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TOP > インタビュー > 【大平 万里雄さん(酒場ダイニングPal オーナー)】我が家のようにくつろげる空間を作るオーナーの新たな挑戦
2021年5月22日

【大平 万里雄さん(酒場ダイニングPal オーナー)】我が家のようにくつろげる空間を作るオーナーの新たな挑戦

新潟市
インタビュー

酒場ダイニングPal万代本店_大平万里雄さん


プロフィール
大平 万里雄さん(おおだいら まりお): 新潟市出身。大学進学で群馬県に行き、26歳まで過ごす。サッカー推薦で行くも怪我で断念。その後、Barでアルバイトを始める。アルバイトをきっかけに、人と触れ合う仕事に興味を持ち、大学卒業とともにアルバイトから正社員として働く。26歳の時に新潟に戻り、「BAR&DINER晴°る(パル)」をオープン。2019年には万代に移転し「酒場ダイニングPal 万代本店」を営業している。


サッカー漬けの日々から飲食業界へ

――大平さんの生い立ちや趣味などについて教えてください。

大平さん:新潟市出身です。高校卒業後、進学のため群馬県に行き、26歳まで向こうで過ごしました。大学にはサッカー推薦で行ったのですが、入学早々に怪我をしてしまい、手術をしてサッカーは辞めたんです。それからは近くのBarでアルバイトをしていました。

――学生時代はサッカーに専念されていたのですね。サッカーの道を志していたのですか?

大平さん:高校もサッカー推薦だったので勉強はあまりせず、サッカーに力を入れていました。しかし、そこまでのレベルではなかったですし、怪我もしたのでサッカーを仕事にするというのは考えていませんでした。サッカーは今でも好きで、たまに友人たちとやっています。

――飲食業界に入られたきっかけを教えてください。

大平さん:元々、人と触れ合う仕事がしたいと考えていて、アルバイトをする中でお客さんとのコミュニケーションの楽しさを感じていました。それまでは飲食業に就職するとは思っていなかったですね(笑)。大学卒業と同時に、アルバイトをしていたお店に正社員として入社し、Barの店長をやりながら、店舗の拡大もしていたのでマネージャーも兼任していました。

――群馬での経験を活かし、新潟で自分のお店を開かれたのですね!

大平さん:そうですね。正社員として働き始めたタイミングで自分のお店ができたら良いなと考えていました。26歳の時に新潟に戻り、その半年後古町に「BAR&DINER晴°る(パル)」をオープンしました。

――元々、新潟でご自身のお店をオープンしようと考えていたのですか?

大平さん:お店の名前の「パル」には親しい友達という意味があります。安易な考えだったのですが、下積み時代に働いていたBarのマスターが友達とわいわいしている姿を見て、自分がお店を持てばいつでも友達に会えるんだなと思ったんです。きっかけはそこです(笑)。

酒場ダイニングPal万代本店

アットホームで居心地の良いお店がコンセプト

――初めは古町に「BAR&DINER晴°る(パル)」をオープンされたんですよね。

大平さん:そうです。古町のお店は、お客さんが家のように使ってくれるアットホームなお店をコンセプトにしていました。お店のキャパもそんなに大きくなかったですし、人と接することに重きを置いていたお店ですね。今のパルは、居酒屋なので良い意味でこだわりのない感じでやっています(笑)。料理もピザやパスタ、もつ煮など様々なメニューがあるのですが、それがこのお店の良さでもあると思っていて、1つの料理にこだわった専門店ではない感じが特徴です。

――古町から現在の万代への移転のきっかけは何だったのでしょうか?

大平さん:入っていたビルが取り壊されることになったんです(笑)。古町でも別の場所を探していたのですが、タイミングよく現在の場所にあった居酒屋が出るということでこの場所に移転しました。場所も古町から万代になったので、今までと少し雰囲気を変えて居酒屋っぽくしています。

――それが移転の理由だったのですね(笑)。古町の店舗は映画「ミッドナイトバス」のロケ地にもなっていましたね!

大平さん:そうなんです。ロケが終わってすぐにビルが取り壊しになったのでロケ地効果など何も受けないまま閉店しました(笑)。小さいお店でしたが、とてもアットホームで良いお店だったと思います。また、そういうお店をやりたいなとも思いますね。

酒場ダイニングPal万代本店_大平万里雄さん

コロナ禍で変化した飲食業界

――新型コロナウイルスの影響はかなりあったのではないでしょうか。

大平さん:かなり受けました。先日の時短営業もそうですが、そもそも予約が入らないんですよね。コロナが流行してから1年程経ちましたが状況はあまり変わりません。古町から移転してオープンしたのが2019年6月なのでまともに1年営業できていないんですよね。

――コロナ禍だからこそ、考えられたことはありましたか?

大平さん:コロナ禍で私たち飲食店が困っているということは、卸業者や酒屋さん、農家さんなど皆さん大変な思いをされていると思います。だからこそ、新潟の食材を使ったお店を作りたいなと考えています。せっかくなら新潟の業者さんや生産者さんと“一緒にがんばろう”というお店ができたら良いなと思っています。今はそんなことばかり考えていますね。

――素敵なお店ですね!コロナを経験したからこその考えですね。

大平さん:そうですね。あとはアットホームなお店というのはぶれずやりたいです。考えているお店では、私自身レモンサワーが好きなのでレモンサワーと新潟の食材を組み合わせた料理で看板商品を作りたいです。ハイボールと餃子のようなセットを自分で考えて作る予定です。

――どんな看板商品になるか楽しみですね!

