プロフィール
小畑 宏樹(おばた ひろき):上越市で生まれ、小学校へ上がると同時に新潟市へ引越し、高校時代まで新潟市(旧小須戸町)で過ごす。高校卒業後は、東京大学工学部 都市工学科へ進学し、街づくりを学ぶ。2017年にNSGグループへ入社し、本部へ配属。2年目は株式会社峰村商店に配属、3年目から株式会社古町糀製造所に配属となり、通信販売の受注管理及び販促、商品開発などの業務全般を任されている。
大好きな新潟で働きたい
――小畑さんの生い立ちや趣味などについて教えてください。
小畑さん:母方の生家が上越市だったこともあり、生まれは上越市です。両親共働きだったので幼少期は祖母に育ててもらいました。小学校に上がるタイミングで父の生家がある新潟市(旧小須戸町)に引越し、高校卒業までの期間を過ごしました。
――大学は東京大学に進学されたのですね!
小畑さん:そうです。新潟明訓中学校・高等学校に通っていたのですが、私が小学校を卒業するタイミングで中高一貫になり、縁あって1期生として入学しました。勉強を頑張る人たちを集めたコースだったので、中高6年間を通して受験勉強はかなり頑張っていました。おかげで東京大学に進学できたと思います。
――元々勉強は好きだったのですか?
小畑さん:大好きでしたね。いわゆる「ガリ勉タイプ」でした(笑)。
――進学された「都市工学科」では、どんなことを学ばれたのですか?
小畑さん:そもそも「都市工学科」という学科がある大学が少ないんですよね。建築学科と近いカテゴリになるのですが、道路や鉄道を作るインフラや景観の保全活動などの取り組み、商店街のコミュニティなど町の中で生活する人たちがどういった結びつきを持って生活しているのかを研究対象にしていました。メジャーな分野ではないのですが、私たちが生活する街という空間を多面的な切り取り方をするようなことを学んでいました。
――大学で学ぶ中、目指していた職業はあったのですか?
小畑さん:当時は特になかったです。この学問分野の世界にいると、国土交通省や都道府県庁などの行政や民間の不動産デベロッパー、建設会社などに就職する人がほとんどでしたが、これからは単に建物やインフラを造る時代ではなく、行政の立場だとできることも限られてくるので「違うな」と思ったんです。また、生まれ育った新潟が好きだったので、新潟で働きたいとぼんやり考えていました。そういったことを前提に置きながら就職活動はしていました。
「新潟県を世界一豊かなまちにする」という言葉に惹かれて
――就職活動をする中で「NSGグループ」と出会ったのですね。
小畑さん:東京で開催されていた新潟県内企業の合同企業説明会で知りました。それまで「NSGグループ」は全く知らなかったです(笑)。その説明会で「NSGグループ」の事業の多さに興味を持ち、トップである池田代表の志も高く「新潟県を世界一豊かなまちにする」という言葉にとても共感し、入社を決めました。
――入社されてからはどんなことをされていたのですか?
小畑さん:入社1年目は本部の部署に配属となり、2年目からは峰村商店という味噌屋さんに籍を置き、販売に関する業務や商品開発などを担当しました。その後、3年目に古町糀製造所に配属となり、2年が経ちます。広報関係や商品開発、営業活動など業務全般を行っています。
――古町糀製造所の甘酒の魅力を教えてください!
小畑さん:もちろん、「美味しい」というのは大前提にあります。2つポイントとしてあるのですが、1つが「甘さがくどくない」という点です。甘酒は商品によって甘さが少し喉に残ることがあると思います。古町糀製造所の甘酒は、“すっきりした喉に残りにくい甘さ”であるのが特徴です。もう1つは、“口当たりがなめらか”であることです。商品にもよりますが、粒が残っているタイプの甘酒もありますよね。好みの問題なのですが、粒が残っているタイプの甘酒に対してひと手間加えて粒を潰して作っているので粒感のないなめらかな口触り、舌触りが特徴です。
――確かに、すっきりとした甘さにとてもなめらかな口当たりですよね。
小畑さん:甘酒が苦手な方も飲みやすいという評価をいただくことも多いです。プレーン以外に様々な種類がありますが、それが普通の甘酒より飲みやすいんですよね。甘酒が苦手な方には糀の香りが苦手な方が多いのですが、フレーバーを混ぜることで気にならなくなります。これなら飲めるという方も結構いらっしゃいますね。
――木苺、トマト、ほうじ茶など‥・、種類豊富で選ぶのも楽しいですね!
