プロフィール
古屋陸翔: 新潟県佐渡市出身。小学校からバスケットボールを始めて13年。高校はスポーツ推薦で大分県の学校へ進学。高校卒業後はNPOソーシャルファームさんじょうの協力隊として活動しつつ、新潟県初の3×3プロチーム「SANJO BEATERS(三条ビーターズ)」の新メンバーとして加入する。普段は農業をしながら、練習に励んでいる。趣味は寝ることで、いつでもどこでも寝れるくらい睡眠を大切にしている。
小学校から始めたバスケットボール
――古屋さんの生い立ちについて教えてください。
古屋さん:2001年、佐渡市で生まれました。こう見えてまだ、19歳です(笑)。中学校まで地元の佐渡で過ごし、高校は九州の大分県の学校へスポーツ推薦で行きました。バスケットボール漬けの高校生活を送り、進路に迷っていた時期に三条ビーターズさんとご縁があり、入らせていただきました。
――スポーツ推薦で進学されたとは、すごいですね!
古屋さん:そんなことはないです!中学1年生の頃からずっと学びたかった先生が新潟にいたのですが、中学校最後の大会でたまたまその先生が佐渡に見に来てくださっていて、それで縁あって声を掛けていただいたんです。
――バスケットボールはいつから始めたのですか?
古屋さん:小学校1年生の時に始めてからずっとやっています。今、13年目ですね。バスケ以外のスポーツは一切やらなかったですね。スポーツ以外では、4歳から小学校3年生くらいまで民謡を習っていました。佐渡っぽいですよね。佐渡おけさももちろん踊れます。
――高校は地元を離れ、バスケに専念されていたのですね。
古屋さん:高校3年間は寮生活をしていました。全然何もできなくて、離れて親のありがたみを感じましたね。初めの1週間くらいは寂しかったのですが、仲間や友達ができて楽しくなったので、そんなに寂しさとかはありませんでした。高校生時代はひたすらバスケをしていましたね。
新潟県初となる3x3プロチームへ
――三条ビーターズに入ったきっかけは何だったのでしょうか?
古屋さん:ずっとバスケをやってきましたが、プロや実業団に行くような選手にはなれなかったんですよね。高校3年間も結局教わりたかった先生からは1年ちょっとしか教われませんでした。そういうこともあり、3年生のウィンターカップは出場せず、インターハイで辞めて就職しようと思っていました。就職活動をしている時に、たまたま母親から「こんな記事があるよ」と見せてもらったのが三条ビーターズの新聞記事だったんです。バスケに悔いが残る形でインターハイが終わったこと、バスケ関係の仕事をしたいなと幼いころから思っていたこともあり、三条ビーターズのオーナーに連絡し、加入させていただきました。
――三条ビーターズの新聞記事を見たことがきっかけだったのですね。現在メンバーは何名いらっしゃいますか?
古屋さん:現在、三条ビーターズは12名です。ここ三条の協力隊としては4名、関東に8名います。みんなそれぞれ働いていたり、大学生の方もいます。私が一番年下で20代から40代と色々な年代の方がいらっしゃいますがバスケ以外の時も楽しく話すくらい仲が良いチームです。仕事や住んでいる場所も異なるので週末に集まり、全員で練習しています。私がいるNPOソーシャルファームさんじょうには体育館があるのでここで練習しています。今までは関東で練習することが多かったのですが、今は新型コロナウイルス感染症の影響でなかなか行けてないです。
――3x3(スリーエックススリー)はあまり馴染みがなかったです。
古屋さん: スリーバイスリーと読む方もいますが、正式にはスリーエックススリーといいます。3on3(スリーオンスリー)のほうが皆さん馴染みがあると思いますが、それともまた違いがあります。3on3は、どちらかというとストリート系で魅せるバスケなんですよね。3x3は勝ちにこだわり、魅せるよりはガツガツ体のぶつかり合いがすごいです。魅せるところもあるのですがonとは違いますね。もちろん、普通の5人制バスケとも全く違います。3x3はハンドチェッキングは厳しめですが、コンタクトの基準は高めなので結構激しいスポーツですね。
――違いがあるのですね。古屋さん自身違いにとまどいはありましたか?
古屋さん:まだ慣れずに、今でもとまどっています(笑)。高校生の時、3x3をやってみて向いているかなと思っていたのですが、ビーターズでちゃんとプレーするようになってから、自分は3on3向きだったんだと思いました(笑)。今でも、わからないことも多くありますし、5人制とは全く違うと言ってもいいくらいですね。
――3x3の魅力を教えてください!