大平さん:パルでは様々なメニューを扱っていて、抱えていると在庫になるのでできれば色々なものが出て欲しいと思いながら営業していますが、今コロナの状況で商売もきちんとしなくてはいけなくなったので、だったら1つ看板商品を置き、それを一生懸命やろうと思ったんです。グラスからこだわり、レモンサワーはレモンの仕入れから仕込みまで自分でやってみようかなと思います。新潟にはレモンを作っている農家さんもいらっしゃるので繋がれたら良いなと思います。

――コロナ禍で経営の考え方にも変化があったのですね。

大平さん:かなり変わりましたね。こんなにお金って無くなるんだと思いました(笑)。お店のやり方も変えないとやっていけなくなっていると思います。パルも2階には個室とカウンターがあり、3階は宴会ができる団体用の席にしていました。コロナ前は如何に席を回転させるかという意識でアットホームな感じがなかったんですよね。それでコロナを機に、個室の壁を取り、顔が見えるオープンな空間に変えました。

――パルではランチ営業も始められたんですよね。

大平さん:そうですね。ランチを始めたからと言って、売上の変化はそこまでないのですが、私たちがお客さんと会う機会を持つために営業しています。近所の方や近場で働く方はランチだと来やすいですし、ありがたいことにランチをきっかけに夜も来てくださるお客さんもいらっしゃいます。ランチに来た方が少し日常が戻った時にパルを思い出して来てくれたら嬉しいですね。

酒場ダイニングPal万代本店

大切なことは相手の気持ちを尊重すること

――大平さんが経営上大切にされていることを教えてください!

大平さん:私が自分自身を正しいと思わないようにすることです。もちろん、大枠の考えは作りますが、その表現は人それぞれだと思うので全てのマニュアルを作らないようにしています。あとは、相手を尊重することを常に心掛けています。相手を常に思いやることはどの仕事でもどの場面でも大切だと思いますね。

――相手を尊重するということは、誰にでも共通して言えることですね。

大平さん:そうだと思います。今まで、自分が正しいと思っていた時期もあったのですが、それが間違いだと気づきました。結局、お店をやっているとはいえ、一人ではできないですし、誰かがいるから自分がいるということに気づいたからだと思います。それはお客さんはもちろん、スタッフも業者さんも仕入れ先もそうですね。やってみてわかりました。

――ご自身の経験があるからこそですね。

大平さん:自分の状況がどうであれ、相手の気持ちを尊重したいと思います。独立したいというスタッフがいれば、後押しをしたいです。うちの店長にもいずれは自分でやって欲しいという気持ちもありますし、ずっと一緒にやっていきたいという複雑な気持ちがあります。去る者追わずではないですが、自分も他のお店から独立している以上、同じように誰かにやってあげないと、という気持ちがあります。

――そうやって新潟の飲食業界も盛り上がると嬉しいですね。

大平さん:そうですね。自分が独立する時、当時の社長に「飲食業界は煌びやかな世界ではなく、自分が思っているものとかけ離れているかもしれないよ」と言われたんです。経営者にしか分からない苦労が多かったんだと思います。「想像以上に厳しいかもしれないけどがんばりなさい」と言ってくださり、これまでやってこれました。当時はわからなかったのですが、やっていくうちにその大変さがどんどんわかってきました。

酒場ダイニングPal万代本店

とことん新潟にこだわる挑戦

――スタッフやお客様との印象に残るエピソードを教えてください。

大平さん:たくさんありすぎて困りますね(笑)。古町のお店の常連だった方が旦那さんが他界された時、旦那さんが大事にされていたお酒を「お店に飾って」と譲ってくれたんです。サントリーの干支にちなんだボトルで今では貴重なお酒なのですが、そんな大切なものをくれるくらいお客さんと良い関係を築けています。他にもご飯を作って持ってきてくれたり、本当にお客さんとの距離は近いと思います。まだ、古町のお店ほどではないですが、今のパルにも常連さんが徐々に増えてきていて、皆さんに居心地が良いと思ってもらえるのは嬉しいです。スタッフともよく食事をしたり飲みに行ったり、みんな年齢など関係なく話を聞いてくれるので本当に家族のような関係です。

――最後に、今後、挑戦したいことや展望を教えてください。

大平さん:もちろん、新潟の食材を使った、こだわりのレモンサワーと料理のお店に挑戦することです。新潟をコンセプトにし、生産者さん達と一緒にこのコロナを乗り越えられるようなことをしていきたいですね。今、飲食店が新しい事業に取り組むことも多くなっていますが、パルのベースを崩してはいけないと思っています。このスタイルのお店を守るため、変化しないために変化していきます。「酒場ダイニングPal 万代本店」は、アットホームな空間なのでぜひ足を運んでいただけると嬉しいです。

酒場ダイニングPal万代本店

【酒場ダイニングPal 万代本店】
住所:新潟市中央区弁天2-4-2 橋本ビル2F・3F
電話:0254-33-3480
営業時間:11:00~25:00(ランチ 11:00~15:00)
電話:025-384-0774

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アットホームな素敵なお店だね!「新潟にこだわったお店」への挑戦も応援したいな~

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