
【プロフィール】
大澤 帆波(おおさわ ほなみ):新潟市江南区出身。短大卒業後、テレビ局の下請け制作会社で3年間ラジオ番組のADとして勤務。その後、出版社へ転職し、「パンとカフェとごはんの本」の編集長業務を9年間担当する。現在は、古町で「SNACK&PUB Da falls」を経営している。
『新潟人283人目は、古町に新しく生まれた「SNACK&PUB Da falls」のオーナー・大澤帆波さん。マスメディアや編集にも携わり、現在は飲食店オーナーとして活躍。新潟で重ねてきたキャリアと“転機の出来事”を伺いました。』
ラジオ番組のADから出版社の営業へ

——前職はジョイフルタウンにお勤めだったそうですが?
大澤さん:ラジオ番組のAD時代に、飲み会でジョイフルタウンの種村社長とご一緒したのがきっかけです。それからは街で会うたびに「入社させてください」と頼んでいました(笑)。
——実際に入社された経緯は?
大澤さん:制作会社との契約が切れたタイミングで種村さんに電話したところ、「面接を受けてみるか」と言っていただき、お世話になることになりました。
——ジョイフルタウンではどんな業務をされていたのですか?
大澤さん:編集職を希望していましたが、配属は営業部でした。
「えっ」と思い理由を聞くと、「たぶん営業のほうが合っていると思うから」と言われて…。それから12年間、ずっと営業畑にいましたね。

仕事観を一変させた一冊の本
——営業の仕事に戸惑いもあったのでは?
大澤さん:戸惑いばかりでした。入社後3年間はほとんど収益を生めず、仕事も獲得できませんでしたね。
車の運転も苦手で時間がかかるし、見積もりも作れず、本当にポンコツでした。
——転機となった出来事は?
大澤さん:入社3年目に、『パンとカフェとごはんの本』という別冊の編集長業務を任せてもらったことです。
タイトルから判型、表紙デザイン、紙面構成、紙の質まで、すべてを決めました。その代わり、結果はすべて自分の責任です。この制作経験が、私の「仕事観」を大きく変えてくれました。
——どのような変化がありましたか?
大澤さん:制作を通じて、「スキームを考えること」が自分の強みだと気付いたんです。
ライティングや撮影よりも、広告の集め方や目標金額、広告主の満足度を高める仕組み、人員配置など、全体を設計することに面白さを感じました。それから仕事が本当に楽しくなりましたね。

私が選んだ「スナック」という場所
——お店を始めようと思ったきっかけは?
大澤さん:人と話すことが好きで、以前から「お店をやりたい」という思いはありました。
ここ一年でライフスタイルに変化があり、「自分が自由にできる時間を優先したい」という気持ちが強くなったことが大きいですね。
——お店の業態は決めていたのですか?
大澤さん:飲食店の大変さを多く見てきたので、なんの修業もしていない私が料理を軸にするのは難しいと感じていました。
一方で、古町には老舗のバーが多くあります。そこで、「スナックのような雰囲気で、人が集まれる場所」をつくろうと考えました。
——一般的なスナックとは違う点も?
大澤さん:カラオケはなく、セット料金もありません(笑)。ドリンクは700円からで、気軽に立ち寄れるようにしています。
お客様同士や私との会話を楽しむ「夜の社交場」というか、気軽に立ち寄れて人とつながれる場所でありたいと思っています。

目標はあえて「流行らないこと」
——実際に始めてみていかがですか?
大澤さん:「スナック」と言っても閉ざされた空間にはしたくなかったので、大きな窓を設けて、中の雰囲気が分かるようにしているんです。
そのおかげか、想像以上に様々な方が来店してくださっています。外観が気になって入ってきてくれる方や友人の紹介、前職でお世話になった方々など、本当に毎日楽しく過ごせています。
——最後に、今後の目標を教えてください。
大澤さん:お店としての目標は「現状維持」です。あえて言うなら「流行らないこと」ですね。
流行りには必ず終わりが来ると思っているからこそ、“常にこの場所に楽しそうな灯りをともし続ける”ことが、今のところの目標ですね。職種は変わりましたが、「お客さまのために」というスタンスは一切変えずにいたいと思っています。
——個人的な目標もありそうですね?
大澤さん:いずれは、昼間にフリーで仕事ができたらと考えています。出店のお手伝いをはじめ、代理営業、ちょっとしたライター業務など、「何でも屋」を始めようと考えています。
さらに、これまで培った人脈を生かしながら、また別の新しいことにも挑戦できたら嬉しいですね。

【SNACK & PUB Da falls】
住所:新潟市中央区東堀通8-1429
電話:なし
営業時間:22:00~翌3:00
定休日:月・火曜、ほか不定休あり
公式Instagram
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