。卒業後は音響照明の仕事や飲食店のスタッフなどを経験し、純一さんとキッチンカーをスタートする。現在は新潟市・三条市・見附市・長岡市など県内各地に出店している。
もっと子供との時間を大切にしたいと脱サラ
──お二人の出身と出会いを教えてください。
純一さん:長岡市出身です。大学卒業まで長岡市で過ごしました。妻とは長岡造形大学で出会い、4年生の頃から付き合い始めました。
美樹さん:私は新潟市西蒲区中之口の出身です。のどかな田舎ですね。主人とは大学の同級生でお互い環境デザインを学んでいました。
──飲食業の道に進まれたのはなぜですか?
純一さん:大学時代に飲食店でアルバイトをしていて、「料理でこんなに笑顔になってくれるって幸せな仕事だな」と感じていました。そして、就職の際に出会った飲食店の社長の話が胸に響き、ここに骨を埋めようと思いました(笑)。
美樹さん:主人が働くお店は全国チェーン店だったので、私も一緒に各地を転々としていました。長岡市に戻ったタイミングで娘を授かったのですが、朝は娘が起きる前に出勤し、寝た後に帰ってくるのが普通でした。もっと子供との時間を大切にしたいと考える中で、主人は仕事を辞める選択をしました。
──キッチンカーを始めたきっかけは何だったのですか?
美樹さん:この先の事を考えていく中で、キッチンカー販売をしていた兄に「やってみる?」と言われた事がきっかけでした。結婚当初から2人でお店をやりたいと考えていたので、キッチンカーなら初期投資も少なく、私達の理想を少しずつ形にできると思ったんです。
『食べるって楽しいよね』
──「さんきゅう♪オムライス」の名前の由来は何ですか?
純一さん:「thank you(ありがとう)」という意味もありますが、「三条」の「さん」、「販売者」と「生産者」と「お客様」の「三者」の縁を繋ぐという意味があります。「円(〇)」と「縁」をかけて、「円(〇)」が一杯になると「球(きゅう)」になるという意味で「さんきゅう」としました。
──メニューをオムライスにした理由は何ですか?
美樹さん:“娘が楽しそうに食べてくれたから”ですかね。娘の小さい頃、栄養を摂ることばかりに気を取られて「今日もあまり食べさせられなかった…」と、いつの間にか憂鬱な時間になっていました。ある日、気分を変えてオムライスを創ったんです。そしたらスプーンが進む進む♪娘も楽しそうで。そうよね、楽しく食べるって親も子も大切だよね、って。それが決め手でした。
純一さん:オムライスはとても栄養のバランスが良いんです。「さんきゅう♪オムライス」のソースには旬の野菜をたくさん取り入れて、親の目線からも喜んで食べさせたいと思えるように作っています。
──オムライスのこだわりを教えてください!
純一さん:バランスですかね。あと、娘が「美味しい!」と言ってくれるもの。オムライスにはケチャップライスではなく、昆布出汁で炊いたご飯を使用しているので和風なんです。そこに、県産野菜を中心に具だくさんのソースを合わせています。卵はツバメファームさんの卵を使わせてもらっています。出来立てを提供する事にこだわっているので、注文を受けてから作っています。やっぱり目の前で作ってくれるって楽しいじゃないですか♪
──メニューは純一さんが考えられているのですか?
純一さん:妻からアドバイスをもらいながらメニューを考えています。お客様はお子さん連れの女性が多いので妻の感覚は大事ですね。
お客様からの反応がキッチンカーの魅力
──実店舗を持つ計画はあるのですか?
純一さん:今のところは考えていません。10年後は分かりませんが、今はキッチンカーの面白さにはまっています(笑)。
──キッチンカーの魅力はどんなところでしょうか。
純一さん:お客様の反応をダイレクトで受け取れるところですね。SNSで「美味しかったです」とメッセージをいただくこともあり、そういった声をいただけることが嬉しいです。
美樹さん:主人は「お客様が喜んで食べている姿を見るのが幸せ」とよく言います。キッチンカーなら出来上がるまでお客様と直接お話ができ、お客様がダイレクトに愛を伝えてくださるのでとても幸せです。
──出店場所は三条市(ただいまーと)が中心ですか?
純一さん:三条市が多いですが、他にも見附市や長岡市、新潟市にも出店しています。以前はイベントがある土日がメインでしたが、昨今のコロナ禍でイベントは少なくなったので、平日の定期出店を中心にしています。おかげで子供達との時間が増えました。
──お客様はリピーターが多いですか?
純一さん:ありがたい事にリピートしてくれるお客様が少しずつ増えてきているなぁと感じます。混雑時はお客さんとお話しできない時もありますが、一人ひとりのお客さんとのつながりを大切にしていきたいと思っています。
──お客様との印象に残るエピードを教えてください!
純一さん:「家族にも食べさせたいのでお土産に買っていきます」とか、「うちの地元にも出店してください。家族にも食べてもらいたいんです」と言ってもらえることが徐々に増えてきたので、活力になっています。
美樹さん:「トマトが苦手な子供がさんきゅうさんのオムライスだと食べてくれた」と何度も来てくださるお客様がいて、そうした言葉を聞くと「自分たちのやっている事が役に立った」と思えて嬉しいです。劇的なエピソードはありませんが、そういう小さな出来事が積み重なり、ここまでやれています。
新しい夢に向かって
──挑戦したいことを教えてください!
純一さん:新メニューの開発や自家製ソースの販売ですね。あと、僕自身は料理の知識がまだまだ足りないので、もっと勉強して深めていきたいです。
美樹さん:とにかく地道に続けていきたいですね。あとは私もそうですが、子育て世代の親御さん向けに「食と絵本の読み聞かせイベント」をしたいです。例えば、オムライスが題材の絵本を読み、そのオムライスを親子で実際に作ってみるなど、親子で楽しめるイベントをしたいなぁ、とワクワクしながら考えています。
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取材日に出店していた「ただいまーと」さん。確かな品質の農畜産物が豊富に揃った直売所エリアには農作物や加工品、花、精肉など様々な商品が並んでいます。店内にはジェラートや軽食ランチなどのイートインコーナーもあるのでお買い物ついでにゆったりと過ごしてみてはいかがでしょうか。
【ただいまーと】
住所:三条市福島新田丁634
営業時間:9:30~18:00
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素敵なご家族ね!子供も大人も喜ぶオムライスを食べてみたいわ~