プロフィール
田巻華月(タマキカツキ):鹿児島県出身。アナウンサーを目指し、東京の大学へ進学。卒業後、アナウンサーとしてKKB鹿児島放送へ入社。出産を機に、同社の社長秘書としてキャリアを積む。21年間の勤務を経て、夫の転勤に伴い、新潟へ移住。現在は、フリーアナウンサー(UX新潟テレビ21ニュース担当)やビジネスマナー講師として活動。
アナウンサーになるまでの26転び27起き
──アナウンサーを目指されたきっかけを教えてください。
田巻さん:アナウンサーを目指したのは高校生の時です。「この文章を読んでください」と先生に当てられた時に、すらすらと読むことができず、悔しかったことがきっかけです。それから“読むこと”に執着するようになり、アナウンサーを目指しました。
──アナウンサーになるのは狭き門ですよね…。
田巻さん:当時は「アナウンサーブーム」で、その倍率はキー局で数千倍でした。アナウンサー試験だけを受け続け、26社落ちました。「私を必要としてくれる放送局が必ずある」と言い聞かせて、27社目の鹿児島放送にご縁をいただきました。
──諦めずに受け続けたのですね。
田巻さん:大学2年生の時に父の事業が立ち行かなくなり、大学を辞めなければならない事態に陥りました。その時に、大学が返済不要の奨学金という形で救ってくれました。だからこそ、何が何でも「アナウンサーにならなければ」と思っていましたね。
アナウンサーから社長秘書へ
──アナウンサーから社長秘書になった経緯を教えてください。
田巻さん:鹿児島放送内の女性管理職の育成ということで、出産を機に総務部に異動し、社長秘書になりました。アナウンサーになりたくて入社したので、他部署に異動するとは思いもしませんでしたし、知識も経験もなく、ゼロからのスタートでした。仕事をしながら、独学で秘書技能検定1級も取得しました。その後は、採用試験や社員教育にも携わりました。
──新潟に移住されてからは、再びアナウンサーとしても活動されてますね。
田巻さん:鹿児島放送とUX新潟テレビ21は、テレビ朝日系列で横のつながりもあります。社員同士の情報交換から、新潟に移住後、UXにご挨拶に伺うことになりました。「遊びにきてください」と言われたので行ってみると、いきなり、スタジオでニュース原稿を読むテストがあり、面接もありました(笑)。
──いきなりの面接は驚きですね(笑)。
田巻さん:そうですよね。ありがたいことに採用のお話をいただいたのですが、アナウンサーの仕事が日曜日だったので、子供もまだ幼かったこともあり、悩んでいました。夫に相談すると「新潟でもアナウンサーの仕事をしたかったんだからやってみれば?」と背中を押してくれたので、お引き受けすることにしました。そして、早11年です(笑)。
──ビジネスマナーの講師もされているのですね。
田巻さん:新しいことを始めたいと考えていた時に、敬和学園大学が秘書検定対策の講師を募集していたので挑戦しました。敬和学園大学では、秘書検定対策を兼ねた「ビジネスマナー講座」、新潟医療福祉大学では「日本語表現法」の授業を担当しています。敬和学園大学では、秘書検定2級・準1級を取得したい学生を対象としています。大学の授業としては、かなり珍しいですよね。社会に出ていない学生たちには少々難しいので、生半可な気持ちでは取得できません。時間厳守や日頃のマナーなど口うるさいので、私の授業は厳しいと思います。しかし、社会人としての常識やマナーを身に付けることは大事ですし、社会に出た後に分かってくれると信じています。ただ、厳しくしつつも、飽きないように楽しい授業を心がけていますよ(笑)。
就活生から指導者を支えるビジネスマナー本
──2021年7月にビジネスマナー本を出版されましたが、経緯を教えてください。
田巻さん:2017年に『「秘書力」で人生を変える!』を出版し、今回2作目となる『安心と自信を手に入れる!ビジネスマナー講座』を出版させていただきました。1作目を書いた時に、大変すぎて「しばらく本は書かない…」と言っていたのですが(笑)、ありがたいことにお話をいただいたので執筆することを決めました。しかし、1作目よりも更に大変で、2年かかりました。
──『安心と自信を手に入れる!ビジネスマナー講座』はどのような内容ですか?
田巻さん:「これが知りたかった!」という基本から応用までを網羅しているビジネスマナー大全のような本です。私も大学の授業でテキストとして使用しているので、「教科書」としても活用していただけると思います。「何を覚えるべきかわからない」就活生や新社会人から、「こんなときは?」と迷う指導者の方にもお役に立てる内容です。これまで多かった質問や現場の声を交え、イラストでも説明しているのでより分かりやすい内容になっていると思います。ぜひ、多くの方に手に取っていただきたいですね。
当たり前のことに感謝
──印象に残るエピソードを教えてください!
田巻さん:私は、死にかけた経験が一度あるんです。アナウンサー5年目の時に、「生きているのが奇跡」と言われるほどの大事故に遭いました。自動車事故だったのですが、事故の瞬間、走馬灯のように色々なことが駆け巡ったほどです。幸いなことに顔に大きな傷ができなかったことも、3ヵ月後には復帰できたことも、医師からは「奇跡だ」と言われました。左足には後遺症が残りましたが、それからは、“生きてるだけで丸儲け”だと思っています。生きていることを実感し、当たり前のことに感謝する毎日です。
──今後の展望や挑戦したいことを教えてください!
田巻さん:60歳頃を機に海外留学をしたいと思っています。夫も息子も海外生活を経験しているのですが、私だけ一度もないんです。海外一人旅は好きで旅行ばかり(笑)。でも、実際に住んでみないと分からないこともありますよね。出版物も2作目で、まだ本物の作家にはなれていないので、多くのことを学びたいです。生かされているうちは、前を向いて様々なことに挑戦していこうと思います。
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「当たり前のことに感謝」ってその通りよね。ビジネスマナー本は、改めて勉強になるわ~