プロフィール
湯川暁(ユカワサトル):新潟市出身。幼少期から高校1年生頃まで新潟市で過ごし、アメリカに1年間留学する。帰国後、高校を中退して上京。アルバイトをしながら高等学校卒業程度認定試験を受験し、東京の大学へ進学する。卒業後は新潟へ戻り、古町にワインバーを展開。2008年には、けやき通り沿いに「新潟風物詩ももふく」をオープンする。
大学卒業後、夢の飲食店を開業
――大学卒業後に飲食店を開業されたのですか?
湯川さん:大学在学中に調理師免許を取得しました。自分のお店を開くことを決めていたので、就職活動はせず、卒業後は新潟へ戻り、同年8月に古町でワインバーをオープンしました。
――学生時代から、自分のお店を持つということを決めていたのですね。
湯川さん:そうですね。大学時代は様々な飲食店でアルバイトをし、開業資金を貯めながら経験を積んでいました。成功するかどうかは別として、飲食店は誰でも挑戦しやすい業界だと思います。
――「新潟で出店したい」という想いがあったのですか?
湯川さん:出店費用の問題があり、家賃を考えても東京での出店は厳しかったです。そこで故郷の新潟で挑戦しようと思いました。
――「新潟風物詩ももふく」をオープンしたきっかけを教えてください。
湯川さん:形を変えずに、流行に左右されないお店を作りたいと思ったことがきっかけです。最初のお店は流行に左右されることが多かったので、一つのお店で掘り下げていきたいと思いました。
――「新潟風物詩ももふく」のこだわりを教えてください!
湯川さん:「ももふく」という名前のように、「福」のあるお祝い事をターゲットにしています。「幸せ」と「福」を共感できるような店にしたいという想いが込められており、お客様は家族のお祝い(お子さまのお食い初め、誕生日、七五三、ご両家のお顔合わせなど)の機会に利用されることが多いです。
――その他、お店のこだわりはありますか?
湯川さん:ある程度単価は高くなりますが、新潟県産の良い食材にこだわっています。単価が安いと浮き沈みも大きいので、きちんと料金をいただいた中で精一杯の料理をご提供しています。完全個室・完全予約制ですので、安心感もあると思います。
店舗と通販事業の両輪で「福」と「幸せ」を届けたい
――通販事業はいつから始められたのですか?
湯川さん:2021年3月からです。計画段階から、保健所の申請や設備を整えるなど準備にかなりの時間が掛かりました。
――やはりコロナ禍が背景にありますか?
湯川さん:そうですね。既存の事業が好調な時は良かったのですが、新型コロナウイルスの影響を受けた分を補っていくために必要だと思いました。申請した補助金を活用し、設備を整えている最中です。冷凍販売なので、冷凍設備も導入しています。
――通販商品もお祝い事などの贈答用にぴったりですよね。湯川さんが商品開発されているのですか?
湯川さん:そうです。“他店との差別化”を意識して考えています。商品価値が高いものを糀や酒粕などで手を加え、健康面の付加価値をつけています。肉、魚、甘酒、お米を詰め合わせることで、お祝いの食卓をイメージしているんです。「同じ商品がたくさん入っていた方がリピート率が良いです」と通販の営業の方に言われたのですが、私は様々な種類を楽しめた方がワクワクすると思うのでチャレンジしています。ありがたいことに注文も徐々に増え、お中元やお子様のお祝い返し、他県の方への贈り物としてご利用いただいています。
コロナ禍を乗り越え、新たなチャレンジ
――コロナ禍を経て、心境の変化はありましたか?
湯川さん:日々の浮き沈みが激しいので、前向きになれる時もネガティブな気持ちになる時もあります。しかし、今できることを続けるしかないので、後々に「あの時実践したからピンチがチャンスになった」と思えるように過ごしています。行動しなければ、チャンスにもなりません。これからどうしていくべきか、自分なりの答えを見つけて進んで行くしかないと思います。やりたいことは“今のお店”なので、そこはぶれずにやりたいことを人生の仕事として続けていきます。その中から、関連する新しい取り組みにチャレンジしていきたいです。
――印象に残るエピソードを教えてください!
湯川さん:当店はリピーターのお客様に支えられています。そういったお客様からご支援を直接いただくことも増えました。2021年7月30日からクラウドファンディングを始めたのですが、開始前からご支援いただく方からお電話をいただき、とても嬉しかったです。「自分が今、何をやり、これからどうするか」ということをお客様に知ってもらい、「新潟風物詩ももふく」を続けていけるようにしなければと思っています。
――お店をより良くするためのクラウドファンディングということですね。
湯川さん:そうです。目的はいくつかあるのですが、一つは庭を改装し、バーベキュー席を設ける予定です。新しい付加価値で新規の利用者層を獲得したいと考えています。もう一つは、自動販売機の設置です。自動販売機のメリットは24時間販売できることです。コロナ禍での自動販売機の販売は、とてもメリットがあると思います。さらに、レトルト商品の販売も考えています。自社生産することで常温での販売が可能になり、流通コストを抑えることができます。常温であれば備蓄用にもできますし、お土産にも利用しやすくなると思います。ぜひクラウドファンディングにお力添えをいただけると嬉しいです。
――最後に、これから挑戦したいことを教えてください!
湯川さん:将来的には「子ども食堂」をやってみたいです。食事が提供でき、勉強も教えられるような場所を作りたいと思っているのですが、責任のあることなので、それなりの覚悟を持ってできるか模索中です。子どもの学力格差は経済格差の側面もあります。恵まれない環境にいる子どもたちを引き上げていけるような場所を作っていかないと、地域の支えにならないというのが私の考えです。1日の始まりの朝食を食べることができる環境を作り、勉強も教えられたら良いなと思います。
【新潟風物詩ももふく】
住所:新潟市中央区米山2-3-4(けやき通り沿い)
電話:025-245-0029
営業時間:ランチタイム(土・日・祝):11:30~15:00(LO14:00)/ディナータイム:17:00~23:00(LO22:00)※時短要請期間の場合はお問い合わせください。
定休日:不定休
僕もクラウドファンディングで応援しよう!