古屋さん:5人制とは違い、激しい体のぶつかり合いと、スピード感があるところですね。5人制だと24秒で攻めることができますが、3人制は12秒の中で攻めないといけないんです。コートも5人制と違って半分ですし、その中での攻防の切り替えも早いので、頭も体も使う難しい競技ですね。東京オリンピックの正式種目にもなったので、少しだけ盛り上がってはいるのですが、認知度はまだまだですね。新潟には、クラブチームはありますが、正式なプロチームとしては三条ビーターズだけです。
農業のおもしろさにハマる
――プロ選手としての他に、普段はどんなことをされているのですか?
古屋さん:普段は、NPOソーシャルファームさんじょうの協力隊をしています。農業、スポーツ、教育などの分野があり、私はその中の「半農半バスケ」というコンセプトで活動しています。農業をやりながらバスケをするという形です。今は冬で農業をやることが少なくなっているのですが、春夏は畑を耕したり、野菜を植えて収穫したり、田んぼの田植えや稲刈りをしたり、様々な農業をさせていただいています。あとは、三条ビーターズでイベントをやることもあり、その企画・運営も自分たちで行っています。
――実際に農業をやってみてどうですか?
古屋さん: 今まで、経験したことがなかったのですが、とても楽しいです。夏は暑かったりと、大変なことも多いのですが、それこそ協力隊の方々が面白い方ばかりなので、日々楽しく学んでいます。実家に帰った時にも畑を手伝ったり、草刈りもできるようになりました。分かるようになると、なんでもおもしろいですね。
――なかなか農業をやる機会はないですよね。
古屋さん:そうですね。私も最初は「農業って何をするんだ」と思っていたのですが、どんどんのめり込み、農業がとても楽しくなりました。協力隊の中に農業班があるのですが、そこに自分から「農業の仕事ないですかね」と、聞きに行くくらいはまっています(笑)。協力隊の皆さんと一緒にいる空間が楽しいし、農業も楽しいですね。
ビーターズとしても農業をしているので、「ビーターズが育てた野菜」みたいな感じで販売していけたら良いなと思います。すでに少しずつ始めてはいるのですが、協力隊として販売しているだけなので、ビーターズとしてコラボというか何かできたら良いなと思います。
――チームメイトや応援してくれる方との印象に残るエピソードを教えてください。
古屋さん:2020年は試合もイベントも少なかったのですが、毎日印象に残るくらい濃い日々を過ごしています。本当に1つに絞れないくらい楽しいことや思い出に残ることがたくさんあります。チームメイトと一緒に過ごしたり、地域の子ども達と遊んだり、ちょっと練習してたら協力隊の方が来て一緒にバスケしたり、特に大々的なエピソードというよりは、毎日が思い出のように蘇ります。
――周りの方に応援されていますね。
古屋さん: ありがたいですね。もっと早く試合に出て、恩返しをしたいです。正式な大会メンバーには6人選ばれ、その中の4人が試合に出れるのですが、私はまだその6人に選ばれていないので、2021年は大会に出れるようにもっと練習をがんばりたいです。
もっと認知され、新潟県民に愛されるチームになりたい
――最後に、今後の目標や挑戦したいことを教えてください!
古屋さん:選手として実力をつけることはもちろん、もっと有名になり、地元である佐渡に貢献したいです。小さい頃からプロ1号になってやると思っていました。今、やっとプロのチームに携わることができ、まだ認知度はないかもしれないですけど、そういったところで3×3や三条ビーターズを広められるようなイベントなどを通じて、愛されるチームになりたいです。すでに、オーナーには佐渡でイベントをしたいと話をしていて、もっと企画を通せるようにしっかり作って佐渡で実施したいです。
――地元に貢献したいという想いが強いですね。
古屋さん:そうですね。小さい頃は、貢献したいというよりは、プロになって目立ちたいという感じだったんですけど、3x3を佐渡や県内に広めていければ、もっと応援される、愛されるチームになると思います。愛されるようになることは、簡単そうで難しいですよね。少しでも悪い印象があれば、愛されるチームにはなれないので、日々の行動からしっかりしていきたいです。まだまだ認知度も新潟アルビレックスBBの方が圧倒的に高いのですが、いずれは3x3の方が好きというファンの方が増えてくれたら嬉しいです。新潟でずっと愛されるチームを目指します。
【NPOソーシャルファームさんじょう】
住所: 新潟県三条市荒沢1198-3
電話:0256-64-8116
新潟県初の3×3プロチームですって!これからの活躍に期待大だわ!みんなで応援しましょう♪