プロフィール
本間徹(ほんまとおる):新潟市西区出身。小学校から高校まで黒鳥で過ごす。大学を卒業後は、一般企業で実務経験を積み、家業の本間商事へ入社。地域コミュニティと農業を繋ぐ拠点として、2021年9月に「Farmer’s Kitchen BLACKBIRD」をオープンする。
サラリーマンから家業を継ぐ決意
──本間さんの生い立ちを教えてください。
本間さん:新潟市西区黒鳥出身です。実家はお店のすぐ近くなので、小学校から高校まで黒鳥で過ごしました。学生の頃から、いずれは家業を継ごうと考えていましたが、経験を積むという意味ですぐには家業を継がず、一般企業に2年半ほど勤めました。その後、結婚を機に家業の「本間商事」に入社しました。
──「本間商事」は、幅広い事業をされていますね。
本間さん:そうですね。「越信商事」として県内の飲食チェーンに加盟し、上越を中心に店舗を展開したり、「黒鳥枝豆研究所」として農作物の販売や「ホンマベーカリー」というパン屋を運営しています。私は上越の飲食店業務を任されていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、2020年から農業を手伝うようになりました。
お客様とダイレクトに繋がる場所
──「Farmer’s Kitchen BLACKBARD」をオープンした経緯を教えてください。
本間さん:「農業を軸にしたビジネスの拠点を作りたい」という考えが社長の中でありました。加盟している飲食チェーンの社長に相談すると、「今の場所でやるのが良いんじゃないか」とアドバイスをいただいたそうです。「今は地図検索で調べて来る時代だから」と、あえて黒鳥に作ることにしました。当社はパンや農産物の販売をしていたので、まずは「お客様とダイレクトに繋がることができる場所」ということでカフェを中心にした施設を2021年9月にオープンしました。
──店名の「Farmer’s Kitchen BLACKBARD」は黒鳥の地名から来ているのですか?
本間さん:他にも候補がいくつかあったのですが、一番シンプルでわかりやすい「BLACKBIRD」に決めました(笑)。複合的な施設なので、店名は一番悩みましたね。「野菜の直売所」や「ベーカリーカフェ」にするとそれだけみたいになってしまいます。食や農業を連想してもらいたかったので「Farmer’s Kitchen」を最初に付けました。
──かわいらしいお店のロゴの由来を教えてください!
本間さん:ロゴは、黒鳥の「く」に見えませんか?「く」は黒鳥の頭文字でもあり、口の「く」でもあります。鳥のくちばしにも見えますよね。当社は食を通じたビジネスを行っており、口やくちばし、食べることとは切っても切れない縁があります。さらに、ロゴマークを90度回転して見ると、田畑から見える、弥彦山、角田山に沈む夕日にも見えるんです。農業には欠かせない太陽や田畑などの恵みもリンクさせています。
──ロゴはもちろん、お店作りもかなりこだわっていますね!
本間さん:若い世代に「こんな農家があるんだ」と知ってもらうには、お店の建物にもこだわらないと興味を持ってもらえないと考えました。おいしい商品を作っている農家がほとんどですが、それを発信する力は弱いと思います。「Farmer’s Kitchen BLACKBARD」を情報発信の拠点にしたかったので、若い世代が興味を引くように、家具や見た目にもこだわったお店にしました。
──実際に来られるお客様はどんな方が多いですか?
本間さん:カフェとして利用する若い世代の方が多いですが、近所のおばあちゃんたちも来てくれます。黒埼の方から「黒埼に素敵なお店ができて嬉しい!」と言ってもらえた時は感動しました。
──「Farmer’s Kitchen BLACKBARD」では、農産物の販売もしているんですよね。
本間さん:そうなんです。黒鳥は枝豆の産地なので、枝豆をメインに旬の野菜を生産しています。「Farmer’s Kitchen BLACKBARD」には直売コーナーを作り、他にもネット通販(参照:ガタ市商品ページ)や各スーパーで販売しています。私は枝豆の生産に関ってから2年目なので、生産者としてはまだ勉強中ですが、出荷する前に必ず味見をし、自信がある確かなものをお届けしています。
──ベーカリーカフェのメニューには自家栽培した農産物を使用しているんですよね。
本間さん:枝豆は夏の作物なので、秋~春は冷凍しておいた枝豆をパンに練り込んだり、枝豆シェイクなどに加工して販売します。夏期限定の「ずんだシェイク」は、濃厚な枝豆の味と香りを感じる人気メニューです!季節限定の商品ですが、ぜひ、一度飲んでもらいたいですね!
食と農業体験を通じて、子どもたちに食育を
──スタッフやお客様との印象に残るエピソードを教えてください!
本間さん:店舗のオープン準備が枝豆収穫の繁忙期と重なっていたので、かなりハードだったことが思い出です。1週間くらい朝から夕方まで、お店のテラスのペンキを塗り続けていました(笑)。スタッフみんなで作り上げた自慢のお店です!
──最後に、これから挑戦したいことを教えてください!
本間さん:「収穫体験」と「商品開発」です。近くに畑があるので、お客様に「収穫体験」を楽しんでもらいたいです。「実際に体験してもらう」という部分がまだできていないので、例えば、キャンプ場やバーベキュー場を整備して、畑に植えてあるものを収穫し、焼いて食べられるようにしたいですね。食べるだけでなく「体験すること」にフォーカスしていきたいです。野菜は作るまでが大変ですが、収穫が一番楽しい作業だと思います。子供から大人まで楽しめますし、食育にも繋がると考えています。
「商品開発」については、枝豆や小麦を生産しているので大豆ミートやオーツミルクにも挑戦できるのではと考えています。これからは環境にも配慮したものが必要になってくる時代なので、取り組んで行きたいです。
【Farmer’s kitchen BLACKBIRD】
住所:新潟市西区黒鳥648-1
営業時間:8:00~15:00
定休日:火曜・水曜・他不定休
素敵な施設がオープンしたわね!収穫体験もぜひやってみたいわ~