小畑さん:それがお店のユニークポイントでもあります。ここまで種類のある甘酒店はないですね。そう捉えてくれているお客様も多いと思います。ほぼ毎月入れ替わりで限定商品を販売しています。夏は飲み物を通常より多く飲む時期なので、1年の中でも甘酒の消費が増える時期にはなりますが、その中でも根強い人気を誇るのが「トマト」です。
贈り物にも使われる甘酒
――購入されるお客様はどんな方が多いですか?
小畑さん:やはり甘酒が好きな方が多いですね。古町糀製造所は2009年にオープンして12年程経つのですが、当時は甘酒そのものがメジャーではなかったので「甘酒って何?」というところからお客様とのコミュニケーションが始まったと聞いています。今では、甘酒がある程度皆さんの認知の中に入ってきているので、スーパーにも甘酒コーナーが増えてきていると思います。だからこそ、今は「甘酒をよく飲むけど、ここの甘酒はどう良いの?」というコミュニケーションが生まれ、色々な甘酒がある中でお気に入りを探しに来られる方が多いですね。
――古町糀製造所の甘酒はお土産や贈り物にもぴったりですよね!
小畑さん:古町界隈が観光地でもあるので遠方からのお客さんもよく立ち寄られます。あとは、贈り物として購入される方も多いですね。母の日の贈り物やお中元、誕生日プレゼントとして利用される方もいらっしゃいます。
――それこそ甘酒が苦手な方でも飲みやすいから贈り物にも使いやすいんですね!
小畑さん:そういった理由なのかなと思います。甘酒には好き嫌いがあるので、よっぽど好きな方には贈ることがあるかもしれませんが、大概の場合はそうではないと思います。それでも、贈り物として使ってもらえるのは「何らかの形でお客様自身が飲んで良いと思ったから」だと思います。誰が飲んでもある程度満足してもらえる甘酒と評価されているのは嬉しいですね。
新潟の農産物を使った甘酒の開発
――業務全般を行われていますが、ブランディングする上で小畑さんが大切にされていることを教えてください。
小畑さん:まだまだ甘酒を知らない方は多いので、私たちが何者でどんな商品を扱っていて、甘酒がどんな商品かということは発信し続けなければいけないと思っています。お客様が求めている情報を丁寧に発信することは常に意識にしています。1回購入された方に再びリピートしていただくために、コミュニケーションの質もありがちなものにはしたくないと思っています。販売チャネルとして、現状は店舗より通信販売の方が比重が大きいので、通信販売の対応業務が多いのですが、そこでのメール対応一つとっても無機質になるのは避けたいですし、画面の向こうに小畑という人間がいて、その人が対応しているというのが伝わるように心がけています。甘酒屋さんから買っているという認識から”甘酒屋さんの小畑という人間から買っている“という風になって欲しいです。
――スタッフやお客様との印象に残るエピソードを教えてください。
小畑さん:2020年5月頃、新型コロナウイルス感染症の影響で店頭にはお客さんが全く来られませんでした。そんな中、店頭で提供しているドリンクの原料となる甘酒の消費スピードも落ち込み、相当量の廃棄見込みが生じたんです。どうしようかと悩み、普段通信販売で購入してくれているお客様にメールマガジン内で事情を説明して助けを求めたり、Twitterで廃棄食品の割引販売の内容をツイートしたんです。当時、同様の問題を抱えている飲食店、生産者が多かったのでSNSでも注目されている内容だったこともあり、そのツイートがアカウント史上過去最高に拡散されました。
――かなりバズったのですね!結果はどうなったのでしょうか…。
小畑さん:その結果、廃棄を生じることなく多くのお客様に購入していただきました。普段から利用されていた方からは「好きなお店だから力になれればと思い」というコメントをいただき、Twitterで知った方からは「地元が新潟で古町も馴染みがあるから」「以前新潟に訪れた際にお店に立ち寄ったことを思い出した」などのコメントをいただきました。店頭はもちろん、オンライン上でも顧客コミュニケーションの質を追い求めている結果が一つあらわれた出来事だったと思います。
――今後、挑戦したいことや展望を教えてください。
小畑さん:甘酒の原料はお米なので、お米や醸造の世界を甘酒を通じて伝えていきたいです。その流れの中で、これまで様々な商品を開発してきましたが、残念ながら新潟の食材をテーマに押し出した商品がまだないんです。だからこそ、そこは切り込んでいきたいと思っています。個人としてもお店としても新潟の農産物を使った甘酒を作りたいですね。お客様にも受け入れられる確信もあるので、挑戦していきたいです。
【古町糀製造所】
住所:新潟市中央区古町通二番町533番地
電話:025-228-6570
営業時間:10:00~17:00
定休日:火曜日
古町糀製造所の甘酒は飲みやすくて好きなのよね~夏の限定シリーズも買いに行かないと!