プロフィール
芳賀 聡さん(はが さとし): 三条市出身。長岡高専から新潟大学農学部へ編入し、卒業後は県内にある食品メーカーの商品開発部門に入社する。その後、プライスワイズに転職し、地域に根差した商品開発を目指す中で「燕三条鉄アイス」を開発・販売し、話題を呼ぶ。他にも饅頭、コーヒー、クラフトコーラなど「鉄シリーズ」を世に送り出している。
ガタチラスタッフ:『新潟人153人目は、「株式会社プライスワイズ」の芳賀さんです!
“鉄アイス”に驚かれた方も多いですよね(笑)「燕三条地域を盛り上げたい」という想いから生まれた「鉄シリーズ」の誕生秘話や苦労したこと、今後の目標などたくさんのお話をお聞きしました。素敵な笑顔で取材に応じてくださり、ありがとうございました!』
あっと驚く“鉄アイス”が誕生
──学生の頃から食品に関わる仕事がしたかったのですか?
芳賀さん:そうですね。実家がベーカリーだったので、昔から食品に関わる仕事をしたいと思っていました。おいしいものを食べた時、人は一番笑顔になりますよね?「私が作ったもので、多くの人が笑顔になってくれたらいいな」という想いは、前職から現在まで変わっていませんね。
──プラスワイズに入社したきっかけは何ですか?
芳賀さん:当社は農業用品や建築資材、ガーデニング用品などをインターネットで販売する農業系の商社なので、学生時代に農学部で学んだことと、前職で商品開発をした経験が生かせると思い、入社しました。2020年に食品ブランド「ChillFull(ちるふる)」を立ち上げ、食品開発・販売を手掛けることになりました。「まずは地元にちなんだものを販売しよう」と学生団体と一緒に開発したのが「燕三条鉄アイス」です。
──発売された当時は、“鉄”のワードに驚きました (笑)
芳賀さん:「燕三条の金物と食品を結びつけるなら何がいいだろう…」と考えて、「三条といえば鉄かな」と思いついたんです(笑)。鉄ならイメージが湧きやすいですし、インパクトのある商品になると考えました。
──学生さんと一緒に作られたのですね!
芳賀さん:地元を巻き込みながら地域密着の商品を作ることで、燕三条がもっと盛り上がると思ったんです。そんなことを考えていた時に、インターンシップ生を受け入れていて、「地域貢献をしたい」という想いを持つ学生たちと一緒に商品開発を始めることにしました。
──アイスクリームにしたのは、鉄との相性がよかったからですか?
芳賀さん:作りやすかったのが本音です(笑)。知人のジェラート屋さんに協力してもらい、インパクトはもちろんですが、美味しさにもこだわって作りました。販売前に三条魚市場のイベントでテスト販売をしたのですが、“地域を盛り上げたい”という当社の想いが地元の皆さんに受け入れられたのは嬉しかったですね。
学生のアイディアを商品開発に生かす
──商品開発の発想は芳賀さんですか?
芳賀さん:私はもちろん、学生のアイディアもあります。6月1日より販売している「鉄メロンソーダ」は、学生主体で実施した「鉄スイーツ決定戦」というイベントで生まれました。「鉄ポッポ焼き」や「鉄ティラミス」、「鉄カフェオレ」もありましたが、一番美味しかったメロンソーダを商品化したんです。「こういう鉄の活かし方もあるんだな」と学生たちの発想はとても勉強になりますね。一緒に販売する「鉄コーラ」は、いわゆるクラフトコーラです。6種の香辛料を使っているのですっきりとして美味しい自信作です。
──“鉄シリーズ”のラインナップを教えてください!
芳賀さん:「燕三条鉄アイス」や「鉄饅頭」、「鉄メロンソーダ/コーラ」のほか、「鉄コーヒー」もあります。最初はスティックタイプを作ったのですが、黒く着色するために配合されている竹炭が軽く、少しの空気の動きですぐに舞ってしまうので、うまくパッケージできませんでした。茶処の静岡まで行き、そこの技術を使わせていただいて、ようやく完成したという苦労もあります。
──一から商品を生み出すのは、大変なことが多そうですね…。
芳賀さん:「燕三条鉄アイス」も竹炭がネックで、初めは量産化できませんでした。鉄を黒い色にするために必要な竹炭の扱いが難しかったり…開発までなかなか苦労しています(笑)。大変なことが多いですが、そのたびに鉄の新しい発見も多いので商品開発はとても面白いです!
燕三条地域をもっともっと盛り上げたい
──今後も新たな鉄シリーズを開発していくのですか?
芳賀さん:どんどん開発していきます!「栄養学的に鉄分を摂取できる」という点もアピールし、“燕三条ブランド”として育てていきたいですね。地方を盛り上げるのは、地元出身者が盛り上げていくのが一番良いと思います。
──燕三条の方は同じ想いを抱いている方が多い印象です!
芳賀さん:地域を盛り上げたいという想いで活動されている人はもちろん、県外から地域協力隊として来られる人も多いので、そういう人たちからも刺激を受けています。地元の繋がりが強いので、そこから生まれる新しい繋がりも大切にしていきたいですね。
──お客様との印象に残るエピソードを教えてください!
芳賀さん:鉄アイスを食べた方から「美味しかったよ」と言ってもらえることが多く、アイスは後味が良くなるようにこだわっているので、そういう反応は嬉しいです。鉄の良さをどんどん生かして、「鉄って美味しいね」と言われるように頑張りたいと思います!
──最後に、今後の目標を教えてください!!
芳賀さん:燕三条地域を離れると認知度が下がってしまうので、県内外で「燕三条の鉄シリーズ」として受け入れてもらえるような商品を目指していきたいです。鉄の町であり、鉄の食品もある町として地域を盛り上げたいですし、「鉄の食品も美味しいよね」と言ってもらえるように今後の鉄シリーズも楽しみにしていただきたいと思います!
【ChillFull-ちるふる-】
住所:三条市直江町3-2604-1-2(魚市場駐車場内)
今後の「鉄シリーズ」にどんな商品が登場するのか楽しみね♪